プロジェクトのリーダーを任されたが、初めてのことばかりで、他部署と連携して進める話では、メンバーの中に全く知らない人もいる……。リーダーとしてチームを率いた経験がほとんどない場合、どのように進めていけば良いか迷うかもしれない。

そんな人のために、Incが「知らない人を率いるには(原題:How to Lead a Team of People You Don't Know)」で具体的なアドバイスをしている。異業種コラボが増加傾向にあり、小さなプロジェクトで迅速に進めていく傾向が強くなっているという。

自分には関係ないと思わずに、目を通しておいて損はなさそうだ。

まずはリーダーに対してメンバーが求めることをおさらいしておこう。自分がメンバーだったらと置き換えればよいが、Incの記事では以下のポイントを挙げている。

  • リーダーはどんな人物か

  • どんなことをチームに求めているのか

  • プロジェクトの成功・失敗をどのように定義しているのか

これらを、今回のプロジェクトで初めて知った部下に、そして明確に伝えていくにはどうすれば良いのか。さっそく見てみよう。

自分の価値観を伝える

メンバーと関係を構築していく上で、あなたの価値観や考え方、どのように成果を測定するのか、意思決定のプロセス、メンバーに何を期待しているのか、といったものを明確にメンバーへ伝えよう。

プロジェクトがスタートして最初の一週間で、これらの内容がメンバーに伝わっていれば良いスタートを切れそうだ。透明性や誠実さを大切にし、疑問や質問に応じるオープンな姿勢をとりたい。

目標はメンバーと一緒に設定

リーダーとしての権威を持つことは重要だ。一方でメンバーにも、ある程度の権限や自由を与えることも大切になる。非現実的な目標を一方的に課すと、メンバーはあなたに反感を抱く。目標設定のプロセスでメンバーに参加してもらうことで、あなたが良いリーダーとして認められてもらえるかもしれない。

会社全体の目標の上で、プロジェクトがどれほど重要なのか説明しつつ、現場で働くメンバーに「どう思う?」とインプットを求めよう。

大切なポイントとしては、メンバーと共同で作業していくために、会社のリソース内で達成可能な目標を設定する必要がある。目標全体を再定義するよりも戦略にフォーカスして、すでにある目標に向けて組織や作業をどう変えるかを考えた方が良いとのことだ。

コミュニケーション

最初は曖昧さや抽象化した表現をできる限り抑え、はっきりと直接的なコミュニケーションを取るように心がけたい。

メンバーがそのようなコミュニケーションに慣れていないと感じたら、リーダーとして日頃からやりとりを行ないながら、どのようなニーズがあるのか、何が障害なのか、問題になっているのかなどを明確にしていこう。

期間の終わりではなく、最初の段階で密で明確なコミュニケーションを実現できれば、プロジェクトはうまく進みやすい。コミュニケーションを図っていくことは、フィードバックがほしい、評価されたいと思っているメンバーの気持ちを上手くくみ取れるようになれるはずだ。

根深い問題を早期に解決する

これまでの3ステップで地ならしやプロジェクト進行の構造作りを進めると同時に、リーダーとしての手腕を見せておくことも重要だ。

作業プロセスでメンバーのイライラの元になっているものはないかといった点を、メンバーの声を聞き、課題を洗い出すことで、効果的に解決しよう。

リーダーが迅速に動き、変化を示すことができれば、メンバーのモチベーションは高まる。