米オラクルは、2014年9月28日~10月2日までの5日間、米サンフランシスコのモスコーニセンターにおいて、「Oracle OpenWorld 2014 San Francisco 2014」を開催した。

Oracle OpenWorldは、オラクルが同社の顧客企業、パートナー企業を対象に開催しているビジネス・テクノロジーイベントで、全世界145カ国から6万人が参加。そのうち、日本からは約500人の顧客企業およびパートナー企業、日本オラクルの社員が参加した。

情報システム部門担当者以外にも、人事部門やマーケティング部門などからの参加が増加しているという。また、同社の発表によると、オンラインによる参加者は、前年には200万人だったのに対して、3倍強となる710万人へと大幅に増加。ソーシャルメディアのフォロワーも230万人に達したという。

サンフランシスコで開催されたOracle OpenWorld 2014 San Francisco 2014

さらに併設された展示会場には460社が出展。日本の企業では、富士通や日立、NTTデータなどがブースを構えていた。

今回のOracle OpenWorldは、開催10日前となる9月18日(米国時間)に、ラリー・エリソン氏がCEOを退き、取締役会経営執行役会長(Executive Chairman)に就任するとともに、同社初のCTO(Chief Technology Officer)に就任することを発表。ソフトウェアおよびハードウェアのエンジニアリング部門については継続的にエリソン氏が指揮を執ることを明らかにしていた。

また、それと同時に、製造、財務、法務部門を担当してきたサフラ・キャッツ社長と、同じく社長のポジションにあった営業、サービス、業界別グローバル・ビジネス・ユニット部門を担当していたマーク・ハード氏が、いずれもCEOに昇格。それぞれの部門を引き続き担当することを明らかにし、これまで10年間に渡って取締役会会長を務めてきたジェフ・ヘンリー氏は副会長に就任することを発表した。

突然のトップ人事の変更に、会期中の基調講演では、何かしらの発言があるものと思われたが、これに関しての発言はまったくないという状態。基調講演の当初の予定通りに行われ、それぞれの肩書きが変わっても、会期中の役割にはまったく変更がなかった。

18日(米国時間)に発表したリリースのなかで、エリソン氏は「この数年間、3人の連携はとてもうまく取れており、当面、この体制を継続していく」とコメント。新たな役職についての発言は、開催3日目の2回目の基調講演で、自ら新たなクラウドサービスのデモストレーションを行う際に、「CTOなので、今日のデモストレーションは、誰も手伝ってくれない」と語り、会場を沸かしたに過ぎなかった。

イベント会期中の会見で記者の質問に回答したハード氏も、「新体制となっても戦略にはまったく変更がない」と発言。その言葉通りに、今回のOracle OpenWorldを通じて、トップ人事の変更の影響を、まったく感じさせないものとなった。

そうしたなかで、大きな変化を感じたのは、オラクルがこれまで以上にクラウドにフォーカスする姿勢を明らかにした点だ。

そして、それらの取り組みについて、エリソン氏が、2回の基調講演を通じて、丁寧に説明してみせた。