アベノミクスなどの経済政策により、就職率の上昇や求人数の増加など雇用が上向きつつあるとマスメディアで盛んに報じられているが、長い目で見ていくと雇用の在り方は変わっていくだろう。何故ならば、将来的にはロボットを導入することで代用できる職業も出てくるからだ。ロボットは高度化していくだけではなく、ゆくゆくは製造コストも下がるだろう。

Forbesが「ロボットから仕事を盗まれること4つ(原題:4 Things That Your Job Could Be Stolen By A Robot)」という記事で、どのような仕事が危ないか分析している。

オックスフォード大学によると近い将来、私たち人間が現在やっている仕事の47%が機械でも代用できるという。確かに、ロボットができることは増えているし、インターネットの普及とM2M技術の導入によって様々な機械の自動化も進みそうだ。

リスクが最も低い仕事は、「高レベルな理解と操作、創造的なインテリジェンス、ソーシャルインテリジェンスを要求するもの」という。では、ロボットで代用できることになる仕事とはどんな仕事だろうか。記事によると、以下の4つの特徴を持つ仕事がロボット向きであると分析している。

反復性のある物理作業をベースとしている

いまさら指摘するまでもないだろうが、繰り返すことがベースになっている単純作業はロボットに取って代わられることになる。すでに、工場の組み立てにはロボットが進出しているし、更なる技術革新によって、複雑な作業にも対応できるようになるだろう。Forbesによると、オーダー式家具などもできるようになると予想している。

反復性のある数値化可能なものに反応する

私たちのアクションに反応するタイプの仕事も、ロボット向きといっていいのではないだろうか。例えば、e-Taxこと税の電子申告やスーパーのレジに代わるセルフチェックアウトが好例だろう。まだ完全とは言えないが改善が進んで行けば、人々の抵抗もなくなって利用が進むことになるだろう。数年後には、日常のショッピングをする光景が変わりそうだ。

人間関係構築が不要の仕事

ロボットが苦手なことの一つに、関係の構築がある。ここで挙げられている例は「Siri」だ。人間との関係構築は実に複雑で、ロジックと直感の両方が必要だ。「自分の仕事がどのぐらい人との関わりを要するのか」「人との関わりなしでも成立するのかどうか」などを考えてみよう。一言も話さなくて成立するものであれば、その仕事はロボットに取って代わられる日が近いかもしれない。

アルゴリズムを適用できる

数学的計算を応用し、その結果に基づいて行動をとる仕事であれば、どれほど複雑な作業であってもゆくゆくは自動化されるかもしれない。米Googleが無人自動車の実用化プロジェクトを進めているが、近い将来にはロボットがタクシーを運転しているかもしれない。

ロボットではできない職業とは

ただし、例外として「創造力」「クリエイティブインテリジェンス」を必要とする仕事であれば、人との関係構築が重要ではなく、アルゴリズムを適用できるとしても、人間にしかできないと研究者は予想している。例として、「芸術」や「小説家」「哲学者」「ビール醸造」などが挙がっている。

最も安全な仕事は、「クリエイティブ」「ソーシャル」という双方のインテリジェンスが必要な「一つ一つの問題を個別に解決する作業」の仕事だ。こちらは「教師」や「セラピスト」「コンサルタント」が挙げられている。