リクルートライフスタイルはこのたび、東京都・渋谷にて報道陣向け発表会を開催し、同社の飲食店検索・予約サービス「ホットペッパー グルメ」と、堀江貴文氏がプロデュースを手掛けるキュレーション型グルメアプリ「TERIYAKI」が提携することを発表した。

握手を交わす、「TERIYAKI」プロデューサーの堀江貴文氏(左)と「ホットペッパー グルメ」プロデューサーの南裕樹氏(右)

「TERIYAKI」は、著名なグルメ本の著者や編集者、料理研究家、飲食店経営者など"美味い店"を熟知する「テリヤキスト」という名のキュレーターが参加するスマホアプリサービスで、キュレーターが"料理の味"だけを基準に評価したおすすめの飲食店を紹介するほか、料理の美味しい食べ方といったトリビアなどの記事を掲載している。

今回の提携では、この「TERIYAKI」で紹介されているキュレーターおすすめの飲食店のページから、「ホットペッパー グルメ」のネット予約が直接利用できるようになる。まずは、約100店舗程度から連携を開始し、今後はTERIYAKIとリクルートライフスタイルが共同で「TERIYAKI」に掲載されている店舗に提案を行うことで、連携店舗を増やしていく。

堀江氏は「2016年には『TERIYAKI』掲載店舗の約半数にあたる1,000店舗程度に導入し、ゆくゆくは掲載されている全店舗でネット予約を可能にしたい」とコメント。今晩、どこかで美味しいものが食べたいと考えているユーザーが「TERIYAKI」を閲覧し、気に入った店があればすぐに空席確認やネット予約ができるという環境を用意することで、アプリユーザーへの利便性提供と店舗の空席率解消を実現したい考えだ。

また、「TERIYAKI」の編集長となる廣井那佳子氏も「お店情報からすぐに空席確認や予約ができ、お店にとっても予約管理の効率向上につながるのではないか」とコメントをよせる。

「TERIYAKI」に掲載されている店舗情報から直接ネット予約ができる

今回の提携を記念して、堀江貴文氏がリクエストした“裏メニュー”の企画も開始する

また、今回の提携を記念して、堀江貴文氏が足しげく通う飲食店に"無茶ぶり"して作成してもらったという「裏メニュー」を、都内を中心に6店舗で提供する企画を実施。1月31日までに「ホットペッパー グルメ」で予約した場合に限り、この「裏メニュー」を提供するという。加えて、リクルートライフスタイルが運営するグルメ情報サイト「メシ通」に、「TERIYAKI」に参加するキュレーターが記事を寄稿する企画も実施するとのこと。

発表会では、「ホットペッパー グルメ」プロデューサーの南裕樹氏がサービスの現状について紹介。南氏によると、飲食店はグルメ情報サイトで店舗を検索し電話で予約するというスタイルが一般的だと言われているが、利便性への理解やスマートフォンの普及などを背景に、「ホットペッパー グルメ」を通じて行われた飲食店のネット予約は近年急増し、2014年度ではのべ2,500万人がネット予約を利用しているのだという。

また2015年度は、すでに予測値で昨年を上回るペースで利用されている様子。現在は、掲載する約9万店舗のうち約3万5,000店舗がネット予約に対応しており、この数字をさらに増やしていきたい考えだ。

ホットペッパー グルメのネット予約利用者数は昨年2500万人を突破した

ホットペッパー グルメ利用者のスマートフォン比率も増加している

一方、パネルディスカッションの中で堀江貴文氏は、人気店舗においてネット予約の仕組みが浸透していない現状を「早急に改善しなければならない」と課題提起。「TERIYAKI」には、常に予約が取りづらい人気店も多いそうだが、そのような人気店でも予約が突然キャンセルになった場合に、その空席を埋めて機会損失を防ぐためには、ネット予約が最適なソリューションであることを強調する。

「お店の当日キャンセルは日常的によくあることですが、キャンセル料を取らないのが一般的となる店舗側にとって、突然キャンセルされると儲けにならないわけです。SNSを使いこなしている店舗は、直前の空席を告知したりしていますが、突然生まれた空席を埋められるような仕組みをネットで提供する必要があるではないでしょうか」(堀江氏)

同時に、ユーザーに対しても「外食したいと思い立ったときに、TERIYAKI掲載店舗の中から予約可能な店(空席のある店)がすぐにわかるような仕組みが作ることができれば」と説明する。

パネルディスカッションの様子

「美味しい人気店はネット予約ができない」と課題を挙げる堀江氏

また堀江氏は、グルメ情報を扱うネットサービスに"あれば便利な機能"として、UberやAirbnbなどのシェアリングエコノミーで一般的になりつつある「利用者の評価」を店舗向けに導入するべきではないかと提言。

「個人経営の飲食店などはあまり大きな資本で経営されておらず、悪意のある口コミが生まれればたちまち経営危機に陥ってしまう。飲食店には、ネット上の悪口に対して対抗できる手段がない」と語り、シェアリングエコノミーを健全に成長させる大きな原動力となる「客を評価するという仕組み」を導入し、ドタキャン常習者や店のサービスに難癖をつけるなどする"悪い客"を格付けすることにより、店舗運営のリスクが解消するのではないかという認識を示した。