近年、企業のクラウド導入が加速している。ある調査機関によると、すでにクラウドを導入している、もしくは3年以内に導入予定である企業は50%を超えているという。

クラウドの導入で考慮すべきは、既存システムで利用しているデータを、シームレスに効率よく活用できる「データ連携の仕組み作り」である。現在、多くの企業が販売管理や財務会計、情報分析といった多様なシステムを利用している。そして、それらのデータを連携させるためには、各システムの仕様を個別に確認し、システムごとにプログラム開発を行う必要がある。しかし、これではコストも工数も要してしまう。特に、個々のシステムが複雑に連携している状態では、1つのシステムを変更すれば、それに関連する他のシステムも変更しなければならない。

株式会社アプレッソ セールス&マーケティング エグゼクティブ 事業推進本部長 船橋伸二氏

このような状態のまま、例えばPaaS(Platform as a Service)などのクラウドを導入した場合、クラウド上とオンプレミス上でさらにシステムが散在してしまうといった"二次問題"が発生する。

これを回避するには、EAI(Enterprise Application Integration)によるデータ連携が一般的である。ただし、EAIによっては、プログラミング知識が必要だったり、アプリケーションごとの仕様を意識する必要がある場合もあり、単純に導入しただけではうまくいかないケースも多い。

ではこうした背景から、クラウド時代に必要なEAIを見極めるポイントとはいったいなんなのだろうか。その詳細は、12月9日(火)に開催される「マイナビニュース フォーラム 2014 Winter for データ活用」のスピーカーとして登壇する、アプレッソ セールス&マーケティング エグゼクティブ 事業推進本部長の船橋伸二氏によって明かされる予定だが、本稿ではその一部を紹介する。

マイナビニュース フォーラム 2014 Winter for データ活用」の参加申し込みはこちら(参加費無料、12月9日(火)開催、東京都千代田区、開場9:30~)

理想のEAIを見極める5つのポイント

複数のシステムで大量のデータ(いわゆるビッグデータ)を効率よく連携させるには、導入とセットアップ、データ連携が容易なEAIを選択することが求められる。船橋氏は、その選択指標として、次の5つのポイントを挙げる。

1. 簡単で使いやすいこと
システム間をつなぐために一つひとつのプログラミングをしているようでは、多様化するシステム/大容量化するデータに対応できない。
2. 対応接続先の数が多い
企業が直面している課題は、各業務をシームレスに連携させることだ。多様な業務アプリケーションに相互接続できるEAIでなければならない。
3. ハイパフォーマンスであること
企業が保有するデータ量は増加している。M2M(Machine to Machine)など、非構造化データを素早く取り込み連携処理するには、ハイパフォーマンスなEAIが不可欠だ。
4. 可視性が高いこと
どのシステム同士がつながっているのかを一目で理解できれば、おのずと生産性も向上する。
5. ポータビリティがあること
クラウドを活用するのであれば、EAIをクラウド上で運用することも視野に入れるべきである。

「これら5つのポイントをクリアしてはじめて『クラウド時代のEAI』だと言える」(船橋氏)

株式会社アプレッソ 事業推進本部 技術部 部長 友松哲也氏

実際、企業がEAIを導入する際に重要視するのは、「使いやすさ(設定しやすさ)」や「接続先のシステムが多様」といったポイントだ。日経BPコンサルティングが2014年3月に実施した「データ連携に関するアンケート調査」によると、EAI導入検討中の企業が重視する選定のポイントとしてもっとも多かったのは、「導入の容易さ」(39.6%:複数回答)であり、総合的な満足度においてはアプレッソの「DataSpider」が1位に挙げられたという。

では、「DataSpider」が提供する"価値"とは何か。フォーラムではその詳細を紹介する予定だ。さらに、同社 事業推進本部 技術部 部長の友松哲也氏の登壇も予定されており、現場の生の声を聞けるこの機会に、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。