マーケティングにはさまざまな手法があるが、何もかも一括りにして費用対効果を求めていないだろうか? 中でも、WebやSNSで注目が高まっているコンテンツマーケティングは正しく理解されていないことが多い、とForbesが指摘している。

では、コンテンツマーケティングの正しいアプローチは何か――Forbesの記事「コンテンツマーケティングは広告キャンペーンとは異なり、長期的なコミットで(原題:Content Marketing Is A Long-Term Commitment, Not A Campaing)」が説明している。

まずは、一般的な広告キャンペーンと戦略やテクニック、そして目標と、全ての面で異なることをおさえたい。記事では時間と展望の2点から、コンテンツマーケティングを次のように説明している。

長期的なエンゲージで、ブランドを構築

コンテンツマーケティングの代表選手といえばブログ。だがForbesの記事によると、どんなオーディエンスを狙うのかという長期的な視野がなく、短期的なROIが芳しくないことから、更新頻度が減って記事のボリュームや質も落ちていく・・・というパターンが多いという。

だが「コンテンツマーケティングはすぐにリードコンバージョン(見込み客のコンバージョン)に結びつくものではない」、と記事は釘を刺す。長期的なエンゲージや情報提供を通じた啓蒙プロセスが必要なのだという。

「見込み客がコンテンツに費やす時間が長いほどオーディエンスは啓蒙され、ブログを信用できる情報源と見るようになる」――こうなれば、業界のオピニオンリーダーとしての地位にぐっと近づいているはずだ。

次に展望だ。マーケティングなのだから、コンテンツを利用したマーケティングや広告は目的が共通の"ターゲット顧客に好意的なイメージを持ってもらうこと"といえる。

だが、ブランドを支持するファンの開拓や育成という点では、コンテンツマーケティングは大きく勝る。しかしながら、これはツイートの数やいいねボタンが押された数では計れない。広告キャンペーンが売上げ増などの形で効果を測定できるのに対し、ファンのネットワークが持つ力は短期的には測定できないのだ。

コンテンツ作成と評価の具体策

このような特性からわかるように、コンテンツマーケティングでは長期的な視点で取り組む必要がある。何らかのインパクトが感じられるまでに「少なくとも6カ月」はかかるという。もちろん、毎日の取り組みを重ねた上での「6カ月」という期間なのだ。

ポイントになるのはコンテンツの作成とコンテンツ価値の最大化だ。SNS担当とメールマーケター、PR担当など、関係する人全員が参加する必要がある。どう運営していけば良いのかというと、一番良いやり方は「コンテンツ作成の締め切りと作業のパイプラインを設け、担当者を決める」ことだという。

成果は、売上げだけでなく、SEO解析やSNS反応量、ブランディングと、全体的なアプローチで評価するようにと記事では指摘している。すぐに成果を感じられないからといって焦ることはない。そんな時こそ、ファンが喜び、ファンのために役立って、ファンの参加を促すようなコンテンツの作成にフォーカスしよう。全員が参加して微調整を重ねながら高品質のコンテンツを用意すれば、少しずつオピニオンリーダーに近づいていけるはずだ。