JR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅から徒歩3分。大きな看板とメニューバナーが目印。混雑時には写真右側の階段奥にも入口がある

「ガッツリどうぞっー! 」

そのたくましい声は吉祥寺駅から歩いて約3分のところで耳に届いた。声の方へ顔を向けると「吉祥寺どんぶり」という店名、そして「大盛ガッツリ」と書かれたド派手な看板が目に飛び込んでくる。ハハーン、さてはココが何人もの大食い自慢たちの鼻っ柱をヘシ折ってきたという噂の "吉どん"か……。

胃袋にかなりのプライドを持つ筆者としては、このまま黙って通り過ぎるわけにはいかん。ってことで迷わず入店ダァーーー!

マッチョな漢たちが提供する大盛り豚丼、その名も「破壊王」

「いらっしゃい! 破壊王食べに来たの!? 完食できたらある意味変態だよ!!(笑)」。そう笑いながら調理にとりかかってくれた店長の大野誠一さん。なんと元ボディビルダーだと言うではないか。大きな中華鍋に豚バラ肉と野菜をドサッと入れ、ブンブンと太い腕で炒め始める。豚バラの脂で中華鍋からは炎が立ち上がり、その迫力と香ばしく焼ける肉の匂いでいやが応でも期待は高まる。

屈強なスタッフ陣が出迎えしてくれた。写真中央が店長の大野誠一さん

同店のメニューは「醤油にんにく丼」(600円)をはじめ、「塩しょうが丼」(600円)、「タルタルから揚げ丼」(690円)など種類豊富。追加料金によって肉量を増せるシステムだ。追加の内容は150円で2倍(肉増し)、270円で3倍(肉がっつり)、370円で4倍(肉闘魂)、600円で肉5倍・飯2倍(破壊王)となる。つまりメニューのほぼ全て(から揚げ丼以外)を「破壊王」にできるということだ。ちなみに、ご飯大盛りはプラス100円、超大盛りは200円である。

今回は特別に「醤油にんにく丼・破壊王バージョン」の他に、ご飯450g、肉は並量(デフォルトの肉量は企業秘密)の「醤油にんにく丼・通常版」を比較対象として用意してもらったゾ。

肉バトル、スタート!!

「ハイよっ、ガッツリどうぞっ! いってらっしゃい!」。

どんぶりを手渡すとき「破壊王」だけは「いってらっしゃい!」と付け加えるそうだ。「2005年4月の創業当時からの代表メニューだからね。『食えるものなら食ってみろ! 』という気持ちと、提供側として励ましのメッセージを混ぜると『いってらっしゃい! 』が言葉として一番ふさわしいと思ったんだ」。

言うまでもないが、左側が「醤油にんにく丼・破壊王バージョン」(1,200円)。右側が「醤油にんにく丼」(600円)。差は一目瞭然だ

着ドーーーーーン(丼)! 効果音としては絶っっっ対に間違えてはいない。一緒に出してもらった通常サイズが少女のようにかわいく見える。「この破壊王は約1.6kg、他のメニューも破壊王に進化させられるから、例えば『旨豚カルビ丼』(690円)なんかは野菜がもっと増えて2.5kgくらいにはなっちゃうね。大食いの人でも、いざ目の前にするとおおかた『やっぱりムリかも……』と苦笑いしてるよ(笑)」。

豚バラ肉は月に1t以上仕入れているそうだ。口に含むとネギとにんにくの香りが鼻を突き抜け、ある種の快感に包まれる

途中まで食べたときの比較写真。「破壊王」の肉量が「通常版」を大きく凌駕していることがわかる。お米ももっちり具合がちょうどよかった

箸をどんぶりに突っ込み、グイッとすくい上げても下にあるはずの米が見えない。肉、どんだけ~!!(汗)。早速食らいつく。うんっ! んんんまーーい!! 肉汁が口内に広がるのはもちろんのこと、強火で一気に火入れをしているので肉がとっても柔らかい。と同時に、にんにくが鼻と味覚を刺激して食欲を爆アゲしてくれる。

これ意外と楽勝じゃね!? と思ってしまったが、破壊王の攻略は甘くなかった。後半一気にペースダウン。しかし、味に変化を加える調味料を駆使してなんとか完食までたどり着く。

無料でセットでついてくる「たまご」と「お味噌汁」。汁物を挟みながら食べ進め、ペースを乱さないことがポイントらしい

味チェンアイテムは七味唐辛子やマヨネーズ、特製タレ。スタッフに頼めば豆板醤とおろしニンニクも用意してくれる。後ろに貼られた名言の数々はオーナーの趣味だそうだ

「お疲れ様! 最近、新メニューも開発中だから完成したらまた来てくれよ」と大野さん。お、お、押忍……。

とにもかくにも、戦いを求めるファイターたちよ、「吉祥寺どんぶり」に行って来いやぁーーー!

価格はすべて税込

(文・A4studio 東賢志)