5月13日~15日に東京ビッグサイトで開催された、日本最大級のIT専門展「Japan IT Week 春」。今回は「ソフトウェア開発環境展」の中から、業界でも早期よりベトナムでのオフショア開発事業を手がけているセタ・インターナショナルのブースをレポートしよう。

ソフトウェア開発環境展 セタ・インターナショナルのブース

ビジネスチャンスを逃さないオフショア開発

セタ・インターナショナルは、中~大規模Webシステム開発を中心として、スマートフォンアプリ開発、Webサイト制作サービスなどのオフショア事業を展開している企業だ。従来のオフショア開発はコストメリットばかりを追求したものが多かったが、同社の場合は低コストなのは当然とした上で、品質にもこだわりを持った「日本品質×オフショア価格」の開発サービスが特徴となっている。

顧客の専任開発チームとして月額費用固定で開発するラボ型開発の展示

同社のブースでまず注目したいのは、低コストかつ高品質なWeb制作サービス「CodeShore」だ。これは、ベトナムのオフショア開発センターを活用しながらも、日本国内のディレクターが品質管理を行うことで、従来と比べてより品質の高いサービスを提供するというもの。Web制作のみならず、従来のシステム開発においても、同社では日本人のプロジェクトマネージャーを中心として、現地ベトナム側のエンジニアと協力して開発を行う「受託開発」、ベトナム側のエンジニアが顧客の専任開発チームとして月額費用固定で開発する「ラボ型開発」と、ニーズに応じて開発方法を選べるのも魅力のひとつといえる。また、同じラボ型でも小規模開発チームの場合はブリッジエンジニアや品質保証の担当者を、それぞれ兼任でスモールスタートし、大規模開発チームになった場合は専任にする、といった柔軟な対応も可能とのことだ。

セタ・インターナショナル 執行役員 グローバル・エンジニアリング部 コンサルティング室長の吉田謙氏とベトナム人女性スタッフ

実際にWebサイトの構築やリニューアルでは、HTMLコーディングやCMSへのデータ入力作業が大量に発生することがある。一方で、日本国内の業者に依頼するとコストが高く、社内で作業をするにも人手が足りない、といった課題を抱える企業は多いものだ。 セタ・インターナショナル 執行役員 グローバル・エンジニアリング部 コンサルティング室長の吉田謙氏は「企業にとって貴重なディレクションやプロデュースができる人材がコーディング作業を手がけてしまうと、人材不足を一時的にしのげたとしても、他の案件を断らなければいけないなど、ビジネスとしては非効率になりがちです。そんな時に弊社のオフショア開発サービスをご利用いただければ、本来の能力を発揮すべき業務に注力でき、ビジネスチャンスを逃さないようにできるでしょう」と語る。

多くの人で賑わいを見せるセタ・インターナショナルのブース

同社では現在、このCodeShoreについて大手広告代理店や大手メディア企業と共同でビジネスを進めているが、今後は日本国内のWeb制作会社とパートナー提携を拡大する予定があるという。さらに現地法人の人材教育にも注力し、GUIなどのデザイン面、画像制作や動画処理といった分野にも対応を広げていくそうだ。

万全のセキュリティを実現するオプションサービスも追加

同社のブースではもうひとつ、6月より提供を開始するオフショア開発のオプションサービス「セキュア開発チーム構築サポートサービス」も注目を集めていた。こちらの特徴は、設計段階から最終テストまで開発工程全般にわたり、一貫してセキュリティを意識した開発体制「ビルトインセキュリティ」の概念を導入している点だ。 このオプションサービスが生まれた理由として、従来のオフショア開発ではセキュリティインシデントの発生を抑えるための対策が、入室管理や開発環境へのセキュアなアクセスなど、設備面の対処にとどまってしまっていた現状がある。そのため、同社の顧客でもオフショアのラボチームが開発したソースを外部のセキュリティベンダーの脆弱性診断サービスなどで検査を行う企業が増えていたそうだ。しかしこれでは、どうしても開発工期とコストが通常と比べて多くかかってしまう。こうした課題を解決するべく、同社では今回新たに開発工程全般にわたりセキュリティの向上を可能にした、セキュア開発チーム構築サポートサービスの提供をスタートしたのである。

セキュアコーディングを実現するオプションサービス「セキュア開発チーム構築サポートサービス」

セキュア開発チーム構築サポートサービスを実施する上で、同社ではラボ型開発のチームスタッフにセキュリティ教育を実施。日本品質に合ったセキュリティ意識の高いオフショア開発環境を構築した。また「Basic/Advanced/Gold」という3種類のプランを用意し、段階的にビルトインセキュリティの体制を構築できるのもポイントとなっている。まずBasicプランでは、現状把握のために外部からツールによる動的セキュリティテスト(DAST:Dynamic Application Security Testing)を実施。Advancedプランでは、各工程でオフショア開発としては先進的な静的セキュリティテスト(SAST:Static Application Security Testing)を繰り返し実施し、ソースコードレベルで脆弱性の有無を把握可能にする。そしてGoldプランでは上記の内容に加え、設計レベルの段階からセキュリティチェックを行うために、セキュリティ要件定義、各種ドキュメント作成支援などでセキュアコーディング導入支援を実施する。

ベトナムオフショア開発に携わる、チームワーク抜群のスタッフたち

同社ではこれまで、中古車流通の最大手として知られるガリバーインターナショナル、ゴルフに関するメディア・EC・予約事業などを展開するゴルフダイジェスト・オンライン、気象情報サービスの草分け的存在であるウェザーニューズなど、数多くの大手企業でオフショア開発の実績を挙げてきている。オフショア開発を考える企業は、ぜひ問い合わせてみていただきたい。

2015年6月26日(金)「ベトナム・オフショア開発セミナー」

下記セミナーではオフショア開発の紹介に加えて、実際にベトナムでオフショア開発を行っている企業の担当者が登壇。経験者ならではの貴重な体験談や現場の声、ポイントなどを聞くことができる。

・日時 2015年6月26日(金) 15:30~17:30(受付開始 15:00~) ・会場 〒140-0002 東京都品川区東品川二丁目2番28号 Tビル1F ・交通アクセス - りんかい線「天王洲アイル」駅徒歩3分 - 東京モノレール「天王洲アイル」駅徒歩5分 ・定員 50名 ・参加費 無料 ・主催 株式会社セタ・インターナショナル

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