年賀状を出さない理由は「面倒くさい」

12月も、はや半ばに差し掛かった。そう、今年も年賀状づくりのシーズンがやってきたのである。オフィスや呑みの席でも年賀状の話題が出る機会が自然と増えるものだが、そのたびに「年賀状、うちは出してないんだよね~」で話が終わってしまう人も多いかもしれない。かく言う筆者もその一人である。

年賀状は、こちらから出さなければもらえる数も減っていくのが世の常。にもかかわらず、会社の同僚や友人、親戚の何人かは、いつも欠かさず年賀状を送ってくれる。「もらうばかりでこちらから出さないのは申し訳ないなぁ」と、自らの非礼を省み、肩身の狭い思いを毎年味わっている人もきっといるはずだ。

年賀状を出さない理由は、ズバリ「面倒くさい」から。すなわち単なる不精にすぎないのだ。なかでも"年賀状出さない派"にとって最大のハードルといえるのが、宛名書き。一枚一枚宛名を書くのが億劫に感じ、ストレスすら覚える人が多いのが現実である。手書きがダメならパソコンで印刷すればいいじゃないかという意見もあるが、それはそれで、エクセルなどで住所録を整備するのが手間に感じる。年の瀬も迫り、焦りが増してくればなおさらだろう。

「スマホで年賀状 2015」が宛名書きの手間を解消

「スマホで年賀状 2015」のメイン画面。ここで年賀状のデザインを選択できる。メッセージやスタンプ、写真などを加えてのオリジナル年賀状づくりもOKだ

となれば、宛名書きのその面倒くささが解消されるなら、年賀状を出してもいいと考えている人だってたくさんいるに違いない。そんなアナタにぜひ使ってみてほしいアプリが「スマホで年賀状 2015」。このアプリさえあれば、片手のスマホから年賀状をラクラク作成でき、さらには印刷代のみの負担で直接投函ならば無料でしてもらえるのである。用意されたデザインテンプレート(その数500種類以上!)を利用して文面づくりから、宛名の記入、投函まで、まさにスマホひとつで済んでしまうので、これなら面倒くささも感じないと思われる。

とりわけ宛名書きが面倒で年賀状を出していない人がベンリに利用できるのが、注目の新機能「宛名スキャン」だ。宛名書きは、いったい何が面倒なのだろう。もちろん年賀状に宛名を書く作業自体も面倒だが、それ以前に、やはり住所録の登録・管理がストレスのたまる作業である。

「宛名スキャン」では、スマホのカメラで年賀状の差出人欄を撮影し、その画像データをWebサービスに送信することで「宛先帳」に自動登録、ネット上で保存・管理することができる。年賀状の宛名面を作成する際は、この「宛先帳」から宛名を選択するだけでOK。つまりこの機能を利用することで、年賀状を出す際に遭遇する最大のハードルがグッと下がり、宛名書きに関する負担をほとんど感じなくなれるのである。

宛名の読み取り自体は実に手軽。ある程度の枚数があっても手間なく連続して実行できるので、実際に試してみると、意外なほどあっさりと終わってしまう。撮影したデータの送信から宛先登録までは1~2日待つ必要があるが、その間ユーザー側で行う作業は何もない。登録が終わって連絡がくるのをただ待つだけなので、ストレスは一切感じないだろう。

2種類のOCRエンジンとオペレーターが正確に読み取る

なぜ1~2日の時間がかかるかというと、Webサービスに送信された画像データの差出人欄から2種類のOCRエンジンでデータを的確に読み取り、かつ専門のオペレーターが正確に手作業で登録するという工程があるからだ。この工程があるだけに、実はクセのある手書きの文字でもきっちり読み取ってくれる。これは「宛名スキャン」の大きな強みである。年賀状の差出人欄は、最近では印刷やスタンプで済ませるケースがほとんど。しかしながら、ひとつひとつ丁寧に手書きしてくれるオツな人もまだまだいる。趣味人を地で行った達筆な文字もあれば、微笑ましい子供のような丸文字、急いでいたのか殴り書きのようにさらっと書いた文字もあるが、登録時に人の目を経る「宛名スキャン」ならどれも問題なくスキャンし、正確に読み取って登録してくれるのが実にありがたい。

なお、登録作業を行うオペレーターに個人情報が見られるのは不安だと感じる人もいるだろうが、これについてもしっかりとした情報管理がなされている。チェックは複数のオペレーターが担当するが、一人のオペレーターが見ることができるのはデータの一部のみであるため、意味をなす情報とはならず、セキュリティ面でも安心なのだ。

実践! 「宛名スキャン」

右下の「宛名スキャン」をタップすると画面が切り替わる。まずはもらった年賀状から差出人名を読み取ろう。「はがきを撮影」をタップすると撮影画面になる

年賀状の宛名面をスマホのカメラで撮影。多少ブレても(たぶん)問題ないだろう。何枚も連続して読み取ることができるので、流れ作業のように気楽に行えるのがうれしいところ

どんな字体でも正確に読み取ってくれるのは大きな強み。ちょっとかわいらしい字体、達筆(風?)の字体、基本なんでもござれだ。「高橋」の通称"ハシゴ高"の異体字もきちんと読み取ってくれるかチャレンジ

カメラでの撮影が済んだら、「送信」をタップし、Webサービスに送信する。なお、一度に送信できるのは100枚まで。かなりの枚数でも無料で対応してくれるわけだ。読み取りから登録には1~2日かかるとアナウンスされている

撮影データの送信後、Webサービスでの読み取り&登録待ちの件数が「処理中」に表示される。「処理中」をタップすると「データ入力待ち」に送信したデータが並んでいる。この段階ではひたすら待つのみ

今回のテストでは12時間かからずに読み取り&登録が済み、「スキャン結果を確認」に表示された。このあたりは、データ件数や時期によって異なると思われる

「読み取れない文字がありました」となっているが、名前や住所は間違っておらず、正確に読み取られている。おそらく送信したデータに都道府県名が入っていなかったのが理由だろう。「高橋」の"ハシゴ高"もきちんと読み取られていたが、「吉川」の異体字は反映されていなかった

確認が済んだら「宛先帳」に登録。あとは年賀状作成時にこれらの宛先を利用し、宛名面に印刷できる。撮影から登録まで手間はほとんどないので、気軽に利用してほしい

年末に向けて時間はどんどんと過ぎ去っていくが、このお手軽な「宛名スキャン」を活用すれば、宛名書きで焦る必要はまったくナシ! そんな便利な機能があるなら今年こそは、と思い立ったら、アナタもぜひ年賀状づくりに取り組んでみよう。

ちなみに利用料金もリーズナブルで、アプリ自体は無料、「宛名スキャン」機能も無料だ。Webサービス利用の基本料金もゼロ。年賀はがき代は当然必要だが、一般の年賀はがきと同じく1枚52円で、発送も無料となっている。印刷代は1枚あたり78円から(デザインなどにより異なる)。まとめ割引が用意されており、10~29枚で10%引き、30~49枚で20%引き、50枚以上なら30%も割引となるのでお得。15時までの決済で翌日発送も可能で、もちろんきちんと元旦に届けることができる。