2007年に登場した初代iPhoneから数えて、2014年にリリースされる予定の新モデルは8世代目になる。登場以来、iPhoneの進化はスマートフォンやモバイルライフそのものの進化と言って良いほど、市場やビジネス、カルチャーを牽引してきた存在だ。これまでの7年を振り返りながら、今後のモバイルライフがどのように変化するのか、考えていこう。

iPhoneのコンセプト

iPhoneの系譜を振り返ってみよう。

初代iPhoneは2007年1月のMacworldで、当時「Apple Computer」のCEOだった故Steve Jobs氏が発表した。当時のプレゼンテーションは非常に印象的なものだった。当時絶大な人気を博していた音楽プレイヤーである「iPod」の新型と、「携帯電話」、新しい「インターネットデバイス」の3つの新製品を披露するとし、これが1つのデバイスであるとしてiPhoneを登場させた。

初代iPhone。3.5インチタッチスクリーンにウェブブラウザ、メール、地図、メモ、連絡先、カメラなどの基本的なアプリを備えていたが、3Gには非対応で、カメラの画素数も大きいものではなかった

3.5インチタッチスクリーンという、当時の携帯電話の常識からはかけ離れたインターフェイスを備えて登場した。Jobs氏は、旧来のケータイで当たり前だったテンキーや、BlackBerryなどの当時人気を博していたスマートフォンの代名詞にもなっていた細かいフルキーボードを否定し、共感を誘ったことも印象的だった。

しかし初代iPhoneは当時日本で当たり前となっていた第三世代通信(3G)に対応しておらず、またカメラも200万画素とそこまで目覚ましいものではなかった。米国のみ、かつAT&Tでのみ発売され、影響も軽微との見方も多かった。特に日本では、初代iPhoneの性能との比較から、iPhoneが携帯電話市場において、そこまで大きな影響力を持たないのではないか、と見られていた。