――学習者からはどういった声が聞かれますか。
「ゲーム感覚でどんどん勉強を進められる」とか、「仕事をしながらでも無理なく勉強ができた」といった感想をよくいただきます。問題をクリアしていかなければ、次の課に行けないわけですから、課が進んでいくということは力も着実についているということになります。中国語の専門家である我々が、こだわり続けてできた自信のあるコンテンツと学習法であり、ほかの教材に負けない自信はありますよ。
少数精鋭よりもまんべんなく中国語教育を
――『超速中国語PLUS』は企業研修向けの中国語教材を個人向けにパッケージしたものだそうですね。企業の中国語研修への考え方に変化を感じることはありますか。
前は「あなたは出世コース。だから中国へ行って欲しい」といった形で、適性がある人材を絞りこみ、その人材に対して集中的に対面レッスンでトレーニングをする形がふつうでした。しかし企業側も、特定の人だけが中国語や中国という国に対して素養があったところで中国ビジネスはうまくいかないこということに気づき始めている。マーケティングの手法も違うし、製品開発の方法も違う。従業員の給料体系や不満への対応方法も違うわけです。「限られた人だけが上級レベルの中国語が話せる状態」よりも「中国語がある程度わかる人が、まんべんなくいる」ことの方が、中国でビジネスをする上ではメリットが大きいことを認識するようになったのです。たくさんの人に研修をするとなると、費用・時間コストを抑えたい。でもしっかりと「力」もつけてほしい。そういった企業側の考えに合致したのが『超速中国語』だったのだと考えています。
――中国語教育に力を入れていると感じる業界はありますか?
いままではいわゆるメーカーが多かったのですが、いまは金融からアパレルまで、全方位的に広がっています。中国との関係に関しては、ネガティブな報道が多いですが、貿易額でいくとやはりダントツであり、成長率も日本と比べれば圧倒的に高い。日本にこれだけ近くて13億人という大きなマーケットです。アセアンの国々へ進出する流れもありますが、インフラがまだ整備だったりする国も多く、そう考えるとやはり中国ということになります。
いままではメーカーが生産拠点として中国に工場を持ち、その工場を動かす中で中国語が必要となることが多かった。でもいまはそうではない。マーケティングだったり、人事だったり、調査だったり。いろんな部署の人が中国語にふれる機会が増えています。
日本人というだけで中国語の40%を習得していることになる!
――英語に比べると中国語にふれる機会は少ないですし、ビジネスパーソンの中には、英語の習得に失敗した経験から、中国語の勉強を始めることを躊躇している人も多いようですが、日本人にとって中国語は難しい言語なのでしょうか。
ここはぜひ強調したいのですが、ゼロレベルから中国語を勉強するといっても、日本人は最初から中国語の40%を習得しています。潜在的に漢字を知っているし、漢字の音読みはもともと中国から入ってきたものです。問題は眠っているその才能を生かすまでの基礎がないこと。基礎のところさえつくってしまえば、すでに持っている経験とか意味だとか能力がいかんなく発揮できる状況がつくれるわけなんですよ。一気に勉強時間を短縮できる。4つある声調をしっかり押さえ、基礎の30%くらいを固めてしまえば、中国語は未来形も過去形も、現在完了形もない。特殊な変化形もありません。非常に簡単な言語なんですよ。
大人になって言語を勉強するなら、学習言語の体系や特徴は理解しておくべきです。それによって学習を効率よく進めることができます。中国語は、ゼロレベルの段階で、いきない会話練習を始めても意味はありません。通じないことば(発音)を練習しても何の役にも立ちません。TOEICの点数がどれだけ高くてもしゃべれないのと同じ。まずは基礎練習、特に音のイメージを頭の中に取り込む練習をしてください。
60%でいい! 完ぺきを目指すと語学学習は苦しくなってしまう
――語学学習はゴールまでの道のりがとても遠いだけに、途中で挫折してしまう人も多いようです。最後に中国語学習においてそのモチベーションを維持していくにはどうしたらいいのでしょうか。
100%を求めないでください。わたしたちはネイティブじゃありませんから、例えば中国語の細かい発音や四声を習得するのは大変です。だから完ぺきは目指さない。自分が言ったことが相手に通じるのか、通じないのか問題であり、イメージとして60%くらいを目指せばいいのです。コミュニケーションがとれたときには「できた、できた」と喜べばいいし、うまく通じなかった時には「またがんばろう」と奮起する。もうちょっとファジーに考えた方が、日本人の語学力は伸びるように思いますね。