深刻化する日本のITエンジニア不足

いまIT業界は、深刻なITエンジニア不足の問題に直面している。みずほ銀行の基幹システム統合や日本郵政のシステム開発といった大規模な案件に加え、マイナンバー制度の導入に伴うシステム構築などによりITエンジニアの需要が急増。これらは、2015年~2017年頃にかけてシステムエンジニア不足がピークを迎えることから「2015年問題」や「2020年問題」として知られているが、2020年に東京オリンピックの開催が決まったことでも、さらなる人材不足の加速が予想されている。 数万人規模におよぶ人材不足が懸念される中、企業はどのように対応していくべきなのか。その解決方法として注目されているのがオフショア開発である。

ベトナムとのオフショア開発

オフショア開発先といえば以前は中国が中心だったが、ここ数年で中国オフショア開発を取り巻く環境が大きく変化してきた。人件費の高騰や為替変動による影響でコストが増加したほか、中国特有のカントリーリスク「チャイナリスク」を避ける企業が増え始めたのである。

株式会社セタ・インターナショナル 執行役員 グローバル・エンジニアリング部 コンサルティング室長 吉田 謙氏

こうした中、中国に替わる新たなオフショア開発先として注目を集めているのがベトナムだ。 業界でも早くからベトナムでのオフショアを開始し、中~大規模ウェブシステムやスマートフォンアプリの開発、サイト制作サービスなどの請負開発事業を展開する、セタ・インターナショナル 執行役員 グローバル・エンジニアリング部 コンサルティング室長の吉田謙氏は「地域だけでなく、企業がオフショア開発に求めるニーズにも変化が表れ始めています」と語る。 オフショア開発といえば、従来は「とにかく開発コストを抑える」ことが主眼だったが、最近ではコストメリットがあるのは当然とした上で、日本国内のITエンジニア不足を補う目的で採用する企業が増えているのだという。

日本側の体制作りと現地へ伝える仕組みも重要

企業がオフショア開発を行うにあたっては、大きく3つの課題が存在する。まず大きな壁となるのが、言語の違いによるコミュニケーションの難しさだ。コミュニケーションが円滑でなければ、どうしても日本側の意図を正確に伝えづらくなってしまう。また、細かい部分でのニュアンスの違いが積み重なった結果、時として想定外のトラブルに発展することもある。 また、日本文化に対する理解や商慣習の違いも重要だ。海外のITエンジニアには、当然ながら“阿吽の呼吸”や“行間を読む”といった日本特有の文化が通じない。日本国内と同じような感覚で依頼すると、開発作業自体が上手く進まなかったり、思わぬ落とし穴が待ち受ける可能性は高くなる。オフショア開発であることを念頭に置き、より細かく正確な指示を心がける必要があるのだ。 さらに、要件定義や仕様に関する認識の違いも重要なファクターとなる。認識の齟齬がなくなるよう、事前に綿密な打ち合わせを行うことも必要不可欠といえるだろう。 吉田氏はプロフェッショナルの立場から「オフショア開発は、現地の開発チームだけを育てていても上手くいきません。日本側の体制作りをしっかりと行うことはもちろん、それを現地の開発チームへ的確に伝えられる仕組みも必要になります」とアドバイスする。

安心・低価格・高品質なオフショア開発を実現

こうした課題を解決するべく、セタ・インターナショナルのオフショア開発では、詳細設計や開発、テスト等をベトナム側のエンジニアが、要件定義などの上流工程を日本のブリッジエンジニアが担当するという方式も選択できる。セタ・インターナショナルの日本のエンジニアがこれまで培ってきた正確かつスムーズなやり取り、的確なプロジェクト管理の進め方を顧客企業の担当者が吸収し、日本のブリッジエンジニアがいなくてもベトナムと直接開発ができるようになることで、よりコストメリットを享受でき、規模の拡大にもつながる。多くは失敗に終わるといわれるオフショア開発の導入期、その成功確率を可能な限り向上させる、同社ならではの取り組みである。 また、同社のオフショア開発は低価格でありながら極めて高品質な点も大きな特徴だ。セタ・インターナショナル ベトナムオフショア開発センターの社員は、ベトナム随一の技術系大学であるハノイ工科大学やハノイ国家大学出身のエリート技術者が社員全体の約半数を占めている。さらに、ベトナム人ブリッジエンジニアの多くは日本の大手IT企業やSIerでの勤務経験があり、日本語能力試験2級相当の語学力を持ち、また英語に精通しているエンジニアも少なくない。これにより、日本語から英語、英語から日本語のローカライズに柔軟に対応する体制も構築することができる。

ベトナム ハノイのオフィス

そしてもうひとつ、ベトナム現地ブリッジエンジニアや現地システムエンジニアを顧客の専任開発チームとして月額費用固定で開発する「ラボ型開発モデル」、日本人のプロジェクトマネージャーが中心となり現地のブリッジエンジニアや現地のシステムエンジニアと協力して開発を行う「受託開発モデル」と、開発方法を選択できるのも大きなポイントといえる。スピードやコスト、開発内容、契約期間といった各種用件に応じて、最適なオフショア開発環境が構築できるのである。

各業界大手も採用する納得の実力

それではここで、セタ・インターナショナルがこれまでに手がけてきたオフショア開発事例を紹介しよう。

●ガリバーインターナショナル 中古車流通の最大手ガリバーインターナショナルは、日本で成功したビジネスモデルを海外、特にASEANへの展開を急速に進めている。 同社はスピード感を求められるグローバル環境のなかで、ラボ型開発を選択した。 海外展開を進めるにあたっては、社内のツールを外部ベンダーと共有し、開発スタイルを進化させることが必要だと強く感じていたが、日本のベンダーは自社のスタイルを変えることに難色を示す。セタ・インターナショナルは同社の採用するツールを共有することをすぐに快諾。結果、スピード感ある対応を実現できたとのことだ。 (「SETA MAGAZINE May 2015 Vol.1より引用)

ゴルフダイジェスト・オンライン

●ゴルフダイジェスト・オンライン ゴルフダイジェスト・オンライン(以下、GDO)といえば、ゴルフ好きなら誰もが知っている企業だ。リテールビジネス/ゴルフ場ビジネス/メディアビジネスを展開する同社では、約10年前から中国やインドでのオフショア開発にトライしていたが、現在セタ・インターナショナルに集約されている。その主な目的は、多様化するシステムの膨大な運用・保守や追加開発作業をアウトソーシングするため。運用保守では、一定規模の開発案件と比べてより細かい単位の作業が求められる。 そこでGDOでは、2011年にセタ・インターナショナルのラボ型開発を採用。細かな保守作業の依頼に加え、ナレッジを蓄積できる環境の構築により、品質やスピードの向上が図れたそうだ。

●ウェザーニューズ ウェザーニューズでは、BtoBビジネスの拡大や海外進出にあたり、開発体制の強化が求められていた。同社ではこれまで「オフショア開発=コスト削減」のイメージが強かったが、品質を重視するセタ・インターナショナルのオフショア開発を知り、開発体制の強化に有効な手段だと感じたという。こうして同社では、ラボ型開発を採用することとなった。 ラボ型開発のメリットは、勤勉なエンジニアを固定できる点にある。彼らは気象・天気について積極的に学び、良いものを作り上げたいという気概が伝わってくるそうだ。また、突発的な変更などが発生した際、迅速に対応できるのも人員固定のメリットとなっている。

このように、セタ・インターナショナルが展開する低価格かつ高品質なオフショア開発は、企業にとって非常に大きな力となってくれる。特に、ITエンジニア不足がより深刻化する日本において、今後そのニーズは確実に増していくだろう。

2015年6月26日(金)「ベトナム・オフショア開発セミナー」

本記事を読んで、少しでもオフショア開発に興味を持った方は、セタ・インターナショナルが開催するセミナー「ベトナム・オフショア開発セミナー」に参加してみてはいかがだろうか。セミナーではオフショア開発の紹介に加えて、実際にベトナムでオフショア開発を行っている企業の担当者が登壇。経験者ならではの貴重な体験談や現場の声、ポイントなどを聞くことができる。

・日時 2015年6月26日(金) 15:30~17:30(受付開始 15:00~) ・会場 〒140-0002 東京都品川区東品川二丁目2番28号 Tビル1F ・交通アクセス - りんかい線「天王洲アイル」駅徒歩3分 - 東京モノレール「天王洲アイル」駅徒歩5分 ・定員 50名 ・参加費 無料

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