「宇宙博2014―NASA・JAXAの挑戦」(主催:NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社)が7月19日(土)、幕張メッセ(千葉県千葉市)にて開幕した。会期は9月23日(火・祝)までの約2カ月間。本レポートでは、開幕前日に行われたプレス内覧会の様子と、会場の見所などについてご紹介したい。
宇宙博2014は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とアメリカ航空宇宙局(NASA)が全面協力した、国内最大級の宇宙イベントである。約9,000平方mの広々とした展示エリアの中に、歴史的な実物資料や迫力ある実物大モデルなど、約500点もの展示品が置かれており、宇宙開発の黎明期から最先端までが一望できるようになっている。
展示エリアは大きく、JAXA側とNASA側に分けることができる。展示品の"珍しさ"という点で見ると、まず注目したいのはNASA側だ。JAXA側の展示は、たとえば小惑星探査機「はやぶさ」の実物大モデルのように、各地の施設で展示されていたものも多い印象だが、国内でこれほどの量のNASAの展示品を見る機会はかなり珍しく、貴重だろう。
NASAの展示エリアは、2011年より世界を巡回しているNASA公認の展示会「A HUMAN ADVENTURE」の内容がベース。同展はこれまで、スペイン、トルコ、オランダで開催されてきたが、アジアでの開催はこれが初となる。
ただ、ちょっと残念なのは、展示に関する解説が少なめで、それが何なのか、伝わりにくいと感じたことだ。物販コーナーで購入できる公式カタログの内容が充実しているので、まず最初に買ってから見るか、あるいは朝日新聞社の通販( http://shop.asahi.com/eventplus/7.1/CTB14008/ )で事前に購入しておくのも良いかもしれない。
NASAエリアが終わると、次に訪れるのは「日本の宇宙開発」エリアだ。ここの目玉は、「NHKが総力を挙げて作った」(宇宙博2014の監修者である的川泰宣JAXA名誉教授)という「きぼう」の実物大モデル。同様のモデルはJAXA筑波宇宙センターにもあるが、「こちらの方が出来がよい」(同)と、完成度の高さは折り紙付き。中に入ることも可能だ。
このエリアでは、有人宇宙活動、月惑星探査、ロケット開発、衛星開発など、日本の宇宙開発を広く紹介している。最も多いのはもちろんJAXAの展示だが、そのほか宇宙関連企業や、国立天文台、国立極地研究所からの出品もある。この1カ所だけで、各分野のさまざまな展示品をまとめて見られるというのは大きな魅力と言える。
そのほか、会場内には「火星探査」エリアと「未来の宇宙開発」エリア、そして「8Kスーパーハイビジョンシアター」などもある。火星探査エリアにある火星探査車「キュリオシティ」の実物大モデルはNASAが製作したもので、米国以外で展示されるのはこれが初めてだという。
そして最後はお楽しみのショッピング。宇宙博の「スペースショップ」には、約2,000種類の宇宙関連グッズが用意されている。イプシロンロケットの抱きクッションや、小惑星イトカワのかりんとうなど、宇宙博にあわせて新規に企画されたオリジナルグッズも多いので、いろいろ探してみよう。
これだけの展示をじっくり見て回ると軽く3~4時間くらいはかかりそうだが、注意して欲しいのは、会場内で食事できる場所がないということ。午前中から入っていた場合、途中でお腹が空きそうだが、出口で申請すれば再入場できるようになるので、昼食のために一旦外に出てもいいだろう。
開場時間は午前9時30分~午後5時(入場は閉場の30分前まで)。来場者数が10万人を突破したことを記念して、8月18日(月)からは、平日の午後3時以降に入場できるお得な「夕涼みチケット」の販売も開始される。料金は一般1,700円、高校・大学生1,000円、小・中学生600円と、通常料金(各2,500円/1,500円/900円)よりも安く設定されている。
なお、宇宙博では特別なイベントが行われる日もある。すでに野口聡一宇宙飛行士のトークショーが実施されたほか、8月19日(火)には、国際宇宙ステーションの船長を無事勤め上げた若田光一宇宙飛行士も来場、トークショーが開催される予定だ。随時、公式WEBサイトなどで最新情報をチェックして欲しい。