複雑な設定は一切不要、運用のシンプル化を実現した「ETERNUS TR series」

富士通は、仮想化環境専用ストレージとして「ETERNUS TR series」も提供している。同製品は米国ティントリのOEMで、仮想化環境に特化して設計されており、大規模サーバの仮想化統合やデスクトップ仮想化システムに最適なストレージだ。大規模なサーバ仮想化環境でも安定したパフォーマンスを発揮するストレージとして活用されている。

仮想化に特化した「ETERNUS TR 820」

ETERNUS TR seriesへのI/O(サーバとストレージ間の入出力)処理は、99%以上をSSDで処理できるよう設計されているため、高速処理が可能だ。性能設計など、煩雑な構成設計や性能チューニングなどは一切不要なため、必要なIOPS値やVM数にあわせて3モデルから選択するのみ。セットアップもネットワークの設定やvCenterの登録など、最低3項目の設定を行うだけであるため、10分程度で完了する。

運用面でも「ETERNUS DX S3 series」と同様に、従来のストレージではできなかった仮想マシン単位で管理することが可能。さらに、ホスト、ネットワーク、ストレージ、ディスク単位の処理時間を可視化し、ボトルネックを特定することができる。運用がほぼ自動化されているのも特長の1つで、仮想マシンで性能が不足した場合には、性能リソースを自動で割り当てる。ストレージの運用がほとんど自動化されているため、システム管理者は、基本的に何もする必要がないという。

石浦氏は、「ETERNUS TR seriesは、管理工数を極力削減し、仮想マシン管理をシンプル化したいお客様に最適な仮想化環境専用ストレージです」と説明する。

運用プロセスも標準搭載、垂直統合型の「PRIMEFLEX Series」

運用管理者の負荷を軽減する仮想化・クラウド基盤としてもう1つ注目したいのが、垂直統合型商品の「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Cloud」(旧 Cloud Ready Blocks)である。同製品は、仮想化・プライベートクラウド環境の構築に必要なハードウェアおよびソフトウェアなどの要素をパッケージ化し、1つのシステムとして提供されるものだ。ラインナップも、1~70VM程度を目安とした小中規模向けのモデルから、1400VM程度を目安とした大規模向けのモデルと幅広い。また、用途や要件に応じてストレージを選択することも可能で、現状「ETERNUS DX S3 series」や「ETERNUS NR 1000F series」が搭載されたモデルが提供されている。なお、今年度下期には先にご紹介した「ETERNUS TR series」を搭載したモデルも提供を開始する予定である。

富士通プラットフォーム技術本部クラウドインフラセンター部長の押川智浩氏は、「PRIMEFLEX for Cloudには、管理者のインフラ運用負荷を統一化・自動化により軽減できる機能が多数組み込まれています。利用部門のシステムに合わせて仮想マシンのスペックを型決めしてメニュー化・自動配備できる機能も備わっているので、導入後すぐにプライベートクラウドの運用が可能です」と力説する。

富士通 プラットフォーム技術本部 クラウドインフラセンター部長 押川智浩氏

なお、PRIMEFLEXシリーズには、サーバに「SPARC M10」、ストレージに「ETERNUS series」、データベースに「Oracle Database」を採用した超高速データベース基盤の「PRIMEFLEX for Oracle Database」もラインアップされている。こちらは、基幹業務をはじめ、リアルタイムでのビッグデータ分析や、オンライン決済など、ミリ秒単位での大量のデータ処理が要求される環境に最適だ。

富士通プラットフォーム技術本部プロダクトソリューション技術統括部の高橋裕氏は、「様々なデータを集約し分析・活用したいというお客様はもちろん、今までの業務効率を根本から見なおし、パフォーマンスを向上させたいというお客様には最適です。PRIMEFLEXシリーズですから、お客様によるインフラ設計は不要です。サポートも、全国2時間以内でオンサイト修理が可能な体制を構築しています」と説明する。

展示されていた「SPARC M10」と富士通プラットフォーム 技術本部プロダクトソリューション技術統括部 高橋裕氏

ビジネスを効率化し、イノベーション分野へリソースを集中するためには、ICT基盤の運用負荷を軽減することは必須である。そうした環境において、「ETERNUS Series」および「PRIMEFLEX Series」をはじめとする富士通のICT基盤ソリューションは、最適解となるはずだ。

6月16日、7月16日に開催されるセミナーでは、本ソリューションの詳細が紹介される。ご興味がある方は、参加されてみてはいかがだろうか。

「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Oracle Database」セミナー

・超高速データベース基盤で業務スピードを革新
~ビッグデータ時代のデータベースシステムとは?~
開催日:6月16日(火)7月16日(木)
開催場所:富士通トラステッド・クラウド・スクエア(東京)