デジタルマーケティングの新たなキーワードとして大きな注目を集めている「カスタマーエクスペリエンス」。近年では、製造業、旅行業など、特にグローバル展開を図る企業を中心に、その重要性が提唱されている。そして現在、このカスタマーエクスペリエンスの分野において業界をリードする存在が、全世界38カ国で70カ所にオフィスを持ち、グローバル規模でカスタマーエクスペリエンスソリューションを展開するSDLである。

来たる2015年3月19日(木)、同社の日本法人であるSDL ジャパンが主催するパートナーフォーラムが東京都千代田区で開催される。同フォーラムでは、パートナーシップの強化を目的としており、特に日本市場に対して、同社が展開するカスタマーエクスペリエンス関連ソリューションや、パートナーである日本アイ・ビー・エムによる成功事例の紹介、さらに導入に関するポイントも解説される予定だ。

今回、本フォーラムに登壇する予定であるSDL ジャパン リージョナルバイスプレジデントである本富顕弘氏に、同社が日本市場においてこれから本格的に提供を開始する「カスタマーエクスペリエンスクラウド」について解説いただいた。

なぜカスタマーエクスペリエンスが重要なのか?

SDLジャパン リージョナルバイスプレジデント 本富顕弘氏

「カスタマーエクスペリエンス」は、日本語では「顧客経験価値」と訳されることが多い。要は、「顧客が商品を購入する前後を含めた"カスタマージャーニー"において、一連の体験を価値とする」という考え方だ。商品だけでなく、サービスのコンセプトや企業理念を伝えたり、顧客ごとのライフスタイルにあわせて、「驚き」や「楽しさ」など五感を通じて訴えるような提案を行うこと自体も、カスタマーエクスペリエンスを重視した施策だといえる。

商品自体の価値に限らず、商品選定・購入の過程で得られるさまざまな満足感や効果といった、顧客に良質な「体験」を提供し続けることができれば、ブランド価値の向上がもたらされ、より大きな利益を生み出すことができるだろう。だが、もしその体験が不愉快なものであれば、企業にとって大きな損失となり得る。

SNSが発達し、顧客自らが情報発信者となる現在では、カスタマーエクスペリエンスによるファンの獲得は、今後のビジネスを左右する大きな要因になることは間違いない。ただし、グローバル化の波の中で、これを実現することは非常に困難であるといえる。

「多くのユーザーは自分が使っている言語のサイトからしか商品を購入しません。つまり、グローバルでビジネスを成功させるためには、それぞれの国の言語を用いて、一貫したカスタマーエクスペリエンスを提供し続ける必要があります。しかし、現在のインターネットでは、ユーザーの8割をカバーするためには約20言語が必要です。英語だけでは、わずか27%しかリーチできないのです」(本富氏)

言語以外でも、その国や地域の習慣、ネットワーク事情、普及しているデバイスの種類など、顧客が置かれた環境は多種多様である。今後のグローバルビジネスでは、さまざまな環境やデバイスからアクセスするユーザーに対し、最適なコンテンツを提供することが不可欠である。マルチランゲージ、マルチコンテンツ、マルチデバイスをサポートし、等しく高水準のカスタマーエクスペリエンスを提供することが成功への鍵となる。

「それを可能にするためのソリューションとして我々が提供しているのが、SDLカスタマーエクスペリエンスクラウドなのです」(本富氏)

一説によると、劣悪なカスタマーエクスペリエンスによる世界の年間収益の損失額は2000億ポンド(2015年2月末時点の日本円換算で約37兆円)となっている。また、80%のCEOは、自社が優れたカスタマーエクペリエンスを提供していると考えているが、それに同意する顧客は8%でしかない(資料提供:SDLジャパン株式会社)

100カ国で1,500企業の実績を持つSDLのテクノロジ

SDLは、グローバルレベルのカスタマーエクスペリエンスに特化した、世界でも数少ない企業だ。その評価も高く、現在では全世界100カ国、1,500社以上の企業がSDLカスタマーエクスペリエンスクラウドの関連ソリューションを利用している。「クラウド」と名付けてはいるが、オンプレミスでの提供も行っているとのことだ。

「これまで日本市場では、Webコンテンツ管理の『Tridion』、技術文書向けコンテンツ管理の『LiveContent』を中心にオンプレミスでの提供が多かったのですが、今年からクラウドによる提供にも注力していく計画です。最近では世界的にクラウド化のトレンドがあり、今ではSDLグローバルでの新規ビジネス全体の50%以上がSaaSによる提供となっています」(本富氏)

これまでSDLが培ってきたマルチランゲージ、マルチコンテンツ、マルチデバイスのコンテンツ管理製品を体系的に実現したソリューションが、SDLカスタマーエクスペリエンスクラウドである。今日PC以上に普及したモバイル、タブレットなどのデバイスへのコンテンツ管理、配信のSDL Mobileは、すべてのグローバル企業が検討すべきソリューションである。

SDLカスタマーエクスペリエンスクラウドの概念図(資料提供:SDLジャパン株式会社)

世界のトップブランド上位100社中、79社が利用しているSDLカスタマーエクスペリエンスクラウド。今後は、グローバルビジネスで成功を目指す多くの日本企業においても、導入が進んでいくことだろう。

「この先、日本のカスタマーエクスペリエンス市場は、間違いなく広がっていくでしょう。日本の製造業はグローバル展開において、情報コンテンツの配信にガバナンスを実現しなければならない。例えば、2020年を目指し、日本のホテル、旅行業界は、多言語コンテンツ配信のインフラを確立する必要に迫られています。そうなると、とても我々だけの手では追いつかない。そこで今回、パートナーシップの強化を目的としたフォーラムを開催することにしました」(本富氏)

SDLは、顧客ベースをもつ再販パートナーに加え、導入サービスを提供可能な技術パートナー、日本市場独自のソリューションを共同開発するサービスプロバイダーなどとの連携を強化したい意向があるとのことだ。同フォーラムでは、SDLカスタマーエクスペリエンスクラウドの戦略、および主要ソリューションの最新情報、そしてSDL のパートナーである日本アイ・ビー・エムよる成功事例の紹介が予定されている。なお、当日にはパートナープログラムについての解説も行われる。

グローバルビジネスを展開する企業、そしてSDLとのパートナーシップによる新たな事業展開を期待する企業にとって、見逃せないフォーラムとなっている。定員(50名)になり次第締め切りとなるので、早めの事前登録をおすすめする。

イベント概要


カスタマーエクスペリエンスパートナーフォーラム
~SDLのテクノロジで日本企業のグローバルビジネスを成功へ導く~

開催日時:2015年3月19日(木)14:00~17:00
会場:マイナビルーム2F-U(東京都千代田区)
申込URL:http://www.sdl.com/jp/event/cxc/partner-forum.html
問合せ先:SDL ジャパン株式会社 セミナー事務局 立花
marketing.japan@sdl.com / 03-5720-2726