12月に入り、携帯各社が秋口に相次いで発表した2013年冬~2014年春モデルの多くが発売開始となった。家電量販店のスマートフォン売り場も年末商戦に向けてますます活気づいていくこの時期、新規またはMNPなどでスマートフォンの購入を検討している人も多いだろう。そこで今回、各社の注目スマホを使い都内5カ所でスピードテストを実施。最新機種の実力とともに、各社のネットワーク環境もチェックしてきた。スマホの購入を検討されている方はぜひ一読いただきたい。

都内の複数カ所でスピードテストを実施した

今回、調査に使用した端末はNTTドコモの「Xperia Z1 SO-01F」、KDDI(au)の「Xperia Z1 SOL23」、ソフトバンクモバイルの「AQUOS PHONE Xx 302SH」。いずれも各社が提供するハイスペックな最新スマートフォンだ。

Xperia Z1 SO-01Fは、約5インチフルHDの「トリルミナスディスプレイ for mobile」を搭載したAndroidスマートフォン。ソニーのデジカメ「Cyber-shot」で培ったソニーのカメラ技術を導入した約2,070万画素の高性能カメラが特徴。「Xperia Z1 SOL23」も同じく、約5.0インチディスプレイを搭載したAndroidスマホで、ドコモのSO-01Fとほぼ同等のスペックだ。

一方、ソフトバンクのAQUOS PHONE Xx 302SHは、12月6日に発売されたばかりの最新端末。3辺狭額縁設計によりディスプレイ占有率80.5%を実現した5.2インチサイズのディスプレイを採用したほか、余裕をもって2日間利用できるという大容量バッテリーを搭載する。

年末込み合いそうな都内5カ所で計測

それでは、この最新モデル3機種で、各社のスピードをチェックしていこう。計測場所は、年末年始に混み合いそうな場所を選んだ。「道玄坂共同ビルシブヤ109」「秋葉原UDX」「東京ドームシティアトラクションズ」「新宿タカシマヤ」「中野ブロードウェイ前」の計5カ所だ。計測方法は「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを使用して各地点で3回ずつ計測、その平均値を実測値としている。

年末商戦を目前に控え、日に日に活気を増しつつある秋葉原界隈。大きなクリスマスツリーが目をひくJR秋葉原駅前の、秋葉原UDX前で計測をしてみた。するとNTTドコモは下り5.2Mbps/ 上り2.6Mbps、KDDI(au)は下り12.7Mbps/ 上り9.0Mbps、ソフトバンクは下り16.3Mbps/ 上り16.7Mbpsとなった。KDDI(au)とソフトバンクで下り10Mbpsを超える値を記録した。

次に、エンターテイメント関連の複合施設が集まる「東京ドームシティアトラクションズ」周辺で計測してみた。するとNTTドコモは下り8.8Mbps/ 上り3.3Mbps、KDDI(au)は16.4Mbps/ 上り7.0Mbps、ソフトバンクは26.5Mbps/ 上り17.2Mbpsという結果だった。現地ではクリスマスに向けてイルミネーションの用意などが進んでいた。スマホで写真を撮り、すぐにSNSにアップロードするといった利用シーンが増えるこのシーズン。ソフトバンクの回線のように上りの速度が保証されていると安心である。

まずは秋葉原と水道橋で計測

続いて、渋谷の「道玄坂共同ビルシブヤ109」で計測。結果はNTTドコモが10.9Mbps/ 上り4.3Mbps、KDDI(au)が23.1Mbps/ 上り13.1Mbps、ソフトバンクが下り49.6Mbps/ 上り5.5Mbpsとなった。渋谷でもソフトバンクの下りは50Mbps前後を記録した。

この後、渋谷から離れ、新宿へ。新宿駅 新南口からすぐの「新宿タカシマヤ」では、NTTドコモは下り11.1Mbps、上り3.6Mbps、KDDI(au)は下り19.5Mbps、上り14.0Mbps、ソフトバンクは24.0Mbps、上り10.1Mbpsとなった。

続いて渋谷に

その足で新宿まで移動した

最後に自宅のある中野区に向かい、中野ブロードウェイで計測した。結果はNTTドコモが下り10.4Mbps/ 上り4.8Mbps、KDDI(au)が下り24.6Mbps/ 上り7.0Mbps、ソフトバンクは43.4Mbps/ 16.8Mbpsという結果になった。

最後にホームタウンの中野で計測!

*  *  *

今回計測した5カ所すべてを平均するとNTTドコモが下り9.3Mbps /上り3.7Mbps 、KDDI(au)が下り19.3Mbps /上り10.0 Mbps、ソフトバンクが下り32.0/上り13.3Mbpsだった。

最新スマホ3機種で行ったスピードテストだが、ソフトバンク、KDDI(au)はともに速度が出ており、筆者の印象としても快適なインターネットが利用できた。特にソフトバンクは下りで50Mbps前後を記録するなど、いずれの場所でも高速な通信が利用できた。

一方ドコモは、今回の調査ではこの2社に大きく差をつけられたかたちだ。KDDIは800MHz帯のプラチナバンドLTEが、ソフトバンクはSoftBank 4G LTE(FDD-LTE方式)とSoftBank 4G(AXGP方式)の両方のネットワークが利用可能な「Hybrid 4G LTE」が効果的に都内に行き渡っていたためこのような結果になったのだろう。なおソフトバンクは2014年春から900MHz帯のプラチナバンドLTEが利用可能になるとのこと。今後の各社のネットワーク環境に注目だ。

(執筆:大石はるか)