共働き家庭の場合、家計簿をつけていないことも多い

共働き家庭の場合、夫と妻が互いにどれくらいの金額を使っていて、どの程度貯金ができているかを把握しているというケースは意外と少ないようです。2人で働いている安心感や忙しさから家計簿をつけていないことも多く、給与振込口座から順次お金を使っていき、残ったら貯金。あるいは、貯金をするでもなく、翌月の給与が振り込まれ、そのまま使っていくというご家庭も多いのではないでしょうか。今回は、共働き家庭の家計について、ファイナンシャル・プランナーの村松祐子さんに解説してもらいます。

収入の15%を頑張って貯蓄に

共働き家庭の特徴として、日々頑張って働く自分の労をねぎらい、「ご褒美」と称した臨時の出費が少なくないです。財布が別々で、生活費を出し合うスタイルにしている共働き世帯の場合、お小遣いを自由に使うことができるので、使途不明金が多い傾向があるのも特徴の1つです。

では、片働き世帯と共働き世帯によって家計状況はどう違うか見てみましょう。世帯主だけが働く世帯の消費支出は1カ月平均29.9万円。一方、夫婦共働き世帯の消費支出は1カ月平均33.8万円となっており、片働き世帯より消費支出がやはり3.9万円多くなっています(総務省「家計調査年報/平成24年」)。

ただ、家計の黒字をみると、片働き世帯は9.9万円、共働きは15.6万円。共働き世帯の方が5.7万円も多くなっており、貯金により将来へ備えられるお金が実はあるということがわかります。いざお金が必要というときに意外にお金が貯まっていない、ということがないように、貯まる体質づくりを心掛けることが大切です。

手始めに、世帯収入として、2人の収入を合算した全収入を把握し、そこから10%あるいはもう少し頑張って15%をあらかじめ貯蓄へまわす分として先取りしてしまいます。生計を立てるのは残りの85%内です。「先取り貯蓄」と定められた範囲内での「やりくり」を習慣づけることで、確実に貯金ができ、無駄も省け、将来の生活設計に自由度が増すとことになるでしょう。