スマートフォンの次なる活躍の場として注目されているのが、車載システム上での利用だ。アップルもグーグルも、カーナビとスマートフォンを連動する機能を用意しているが、特に日本国内では対応機種が少ないこともあり、多くの人がそれらの機能がどんなものなのか、具体的に把握していないように思われる。今回iOSの「CarPlay」と連動するパイオニア「SPH-DA700」に触れる機会を得たので、実際の利用シーンがどのようなものかを紹介したい。
スマホがカーナビを乗っ取る
CarPlayとは、アップルがiOS 7で搭載した、カーナビとiPhoneを接続するための規格だ。この規格に対応したカーナビは、iPhoneと接続すると画面がCarPlayに代わり、もともとのナビの機能の代わりにiPhoneの地図や音楽を表示/再生するようになる。さらに、対応アプリも動作させられる。
スマートフォンと連動して利用できるナビ自体は、ケンウッドなどからも販売されているが、独自仕様のため、対応アプリが少ないなどの問題がある。CarPlayはOS側の規格なので、対応アプリはどのメーカーのCarPlay対応ナビでも利用できる。アプリ開発者としてもメリットがあるわけだ。
地図ならナビに載っているのだし、わざわざカーナビを乗っ取らなくても……と思われるかもしれないが、それは新車購入時のナビ装着率が60~70%に達し、カーナビに世界最先端の機能が提供されている日本ならではの感想。海外ではナビの装着率は20%前後にとどまっており、カーナビは簡易版のPND(ポータブルナビ)やスマートフォンのナビアプリが主流を占めているのだ。
一方で、ナビ機能を持たない車載ディスプレイは高級車を中心に比較的普及しており、エアコンやオーディオ、安全装置のオン/オフをこのディスプレイから切り替えられるようになっている。CarPlayはどちらかというと、この車載ディスプレイを使って、スマートフォン単独で使うよりも利便性を高めよう、という趣旨になる。
ちなみに今回紹介するパイオニアのSPH-DA700も、正確には「カーナビ」ではなく、ラジオとアンプ、プロセッサー類のみを搭載する「AVメインユニット」だ。