今日のアイシャドウは何色?

あなたの好きな色は何色ですか? そうきかれて、いつも同じ色を答えるときもあれば、服を選ぶように、そのときの気分で好みの色が変わることがあります。色には、人の感情や気分といった心理が表れるからです。

そして、アメリカの大統領選挙のときに、候補者がそろって紺色のスーツに白色のシャツ、そして赤色のネクタイという「パワースーツ」を着ることで、有権者にいい印象を与えることができるように、色は人にも影響を与えます。

女性は、化粧を毎日行うなかで、それほど色の変化を楽しむことはないかもしれません。ですが、アイシャドウなどは流行も関係して、その時々で色を変えることもあるでしょう。今回は、そんなアイシャドウの色でわかる心理を見てみたいと思います。

暖色系は積極的、寒色系は消極的

色は、一般に、赤、オレンジ、黄などの暖かい感じをうける暖色系(膨張色)と青、青緑、白などの冷たい感じを受ける寒色系(収縮色)に大きくわかれます。一般的に暖色系は、派手、積極的、活動的、感情的といった印象を与えやすいといわれ、寒色系は、地味、消極的、沈静的、理性的といった印象を与えやすいといわれています。つまり、相手に派手、積極的だという印象を与えたいときは暖色系を、反対に地味、消極的だという印象を与えたいときは寒色系を粧えばいいんです。

そして、これはその色を選択したときの心理状態を表します。たとえば、ピンクなどの赤色系の場合。赤色系が気になるのは、自分のなかで積極的で、ヤル気になっているときです。仕事や恋愛が前向きになっているときです。ですが、ときには積極的な気持ちが空回りしてしまう危険性もはらんでいます。赤色系を選んでいるときこそ、安らぎや落ち着きを少し意識してほしいなとおもいます。

青色系の場合。青色系が気になるのは、落ち着いていて、冷静なときです。客観的に物事を見る余裕があるのですが、同時に冷静すぎて、冷めてみられることも。慎重であることも大事なのですが、ときには大胆に行動してみてほしいんです。たとえば、気になる異性がいれば、思い切って告白してみたり。

黄色はユニークさ

その中間的な黄色系の場合。たとえば、黄色はユニークさをあらわす色です。個性的で、注目を集めたいという気持ちが表れます。楽観的でもあり、論理的でもあり。ただ、その二面性ゆえの「不思議ちゃん」的な要素が、個性的でもあると同時に取っつきにくさにつながることも。個性的であることも大事ですが、周囲に合わせることも心がけてほしいかなと思うんです。

今日のあなたは、何色のアイシャドウをつけましたか? 色占いではありませんが、その選んだ色にはあなたのこころが表れています。無意識に選んだ色の意味について、少し考えてみると、きっと今日一日が素敵に過ごせると思います。

※写真は本文と関係ありません

著者プロフィール

平松隆円
化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。