説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「iOS 8.1.3」はこれまでのアップデートとどこが違うの?』という質問に答えます。

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iPhoneの機能と安全性を向上させるため、Appleは不定期にシステムアップデートを提供します。iOS 5以降、システムアップデートはワイヤレス(OTA、Over The Air)で実行可能になったため、パソコンおよびiTunesがない状況でも、無線LAN経由でインターネットに接続できる環境があればアップデートを実行できます。

しかし、OTAを利用したシステムアップデートには、かなりのストレージ容量が必要とされます。アップデータのファイルサイズは数十メガバイト程度であっても、一時作業用として数百メガバイト、場合によってはギガバイトを超えるストレージサイズがシステムによって予約されます。iPhoneの機種やシステムのバージョンによっても異なりますが、iPhone 5/iOS 8.1.1を例にすると、作業用領域として約1.2GBが予約されました。

アップデート実行前には、作業用領域をまかなえるストレージの空き容量が必要になるため、空き容量が少ない場合はカメラロールを整理したり、使わないアプリを削除したりするしかありません。ダウンロードするアップデータ本体はともかく、作業用領域にそれ以上の容量を必要としますから、ふだんからストレージ不足に悩むiPhoneユーザにとってはシステムアップデートの実行を難しくしていました。

今回公開された「iOS 8.1.3アップデート」は、アップデート時におけるストレージ容量の問題を解決します。実際、アップデータ本体が247メガバイトのところ、作業用領域を含めたストレージに予約される容量は263メガバイトでした(iPhone 6で確認)。これまでシステムアップデートをためらっていたユーザも、アップデータ本体+αの空きを用意すればいいわけですから、取り組みやすくなることでしょう。

iOS 8.1.3アップデートは、従来に比べるとストレージの空き容量を必要としなくなりました(画面はiPhone 6)