「美しさは客観的に判断することができない。ある人物にとって美しく、魅力的であっても、それが他人にとってもそうであるとは限らない」と辞書にある。

美にはさまざまなあり方があるだろうが、おそらく人々はある型にはめられた理想を追求するものなのだろう。そうした国境を越えた理想のひな型を解明するために、ある実験が行われた。

実験では世界18カ国の主に女性のグラフィックデザイナーに依頼して、自国の人にとって美人と思われるよう女性モデルをフォトショップで加工してもらった。

美しさや完璧さの感覚は男女ともに文化的な影響を強く受けている。このプロジェクトの狙いは、各国ごとに異なる理想的な美の基準を明らかにし、それによって発生するプレッシャーを理解することだ。

ご覧の通り、中にはオリジナル写真とは似ても似つかない作品もある。わずかにスリムになっている以外はほとんど変わらないものもあるが、完全に別人となったものもある。髪の色、衣装、ウエスト-ヒップ比率の大幅な変更は共通していた。

北、南、中央アメリカのデザイナーの中には、体型を砂時計のように誇張した人がいた。また、ヨーロッパやアジアではBMIが17.5を下回るか、それに近いような危険なほどの細さにまで変更されたケースもある。これは成人なら拒食症レベルだ。

こうした女性たちが現実では一体どのくらいの体重に見られているのか? そこで、35人の被験者に参加してもらい、写真の女性たちの身長を165cmと想定してその体重を推測してもらった。その後、平均体重データを元にBMIを計算した。

中国とイタリアが最も痩せ型で、推定体重はそれぞれ46・3kgと49・0kgである。最もふくよかなのはスペインで69・4kgだ。中国の推定BMIは17.0で、先述の通り拒食症レベルだ。

ちなみにデザイナーに指示した内容は以下の通りだ。

「彼女をフォトショップで加工せよ。この女性をフォトショップでレタッチすることで、あなたの国の国民にとってより魅力的にしてもらいたい。調査目的は、世界中の美的感覚の違いを明らかにすることで、複数のデザイナーが参加している。着衣は加工しても構わないが、姿態が見えるものでなければならない。ヌードは禁止。体型や姿態など、それ以外の変更はすべて自由である」

女性デザイナーをメインとしたのは、女性視点が認識する自国文化の魅力の捉え方と、彼女たちが直面しているプレッシャーを知りたかったからだ。しかし、参加者を増やすために、男性デザイナー4名にも協力してもらった。この場合は、まず女性への聞き取りを行い、それを元に加工を加えてもらった。

世界の美的感覚が大きく異なることから、理想のボディーイメージは、可能な限り多くの意見と比較できるよう試みた。結果、北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジアという、五大陸18カ国のデザイナーが参加している。

参加者のうち3名は知り合いのデザイナーだが、ほとんどはフリーランサーの求人によって募集されている。可能な限り、多くの国に参加してもらおうとしたが、特に女性デザイナーが集まらない国もあった。また、肌を露出したモデルであることから、募集が困難となる国もあった。

カラパイア

ブログ「カラパイア」では、地球上に存在するもの、地球外に存在するかもしれないものの生態を、「みんな みんな 生きているんだ ともだちなんだ」目線で観察している。この世の森羅万象、全てがネイチャーのなすがままに、運命で定められた自然淘汰のその日まで、毎日どこかで繰り広げられている、人間を含めたいろんな生物の所業、地球上に起きていること、宇宙で起きていることなどを、動画や画像、ニュースやネタを通して紹介している。