【インタビュー】

相思相愛による次世代のデータ保護/保管 – CommVaultとクラウディアンの関係

廣瀬治郎  [2014/10/07]

データ保護・管理ソフトウェア「CommVault Simpana」を提供するCommVaultは、大量のデータを長期保存するためのストレージとして、クラウディアンの「Cloudian HyperStore ソフトウェア(以下、Cloudian)」との相互接続性を認定し、両社は共同でソリューションの提供を推進している。昨今注目されているバックアップ/アーカイブの分野で、オブジェクトストレージCloudianはどのように活用されているのだろうか。今回は、CommVault クラウド ソリューションズ グループセールス エグゼクティブの斉藤徳浩氏とクラウディアン 取締役 COOの本橋信也氏の対談をもとに紹介しよう。

データ保護・管理の各種機能を単一アーキテクチャで提供

── CommVaultについて教えてください

CommVault クラウド ソリューションズ グループ セールス エグゼクティブ 斉藤徳浩氏

斉藤氏 CommVaultは、1988年に米国ベル研究所の開発グループとしてスタートし、1996年に独立しました。以来、データ保護・管理ソフトウェアを提供しており、弊社の「Simpana」は現在世界中で約20,000社に導入されています。近年、世界のバックアップ市場が平坦に推移している中で、当社は2006年から2013年にかけて、21%という年平均成長率を達成しています。

最近はクラウド市場が非常によい成長を見せていますが、当社内でもサービス事業者での採用が増えており、ワールドワイドで200社以上のサービス事業者にご利用いただいています。私が所属しているクラウド ソリューションズ グループはワールドワイドの組織で、世界のクラウド事業者へ世界最先端のテクノロジーと活用方法を展開していく支援を行っています。

── Simpanaソフトウェアにはどのような特徴がありますか

斉藤氏 Simpanaソフトウェアは、バックアップ/リカバリ、アーカイブ、eディスカバリ、重複排除、データ圧縮、管理、レポーティングといった、データの保護と管理を行うために必要なすべての機能を一つのソフトウェアで提供しています。

他社製品と決定的に異なるのは、さまざまな製品を組み合わせた“ソリューション”として提供するのではなく、単一のソフトウェアプラットフォームとしてすべて自社開発しているところにあります。そのため、バックアップやアーカイブだけではなく、検索や保護、アクセス、分析などといった一連のデータ管理の流れを、一元的に行うことができるのです。

もちろん、一部の使いたい機能のみを導入することも可能です。まずは必要なところからスモールスタートして、徐々に機能を拡張していくのも容易です。プラットフォームが一元化されているため、ハードウェアインフラを追加して、スイッチをオンにするだけで、ビジネスの成長に合わせて新しいデータ管理が実現できるようになります。こうした一貫性が、特にサービス事業者には好まれています。

データ保護とオブジェクトストレージ

── Simpanaにとってオブジェクトストレージとは

斉藤氏 Simpanaにとって、ストレージは非常に重要な存在です。ストレージと一口に言っても、高速なSSDから安価なクラウドストレージまで、さまざまな特性を持ったものが存在します。特にサービス事業者にとっては、適切なコスト/利用料金で、適切なサービスレベルを保てること、この最適化が非常に重要です。

昨今のデータ管理の現場では、“大容量”のデータを“長期保存”したいというニーズが高まっています。これに応える技術が、Cloudianに代表される「オブジェクトストレージ」です。

例えば医療業界では、レントゲン写真などの大量の画像データを含む医療データを、適切なセキュリティを確保した状態で長期的に保存でき、なおかつ必要なときに迅速に取り出せることが求められています。この点で、可用性の高いオブジェクトストレージは、たいへん注目されています。

── オブジェクトストレージはテープメディアにとって替わる存在なのでしょうか

斉藤氏 オンラインで取り出しやすいという点では、オブジェクトストレージは最適です。しかし、目的に応じた使い分けが重要だと考えています。

本橋氏 クラウディアンも、テープメディアが不要だとは思っていません。大量のデータを小さくまとめ、安全な場所に長期間保存できるという点で、データ保護のためには重要な要素の1つだと思っています。

親和性の高いCloudianとSimpana

── 2013年にSimpanaとCloudianの相互接続性が正式認定されています

クラウディアン株式会社 取締役 COO 本橋信也氏

本橋氏 クラウディアンのパートナー企業である日本テレマティーク様が、CloudianのAmazon S3への準拠性が高いことに加え、SimpanaもS3に対応していることから、実際に接続性を検証してみたのです。すると、何も問題なく連携し、Simpanaのストレージとして利用できることがわかりました。

斉藤氏 当社のパートナー企業も、以前接続性を試した他社製品ではうまくいかなかったのに対し、Cloudianではまったく問題がなかったため非常に驚いていました。

本橋氏 私たちは、Amazon S3 APIを通じたエコシステムの拡大を積極的に進めていますが、そのきっかけとなった良い事例です。相互に検証し、接続性を認定し合った、“初めての仲”なのです。

データ保護の分野からオブジェクトストレージが重要視されているように、Cloudianにとっても、バックアップを始めとしたデータ保護は、キラーアプリケーションだと考えています。

斉藤氏 Simpanaは、データマネジメントのポリシーを決めるだけで、自動的にデータのライフサイクルに合わせてストレージ間を移動するようになっています。Cloudianは、Simpanaの管理画面で指定するだけで一般のストレージと同じように使用することができるため、親和性が非常に高く、ユーザーの求めるソリューションを提供できる連携だと考えています。

本橋氏 昨今は「ハイブリッドクラウド」が1つのキーワードとなっています。Cloudianは、複数のパブリッククラウドサービスで採用されており、またオンプレミスシステムとしても構築できます。Simpanaを介することで、これら2つのCloudianの使い分けが容易に可能となるのです。

Cloudian HyperStoreとCommVault Simpanaの接続例

── CommVaultにとってクラウディアンの魅力とは

斉藤氏 1~2年前のパブリックストレージサービスは、データを海外に保存するため、日本企業には適さないケースが多々ありました。日本の大手サービスプロバイダーがCloudianを採用し、国内に閉じた形でストレージサービスを展開していたのが、個人的には興味深いものでした。

最大の魅力は、非常に小規模な環境から始めることができるため、エンタープライズに適しているという点です。Cloudianは、最小構成でサーバ2台、たった1TB程度のシステムからでもスモールスタートすることができます。

特に海外のオブジェクトストレージ製品の場合、1PBなどの大規模環境を前提とすることがほとんどです。これでは大きすぎて、多くのエンタープライズユーザーには適しません。

Simpanaは、日本市場において、特にサービス事業者に好まれているソフトウェアですが、エンタープライズユーザーへの提供もさらに強化していきたいと考えています。システムを提案する上で、スモールスタートできるオブジェクトストレージとしてCloudianを紹介できることは、強力な武器と言えます。

今後は、日本だけでなく海外においても協業し、CloudianとSimpanaを組み合わせたソリューションとして、さまざまなユーザーに最適な環境を提供していきたいと考えています。

本橋氏 CommVaultは、特に米国では非常に人気の高いベンダーです。本格的に協業することができ、Cloudianをより多くのユーザーに使ってもらうことができれば、言うことはありません。

── クラウディアンにとってCommVaultの魅力とは

本橋氏 旧来のバックアップシステムは、ベンダーロックインのものがほとんどでした。つまり、ストレージ装置を購入したら、同時にバックアップソフトウェアも購入して、いっしょに使うものとして認識されていたのです。

Simpanaは、それ自体が新しいデータ保護の技術を提供するものであると同時に、Cloudianのような新しいストレージ技術と組み合わせることで、新しいソリューションとしても活用することができます。

例えば、サーバ仮想化の分野では、膨大な台数におよぶVMのバックアップが大きな課題でした。SimpanaとCloudianを組み合わせることで、この課題が容易に解決するのです。

斉藤氏 企業の中には、必要であるが使われることのない「ダーク(死蔵)データ」が数多く存在します。これらを適切に管理できないがために、何らかの問題が発生したり、余計なコストが生じたりしています。

Cloudianで大量のデータを一括して保管し、Simpanaのインデックス機能で検索性を向上させることにより、データを死蔵させることなく「生きたデータ」として活用することができるようになります。

こうした「データ・インフォメーション・マネジメント」が、今後のビジネスで大きな役割を果たすでしょう。SimpanaもCloudianも、ごく小規模なシステムからスモールスタートし、時代やビジネスに合わせて拡張していくことが容易なため、そうした将来に備えることができます。

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