【レポート】

ファイリングとPDF管理を潤滑に動かす3つのポイント

2014年6月13日に開催されたマイナビニュース主催セミナー「企業内に点在するPDFファイルの課題に立ち向かう~タブレット時代に求められる帳票活用の鍵~」の特別講演に、株式会社フロンティアワンの代表取締役である鍋野敬一郎氏が登場。「タブレット時代に求められる帳票運用3つのポイントとその解決策」をテーマに、情報を紙から電子ファイルへ移行するときの課題とその解決法を紹介した。

事例に学ぶファイリングのポイント

株式会社フロンティアワン 代表取締役 鍋野敬一郎氏

「ファイリングとは“書類や資料などをルールに従って整理し保管管理すること”です。業務を円滑にするための手段であり、悪影響を及ぼすものであってはいけません。適切なファイリングにより、必要なときに必要な文書を即時に入手できるようになります」と鍋野氏は語る。ファイリングのポイントは大きく以下の3つになるのだという。

  • 見える:インテックスとラベルがひと目でわかる
  • だれでもできる:シンプルで簡単なルールでだれでもできる
  • 継続できる:定期的なファイルの整理、見直し、ライフサイクル

ファイリングとは、「書類や資料などをルールに従って整理し保管管理すること」

しかし、ファイリングを活用できている企業はあまり多くない。その背景には、「ファイリングの仕組みが導入されていない」「ルールがあいまいで、全社および全従業員に徹底されていない」といった導入の問題や、「あるべき場所にドキュメントが保管されていない」「退職者、部外者がドキュメントを勝手に持ち出せる」といった管理・運用の問題がある。

ファイリングの導入と運用の問題を解決するためのキーワードを鍋野氏は、「ツールとルール」と語る。「まずはだれでも使えるツールが必要です。次にだれもが守れるルールが必要です。以前、所属していたデュポン社は約6万人が働いている会社ですが、たった2つのルールでファイリング手法を実現していました」(鍋野氏)

ルールその1は、業務で使うオリジナル文書は決められた書棚で保管し、個人で必要な文書はコピーして保管管理するというもの。ルールその2は、インデックスとラベルを決め、保存期間、管理組織/管理者、閲覧対象、社外持ち出しの可否などを決め、部門ごとに大中小の3つに分類して管理する。このルールは1年に1回、見直しを行い改善する。

鍋野氏は、「“ツールとルール”というキーワードが、ファイリングのスタート地点となります。デュポン社では紙の文書のファイリングでしたが、この手法はMicrosoft Word/Excelで作成した文書やPDFファイルなどの電子ファイルのファイリングにおいても有効になります」と話している。

紙から電子ファイルへの移行で求められる要件

モバイル端末やタブレット端末の普及拡大により、人事や経理などのバックオフィス部門や専門職は別として、経営層や管理者層、営業、フィールドサービスなどの部門では、社外からカタログや見積書などの文書を活用する機会が多くなっている。ここで利用されるのは、Word/ExcelやPDFなどの電子ファイルである。

鍋野氏は、「早い時期にツールとルールによるファイリングを徹底しておかなければ、後々、大きな問題に発展する可能性があります。電子ファイルは基本的に制作者がローカルで管理しているので、どれがオリジナルで、どれが最新バージョンなのかを把握することが困難です。そのため情報漏えいのリスクも伴います」と語る。

電子ファイルの紛失は、紙のドキュメントに比べて膨大な量の情報が漏えいする可能性があり、場合によっては会社にとって死活問題となる。特にモバイル端末やタブレット端末の普及により、この状況に拍車がかかることになるので、会社全体としてITインフラに鍵をかけ、全社員でルールを遵守する仕組みや制度を早急に確立することが必要になる。

鍋野氏は、「紙の業務をPDFの業務に移行する場合、どのような種類の文書がありますか、どのような情報共有をしていますか、だれが作成して、だれが利用し、だれが管理していますかといった内容を必ず調査しています。その調査にもとづいて、利用するツールを選定したり、ルールを策定したりすることが必要です」と話している。

タブレット時代の帳票運用のポイント

モバイル端末やタブレット端末を利用して、電子ファイルを最大限に有効活用するためには、「保管管理」「セキュリティ」「情報活用の促進」の3つのポイントがある。まずは、操作性、柔軟性、即効性の高いファイリング管理システムを導入して”保管管理”を行い、閲覧・印刷・配信・共有の制御、認証、ログ管理などの”セキュリティ”に対応する。

紙の文書をPDFに移行することで、一元管理が容易になり、必要な情報を迅速に検索することが可能となる。社員のリテラシーや教育の徹底が必要だが、アクセス制御、ログ管理などで情報漏えいのリスクを低減できる。安全で使いやすい電子ファイリングの実現で、ワークフローやコメント機能、再利用、複数システム連携など、”情報活用も促進”できる。

電子ファイリングの成功の秘訣を、鍋野氏は「ウイングアーク1stが提供するSVF PDF ArchiverのようなPDF管理システムを導入し、情報活用の具体化、明確化を行うことです。紙のドキュメントより、PDFの方が圧倒的に便利であり、入力ミスもなくなり、コストもかかりません。これが電子ファイリングを実現する最大のメリットです」と語る。

鍋野氏は、「問題点を認識し、ルールとツールを導入して、継続的に見直しながら情報活用を促進するという、3つのポイントさえ押さえていれば、電子ファイリングの実現は難しくありません。無理なく全社にツールを導入し、ルールを運用しながら情報活用が可能な仕組みを目指すことが重要になります」と語る。

3つのポイントを押さえれば、PDFファイリング導入は難しくない

ただし、いきなり全社に導入するのではなく、まずは特定の部署でファイリングをスタートし、便利な点、不便な点を洗い出して、継続的に改善を行い、満足できるものになったら次の部署、また次の部署と段階的に導入していき、最終的に全社に展開するというのが、現実的なファイリングの導入方法といえる。

鍋野氏は、「ファイリングは100人がいて、そのうちの1人でも使えないシステムは不合格です。その1人が情報を漏えいしたらファイリングを行う意味がありません。万人が使えることによって、初めて情報活用や継続的な改善が可能になります。全社でベクトルを合わせることが重要です」と話し、幕を閉じた。



人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事