宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発している新型ロケット「イプシロン」の打ち上げが、いよいよ明日、2013年8月27日に実施される。マイナビニュースでもこれまで、イプシロンに関する記事をたびたび掲載(参考記事1参考記事2参考記事3)してきたが、本レポートでは過熱気味(主に報道陣が)の現地から、現在の様子についてお伝えしたい。

内之浦(鹿児島県肝付町)の様子。あちこちにイプシロンの応援旗が見える

JAXAの内之浦宇宙空間観測所。左下に見えるのがイプシロンの射点だ

本日(8月26日)は、JAXAの内之浦宇宙空間観測所において、13時より記者ブリーフィングが開催。JAXAからは、森田泰弘イプシロンロケットプロジェクトマネージャと澤井秀次郎SPRINT-Aプロジェクトマネージャが出席し、最新状況について説明を行った。

リラックスした様子で会見に臨む森田泰弘プロマネ(イプシロンロケット)

搭載される衛星側からは、澤井秀次郎プロマネ(SPRINT-A)が出席した

まず打ち上げ時刻であるが、これは8月27日の13時45分00秒に決定されている。ただし、打ち上げ時間帯(ウィンドウ)は13時45分~14時30分に設定されており、何らかの問題が発生した場合などは、この時間内で打ち上げを遅らせることもある。

当然ながら、まだロケットは姿を現していない。今はまだ整備棟の中だ

打ち上げ当日のシーケンス。ランチャーの旋回は10:45ころ開始の予定

ロケットの打ち上げで気になるのは天候だが、本日は未明から雷雨。森田プロマネによると、早朝からの作業が中断したほどとのことだが、現在は快方に向かっており、打ち上げ時間帯には晴れ間も期待される模様だ。ただ、M-Vよりは雨に強くなっており、もし天気が悪くても「土砂降りでない限り大丈夫」(同)とのこと。

JAXAが発表した気象情報。打ち上げ当日の予報は「曇りのち晴れ」だ

打ち上げ時の制約条件。雨は毎時8mm以下、風は秒速20m以下ならOK

「世界最高性能の固体ロケット」と言われたM-Vロケットが引退してから7年間。小惑星探査機「はやぶさ」などが飛び立っていったここ内之浦から、久しぶりに衛星の打ち上げが行われるということで、地元からの期待も大きい。

M-Vの後継機となるイプシロンの開発を率いてきた森田プロマネは、現在の心境について「7年間の研究開発の成果がいよいよ試される。辛いこともいろいろあったが、我々としては全力を出し切った。明日は絶対成功するという強い気持ちで、自信を持って堂々と打ち上げに臨みたい」とコメントした。

内之浦宇宙空間観測所のプレスセンター。開場前から行列ができていた

観測所は一般の見学も可能。大勢の人が見学に訪れているようだった

打ち上げ時のプレス見学席は、従来の場所が使えなくなり、今回新設された

新しい見学席はかなり狭い。すでに三脚による場所取りが始まっている

ここから見た射点方向。ロケットは全体がちゃんと見えそうだ

一般の見学席は、プレス席の後方数100mほどの場所に用意されている

打ち上げ当日には、携帯各社の移動基地局が設置されるとのこと

ここからの見え方。前方のプレス席は、まったく邪魔にならないようだ

今回の打ち上げでは、インターネットによるライブ中継が実施されるほか、映画館でのパブリックビューイングも行われる予定。それだけ日本中が注目しているということであるが、詳細については、以下の各WEBサイトを参照して欲しい。