テレビ東京深夜のバラエティー番組『ゴッドタン』の人気コーナー「キス我慢選手権」。芸人たちがセクシー女優の誘惑に耐えながら、アドリブの演技で「キスを1時間我慢できたらクリア」となる企画で、中でも劇団ひとりのアドリブ力と忍耐力は群を抜いていた。そこで2013年には劇団ひとりを主演に据えた劇場版第1弾『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』を制作し、ルールは「24時間耐久」へと進化。それからわずか1年足らずで第2弾『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ』が制作され、今月17日から公開をスタートした。

本作は高校が舞台。お色気とアクションに加え、超能力戦争と青春学園ものの要素がプラスされ、前作以上にスケールアップした。これまで同様、劇団ひとりは物語や共演者などを一切知らされていない状態で現場に放り出され、佐久間宣行監督をはじめ出演者とスタッフは本番当日まで入念なリハーサルを重ねる。その中で、責任が重くのしかかるヒロインを務めたのが上原亜衣。セガのゲーム『龍が如く』のセクシー女優人気投票では、有村千佳、紗倉まなに続いて3位にランクインするなど、現在のセクシー女優界を代表する1人。本作の現場エピソードを交え、本業との違い、今後のことなどについても語ってもらった。

『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ』でヒロインを務めた上原亜衣

――ネタバレになってしまうので多くは語れませんが…終盤の展開は本当にビックリしますね。現場の空気はどのような感じだったのでしょうか。

まさかの展開すぎて…。ただ、その場の空気でなんとなくそうなるかなとは予感はしてました(笑)。現場の「マズイ…」という空気が、すごく伝わってきて。(劇団)ひとりさんもその空気を感じ取ったみたいですけど、もう後戻りはできないと思ったそうです(笑)。  

――本番には、どのような流れで臨んだのですか。

ひとりさん以外で集まって、リハーサルを何度も何度も繰り返しました。ひとりさんの代役の俳優さんがいくつかのパターンの演技をしてくださって、それに合わせて練習しました。本番は、想像していた返しもありましたし、そうじゃない返しも(笑)。

プールのシーンは、ひとりさんとの距離が初めて縮まる大事な場面だったので、何度も練習しました。でも、いざ本番がはじまると最初の方は台本に書いてあるイメージと近かったんですが、演技自体はそれよりも長くなっちゃって(笑)。途中から「私もアドリブで返さなきゃいけないんだ!」と切り替えました。

――意外と冷静に対応できるものなんですね。

本当にいっぱい練習しましたし、常に台本とにらめっこ。最初にこのオーディションの話をいただいた時は映画だと知らなくて(笑)。「キス我慢選手権」も初めての経験だったので、本当にどんな感じなのか全然分かりませんでした。だから、とにかく台本を覚えないといけないなと。台本には1つじゃなくてひとりさんのアドリブを想定して何パターンか書かれているので、ただ覚えるだけじゃなくて、「こう来たらこう返そう!」と準備していました。

――ヒロインで出番が多い上、超能力の使い手だったことから動きに合わせて爆発が起こるシーンなどもありました。

爆発も、スタッフさんと私のタイミングが合わないとおかしなことになってしまいますので、そこも念入りに練習しました。本番はそれに加えてひとりさんの演技が物語に絡むように、頑張って戻したりしながら(笑)。でも爆発シーンは、割りとスムーズだったと思います。

――劇団ひとりさんもアドリブとは言え、ストーリーを考えながら演技しているわけですね。

たぶん、頭の中はフル回転だと思います。ひとりさんは本番まで出演者を知りません。トイレに行かれる時も、他のみんなは出歩くことを禁止されるくらいで。いきなり爆発したら、私だったらどうしたらいいか分からなくなっちゃう(笑)。しかも、返しもすごく長いセリフを言ってくださるんです。私だったら、「うん」とかで終わらせちゃうんだろうなぁ(笑)。

――以前、『ゴッドタン』で出演したのは「イチャまんグランプリ」(芸人とのイチャつき漫才を披露する企画)でしたね。

そうですね。「イチャまんグランプリ」はその芸人さんの持ちネタをイチャイチャで崩していく感じで、芸人さんも自分のネタだからなんとなく展開が読めるみたいです。でも、今回の作品は映画なので規模も大きくて、撮影も本格的で演技重視という感じです。

――撮影後のインタビュー映像では「達成感があった」とおっしゃっていましたが、一番どこに達成感を感じましたか。

やっぱりプールのシーンです。ひとりさんに初めてキスを仕掛けて、初めて心が通じ合う場面。そこはすごく力を入れていました。この作品は2日間かけて撮影しているんですけど、そのシーンは1日目。終わった時はちょっと安心しました。