10月29日から30日にかけて、幕張メッセにおいて「2014 Japan IT Week 秋」が開催された。複数のIT関連展示会が一堂に会するこのイベントの「第5回 クラウドコンピューティングEXPO 春」には、各種クラウドサービス事業者が集結。GMOインターネットグループでビジネス向けパブリッククラウドサービスを展開するGMOクラウドも出展し、個性的なブースと新サービスの解説で多くの人を惹きつけていた。

安心のお届けを印象づける「マチルダ中尉」がブースを演出

GMOクラウドのブースでは、サービスに関する展示を行うとともに約15分程度で各サービスを紹介するプレゼンテーションも実施していた。このプレゼンテーションステージにおいて、繰り返し流れていたのが、アニメ「機動戦士ガンダム」のオープニングテーマだ。通路で資料を配付するスタッフは作中で主人公たちが着ていた連邦軍の衣装に身を包み、さらにブースの壁には大きくマチルダ中尉が描かれている。

こうした装飾は単なる遊びではなく、GMOクラウドが安心や安全を企業に提供するというメッセージを込めたものだという。マチルダ中尉は作中で補給部隊長なのだが、GMOクラウドも企業に対して「快適と安心」を補給するというイメージのようだ。2013年秋から行ってきたプロモーションを、今回の展示会でも大きく行った形だ。

「機動戦士ガンダム」のモチーフで装飾されたGMOクラウドのブースには常に多くの人が訪れていた

15分程度のわかりやすいプレゼンテーションを行っていたプレゼンテーションステージ

500円からはじめられる「ALTUS Basicシリーズ」に注目

ユーザー企業向けサービスとして紹介されていたのは、GMOクラウドが提供するパブリッククラウドサービス「GMOクラウド ALTUS」シリーズだ。

特に注目を集めていたのが、10月に発表された新プラン「ALTUS Basicシリーズ」だ。キャッチコピーは「500円からはじめる本格クラウド」。わかりやすくキャッチーなフレーズに惹かれてブースを訪ねる人が後を絶たない状況だった。

「ALTUS Basicシリーズ」は2つのサービスで構成されている。1vCPU、512MB、ルートディスク20GB、1IPという構成で初期費用0円、月額利用料金が税別500円という価格になっているのが「Basicシリーズ ミニサーバー」だ。vCPUとメモリ容量は固定サイズだが、ディスクとバックアップストレージ、IPに関しては必要に応じて従量課金制でリソースを追加できるようになっている。

もう1つのサービスが、1vCPU、1GBメモリ、ルートディスク・データディスクが20GBの「Basicシリーズ リソースパック」だ。こちらはvCPU、メモリ、ディスク、バックアップストレージ、IPの全てが従量課金で拡張することができる。つまり、リソースサイズを自由に指定できるのがポイントのパッケージだ。

検証・開発を含めたWebサーバとしての利用をターゲットとしたプランとなっており「Basicシリーズ ミニサーバー」から「Basicシリーズ リソースパック」へはデータ移行の手間をかけずに移行可能だ。つまり、月額500円で検証・開発を行い、実際のサービス提供時には必要に合わせてリソースや台数を増強してスムーズなサービスインができるという仕組みになっている。

従来から提供されてきた「ALTUS Isolateシリーズ」は、「ALTUS Basicシリーズ」ではセキュリティ面での不足を感じるユーザーが選択するものという位置づけになった。仮想ルータによる専用セグメント構築やVPNにも対応し、パブリッククラウドではあっても、かなりのセキュリティを確保できる。

そして両シリーズからのデータ転送が行えるバックアップ・アーカイブ向けの「ALTUS オブジェクトストレージ」も用意。1GBが1時間あたり0.0108円という低額なディスク利用料金が特徴となっている。30日間、720時間で換算すると1GBあたり7.776円だ。そして、データ転送料金はインターネット経由だと1GBあたり8円になるが、ALTUSシリーズと組み合わせて利用した場合はデータセンター内のローカル接続となり、転送料金は無料になる。容量制限もなく、バックアップ場所に苦労しているユーザーには魅力的なサービスだ。

この3サービスの特色と活用方法について、ブース内のパネルやプレゼンテーションステージで紹介。安価ながら24時間/365日のサポートがついたサービスであることや、安価にスタートした後には必要に応じて細かな単位でリソースの拡張が行えることなど、中小企業やスタートアップ企業でも導入しやすいサービスであることがアピールされた。

500円から利用できる「ALTUS Basicシリーズ」を含むGMOクラウドのビジネス向けクラウドシリーズ

安価でも安心で快適に利用できるALTUSの6つの特徴

充実した提案を後押しする新たなビジネスパートナー制度も紹介

7月にスタートした「新パートナー制度」についても紹介が行われ、パートナー募集の看板も掲げられていた。「新パートナー制度」は、従来から存在した「セールスパートナー」に、構築・保守・運用を行う「ソリューションパートナー」と、開発行う「アプリケーションパートナー」を加えたものだ。

従来はGMOクラウドが直販するだけでなく、SIerからGMOクラウドのサービスを購入して利用できるというタイプのものだったパートナー制度だが、新たなビジネスパートナー制度によって、販売だけでなく開発から運用までをトータルにパートナーが扱えるようになったことになる。これにより、クラウドをクライアント企業に展開するSIerがより幅広い提案が可能になった。

エンドユーザー向けとパートナー向け、双方への「使いやすいビジネス向けクラウド」のアピールが十分に行われているブースという印象だった。

総合的なクラウド提案を実現する新しいビジネスパートナー制度もアピール