美術館でのアート鑑賞は、慌ただしい日常から離れ、インスピレーションを受けたり、リフレッシュをするのにはぴったりの過ごし方。ですが、ゆったりしたイメージとは裏腹によく歩き回ることになるので、見終わった頃には少し疲れてしまったという覚えがあるのでは?
そんなとき、頼りになるのが美術館併設・あるいは近隣のカフェ。建物に歴史があったり、そこならではのメニューがあったりと、疲れを癒やすのみならず、見所も多いものです。
今回ご紹介するのは東京駅丸の内駅舎にある「東京ステーションギャラリー」。2012年にリニューアルされ新しくなった重要文化財でもある丸の内駅舎に、美術館とホテルがあるのは知っていましたか?そう、丸の内北口ドームには「東京ステーションギャラリー」、南口ドームには「東京ステーションホテル」があり、日々、たくさんのお客様を迎えています。
東京駅丸の内駅舎が、辰野金吾の設計によって創建されたのは、1914(大正3)年のこと。東京駅は、日本の鉄道の上りと下りの基点であり、多くの幹線の0キロポストが設置された「中央駅」として位置づけられ、日本の近代史の舞台として、幾多の激動の時代をくぐりぬけてきました。
東京ステーションギャラリーは、1988年に誕生し、東京駅の歴史を体現する煉瓦壁の展示室をもつ美術館として親しまれています。赤煉瓦と絵画のコントラストは、この美術館ならではのもの。当時の煉瓦自体も貴重な歴史の資料で、それを間近に見ることができるのも魅力。煉瓦の凹凸は劣化などではなく、創建当時、漆喰の定着をよくするために、きれいな表面をあえて削った跡。表面に塗られていた漆喰を職人が手作業で取り除いたためにみえる歴史の名残といえるでしょう。
そして、東京ステーションギャラリーのある北口ドームの反対側、南口ドーム側にエントランスのある「東京ステーションホテル」があります。そのロビーラウンジが、今回のくつろぎスポットです。東京ステーションギャラリーからは、東京駅の外観を楽しみながらのんびり歩いて約3分。歴史ある東京駅を感じながらお茶を楽しめます。
「東京ステーションホテル」は2012年秋、東京駅とともに内装を一新して生まれ変わったホテル。かつての文豪が愛した客室など大正の時代からの伝統が息づく場所として、今もなお国内外からのお客様を迎えています。ロビーラウンジは宿泊客以外も利用ができ、朝は打ち合わせのお客様、昼は会話を楽しむマダム、夜は丸の内で働く皆様が仕事帰りに立ち寄られます」と広報の濱氏。
この時期、注目したいのは「ホテル開業100周年記念 マンゴーフレンチトーストセット」(2,650円(消費税込、サービス料別))。もともと東京ステーションホテルのロビーラウンジで人気メニューのフレンチトーストですが、こちらは7月1日からわずか10日間のみ提供される限定メニューで、マンゴー好きには見逃せない一品。シェフパティシエの瀧澤氏によると「この時期にしかお楽しみいただけない国産のマンゴーを贅沢に使用しています。大きくカットしたマンゴーに加えて特製のマンゴーバターも一緒にお出ししていますので、焼きたてのレンチトーストにのせてとろける食感をお楽しみいただければ」とのこと。バターをたっぷり使ったブリオッシュ生地を使用してじっくり焼き上げているため、口に入れた時のリッチな香ばしさもたまりません。
また、セットで共されるティーはフランス、パリの老舗高級紅茶ブランドのベッジュマン&バートンとのコラボレーションで誕生した、オリジナルブレンドの「エバーラスティング ストーリー」。チョコレートフレーバーを隠し味にした、ここでしか味わえないフレーバーティーもぜひ堪能してみてくださいね。
駅舎創建当時のままの高い天井と大きな窓を持つヨーロピアンクラシックの落ち着いた雰囲気の中、時には贅沢に、アート鑑賞の余韻に包まれながら極上のスイーツを楽しんでみてはいかがでしょうか。
「東京ステーションギャラリー」では、7月20日まで、北陸新幹線開業記念として 「没後30年 鴨居玲展 踊り候え」が開催中。自己の内面を掘り下げた精神性の高い作品を描き続けた金沢出身の画家、鴨居玲。油彩の代表作をはじめ、素描、遺品など約100点を一堂に展示し、その画業を回顧しています。