4月14日から17日にかけて、横浜情報文化センターで恒例の「Cool Chips」が開催される。Hot Chipsの姉妹学会であるCool Chipsは今回で17回と歴史を重ねてきている。

この「Cool Chips XVII」のアドバンスプログラムがCOOL ChipsのWebサイト上に公開された。このプログラムを見ると、今年はおもしろそうな発表が多い。

初日の14日は特別講義の日で、SynopsisのMasaaki Ideno氏のアプリケーションスペシフィックプロセサについての講義、Xilinx JapanのIgor A. Kostarnov氏のC、C++からFPGAのプログラムを生成する高レベル合成の講義、AlteraのDirk Seynhaeve氏のFPGAでOpenCLプログラム向けのアクセラレータを作るという、全体で3つの講義が行われる。

ASIP(Application Specific Processor)やFPGAは、アプリケーションに特化した演算を効率的に実行できる演算器や機能ユニットが作れるなど、汎用CPUやGPUアクセラレータではうまく行かない問題を解決できる可能性がある。このような問題の解決を迫られているエンジニアには役に立つ講義ではないかと思われる。

そして、15日と16日の本会議では、5件の基調講演と6つの論文発表セッション、1つのパネルディスカッションとポスター発表が行われる。

最初の基調講演では、IntelのMichael McCool氏がIoTに関して、インターネットと組み込みのプログラミングモデルを結合すると題して、インターネットのリッチなプログラミングモデルを弱体な組み込みデバイスハードウェアでどのように実現していくかについて講演する。

また、3番目の基調講演では、IBMのJun Sawada氏が、神経回路を作り、人間の脳をコンピュータでシミュレーションで再現するSyNAPSEプロジェクトについて講演する。BG/Qスパコンを使い5.3×1011のニューロン、1.37×1014シナプスの回路をシミュレートしているという。

そして、2番目の基調講演は、SamsungのJay Kim氏の再構成技術を使ってウエアラブルプロセサの電力を下げるという講演、4番目の基調講演は、Open Core Foundationというプロセサコアのオープン化を推進する団体の代表のShumpei Kawasaki氏の講演、最後の基調講演は、D-WaveのColin Williams氏の量子コンピュータの講演である。

論文発表のセッションは6つで、マルチコア/メニーコアのセッションで2件、メモリのセッションで2件、信頼性(Dependability)のセッションで3件、低電力技法のセッションで2件、電力最適化のセッションで3件、NoC(Network on Chip)のセッションで2件の合計14件の論文が発表される。