オンライン決済サービスは、2015年2月にLINEが買収した「WebPay」、5月に日本参入を発表した「Stripe」、8月に東証マザースに上場したメタップスが運営する「SPIKE」など、プレイヤーが続々と増えている。

――オンライン決済サービス市場の状況について、どう考えていますか?

鶴岡氏
「市場としては良いタイミングと考えています。今後数年間、国内消費が落ちてもオンライン消費は上がっていくので、引き続き市場は拡大していくでしょう。これは、2011年に『BASE』を始めた時の市場動向と似ていて、参入するには最適なタイミングだと思っています」

――勝算はありますか?

鶴岡氏
「淡々と事業を遂行していけば、良い規模にまで拡大できると思っています」

――競合サービスと比べた場合、「PAY.JP」の優位性は何でしょうか?

鶴岡氏
「まず、『BASE』を行っていることは、強みになると考えています。『BASE』は現在17万店舗で使われているうえ、毎月1万店舗以上増加を続けており、それらの中には成長して『BASE』では規模が合わない店舗も出てきます。そうした店舗が『BASE』を卒業しても、『PAY.JP』を使ってもらえるようにしていきたい。

また、料金形態や利用できるカードブランドも競合と比べて優れていると思っています。

さらに、エンジニアが使いやすいインタフェースにしたり、安心で安全な決済を提供していくことで、サービスとしての優位性を高めていきたいですね」

――日本の市場環境ではキャリア決済が強いと思いますが、差別化はどう考えていますか?

鶴岡氏
「特に競合視はしていません。日本には、キャリア決済以外にもコンビニ決済などの決済手段がありますが、『PAY.JP』はあくまでクレジットカード決済を対象としています。また、現在日本では四十数パーセントがクレジットカード決済で、今後も伸びていくと見ているため、『PAY.JP』はそこを取っていきたい」

――BASEとしての今後の展開を教えてください。

鶴岡氏
「『PAY.JP』はゼロから始めるため、皆さんに受け入れていただけるかどうかが成功のカギとなります。
一方、『BASE』は、そこそこ大きなプラットフォームになってきているので、現在の10の状態を100にするべく、ユーザーの皆さんにもっと喜んでもらえるようサービスの価値を高めていきたいですね。

今回『PAY.JP』を始めることで、会社としては新しいフェーズに入ります。2年半ぐらい前に起こした会社ですけど、また新たに立ち上げるのに近いと考えています。性質が異なるチャレンジが並んでいるのが会社としては面白いですね」

学生時にBASEを立ち上げた鶴岡氏。ちなみに、髪の毛が跳ねているのは狙い通りだそう