高い伸びを示す「運用型広告費」とターゲティング方法の変化

電通 デジタル・ビジネス局 パフォーマンス・メディア部 岡田 祐輔氏

いま、インターネット広告に大きな変革期が訪れている。

電通が2月20日に発表した「2013年 日本の広告費」によると、 2013年(1~12月)における日本の総広告費は前年比101.4%となる5兆9762億円。特に「インターネット広告費」(媒体費+広告制作費)は9381億円(同108.1%)と堅調な伸びを示している。

インターネット広告費の中でも、注目すべきは新興領域の「運用型広告」だ。この運用型広告とは、膨大なデータを処理するプラットフォームにより、リアルタイムで入札が行われるインターネット広告のこと。従来の「枠売り広告」が横ばいで推移している一方、運用型広告費は4122億円(同121.6%)という高い伸びを記録したのである。

これにより、インターネット広告のターゲティング方法も変わってきている。電通 デジタル・ビジネス局 パフォーマンス・メディア部の岡田祐輔氏は「従来のインターネット広告は、Webサイトを訪れたユーザーやコンテンツ内容などを軸にプランニングを行ってきました。しかし今後は、来訪者の行動から推察されるインサイトを基にしたキャンペーン運用が不可欠となってきます」と語ってくれた。


オーディエンスの属性を推察し、効果的なプラニングを実施

運用型広告の取引が急増した背景のひとつに、RTB(Real Time Bidding:リアルタイム入札)による広告配信が可能なプラットフォームの増加・普及が挙げられる。

電通ではこうした市場ニーズの変化に対応するべく、2013年12月よりトレーディング・デスク・サービス「Dentsu Audience Network」を提供している。これは、広告配信の統合プラットフォーム「DSP(Demand Side Platform)」や、ユーザー情報などのデータを管理する「DMP(Data Management Platform)」といった複数のサービスを束ねることにより、効率的かつ適切なタイミングで広告配信が行えるというもの。

そして広告配信からチューニング、閲覧ユーザーのプロファイルとクライアントが持つデータを組み合わせた分析、次回以降の施策提案までを一貫して行うことができる。