【レポート】

Cerevo、「非エンジニアでも手軽に使える」鍵スイッチ「Hackey」 - Webサービスと連携、鍵を回すだけの簡単アクション

Cerevoは28日、鍵スイッチをオンにすることで、あらかじめ設定したWebサービスを自動操作できる鍵スイッチ「Hackey」の発売を発表した。同日から直販サイトで販売するほか、米クラウドファンディングサイト「indiegogo」を通じた海外展開も行う。直販価格は税別9,980円。

Hackey。本体に物理キーの鍵穴を備え、ひねることでスイッチをオン/オフする

Hackeyを手にするCerevo代表取締役の岩佐琢磨氏

「Hackey」は、IEEE802.11b/g準拠の無線LANを搭載した、手のひらサイズの鍵スイッチ。2015年3月に開発が発表されていた製品だ。物理キーをひねる動作により"鍵がまわった"という信号が無線LANで通知され、インターネット経由で「Facebookでメッセージを送る」「Twitterでつぶやく」など、設定しておいた動作を自動的に実行できる。

動作の設定は同社が提供するWeb上の管理画面「Dashboard」から行い、サービスは、FacebookやTwitterなどHTTPリクエストの受取が可能なWebサービスと連携可能。発売時は「IFTTT」「Zapir」といった、2つのサービスを連携できるサービスに対応する。「Gmailの添付ファイルをDropboxに保存する」「Instagramの写真をGoogle Driveにバックアップする」など、上記サービスで公開されているサービス同士の組み合わせ(レシピ)を、Hackeyでも利用できる。

このため、個人メイカーなどハードウェアの知識がある人だけでなく、ソフトウェアエンジニア、もしくは非エンジニアのユーザーでも扱えることが特徴とする。

Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏は、Hackeyを「非常にシンプルなもの」と紹介。通知するだけでなく、逆にFacebookで自分宛のメッセージが送られた場合など「ネットで変化があった場合HackeyのLEDを光らせることも可能」といい、双方向通信にも対応する。

Hackeyの紹介。キースイッチは市販の16mmパネルマウント型スイッチと互換でき、ひねる操作ではなく、プッシュ操作にすることもできる。鍵タイプ、ボタンタイプともにオン/オフの2操作(トリガー)を設定可能。各トリガーにつき、最大5アクションまで設定できる

Hackeyは「小学生の子供が帰宅した後に、『鍵をさして回すだけ』の動作で、親にメッセージを送る」「高齢者の見守りサービスとして、玄関に置いて『帰宅したらボタンを押す』ことで在宅確認する」といった活用などを想定するが、APIを公開するなど用途を絞らないオープンな製品だ。

「子供が帰ってきた時に押すボタン」と用途を限定し、ハードウェアカスタマイズをメインに開発する手もあったが、同社が入居するモノ作り施設「DMM.Make AKIBA」には「ハードウェア開発は苦手」とするシステムインテグレーション関連の人が多くおり、話を聞く中で「オープンなものにして各サービスに組み込んで使ってもらい、ユースケースを限定せず、幅広く使ってもらう方が良いのでは」と判断したという。

「例えば、リフィル型のサービスで補充が切れたらボタンを押すと、担当者が補充しに来るという使い方もできる。アプリやメールを送信すれば解決することだが、実際には面倒くさくてオーダーしない場合が多い。ただ『鍵を回すだけ』『ボタンを押すだけ』のような入り口があれば、思いもよらない活用ができる」(岩佐氏)。

indiegogo」は、海外でのプロモーション目的の出品。約3週間の期間を設け、国内価格より約3,000円ほど安い、59ドルから支援を募る。日本も発送対象。

「indiegogo」のHackey紹介ページ(28日18時時点)。支援は59ドル、79ドル、169ドル、649ドルの3種類が用意され、製品のリターンは59ドルから

年内に「myThings」対応、「変わった製品を組み合わせると面白い」

「Hackey」は2015年内に、Yahoo! JAPANが7月に公開した、WebサービスAPIプラットフォーム「myThings」にも対応予定。「myThings」はIoT製品やWebサービスを組み合わせられるサービスで、28日時点では同プラットフォームを活用したiOS/Androidアプリが提供されている。現時点で33サービスが対応しており、年内には「Hackey」も対応機器として加わることになる。

myThings

myThingsの説明。Hackeyとの連携は2015年内を予定し、myThings内に専用のチャンネルが作られる

発表会で登壇したヤフーのスマートデバイス推進本部 アプリ開発室室長の椎野孝弘氏は、「myThings」と「Hackey」の連携により「IoTに馴染みのない一般ユーザーも手軽に扱えるようになる」とコメント。

例えば「会社の自席にあるHackeyを押すことで、Evernoteに出勤時間が保存できる」「自席にいるかどうかわかる」「何度も同じものを買う時、HackeyからYahoo!ショッピングの購入が行える」「寝る前にベッドサイドのHackeyを押して、電気を消灯しドアをロックする」といった具体的な活用シーンを紹介した。

なお、今回の2社の提携は、椎野氏が「myThings」で組み合わせると面白いサービスを探していくなかで、どちらからともなく話がまとまったもの。「Cerevoは尖った製品を多く出しており、他のサービスと組み合わせると面白いと思った。今後は『myThings』とロボットなど、変わった製品も多く対応させていきたい」という。

活用シーン

帰宅時に通知

勤怠をEvernoteに記録

スイッチオンでYahoo!ショッピング購入

家の消灯やロックをまとめて実行

鍵スイッチがオンの間だけテレビ視聴

オフィスでの在席確認をLEDで通知

本体スペック

本体サイズは直径56mm、高さ51mm。重量は60g。無線規格はIEEE802.11b/gで、LEDカラーは赤、緑、青、黄、紫の5色が設定できる。電源は本体背面に備えたmicroUSBポートから行なう。microUSBケーブル、ウォールマウントアダプタが同梱される。鍵穴パターンは100種類を用意し、1種類につき2個の鍵が付属。ちなみに鍵を失くした場合はCerevoに連絡して欲しいという。

会社を出る時に、「今から帰るよ」を家族に伝える利用シーンのデモ。鍵をオンにすると、中央の「myThings」ボックス内部のRaspberry Piにより、左側のボードの針が「会社」から「自宅」へ向きを変える

Hackeyの前面

背面

裏面

myThingsの管理インタフェース。トリガーを設定

設定したトリガーに対するアクションを設定

myThingsには28日時点で33サービスが対応

ボタンタイプのスイッチに換装されたHackey

実際に備えられていた鍵穴と交換

トイレットペーパー買い忘れのメモを送信するデモを行なう

管理画面「Dashboard」のログイン画面

「Dashboard」設定画面。アクションはチェックをオンにしなければ実行されないため、使わずとも複数のアクションを登録しておける

Hackeyのボタンを押すと、米チャットサービス「Slack」に「トレイっとペーパーを買おう」というテキストが送信される

myThingsアプリでの設定画面。現在はサーバ負荷などの問題で、15分毎にトリガー動作をチェックする仕様だ

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