海外旅行先でスマホを現地購入して活用することはできるのだろうか? 予算は1万円。今回はカナダのバンクーバーで通信料込み1万円のプリペイドスマホを購入してみた。

プリペイドの品揃えがイマイチなバンクーバー

アメリカの上に位置するカナダ。CDMAが主流だった携帯電話サービスも今は各社がW-CDMA方式を提供しており、LTEも各社がサービスを始めている。今回訪問したバンクーバーでも繁華街を中心に通信事業者の店舗はあちらこちらに見かけることができる。カナダでは携帯電話の販売はSIMロック方式のため、2年契約を結ぶとハイエンドスマホでも格安で購入することが可能だ。

バンクーバー市内のBellの店舗。プリペイド専用商品は販売していなかった

これに対して海外からの渡航者が購入できるプリペイドスマホの種類は多くない。これがアメリカならば、通信事業者の店舗や家電量販店、またドラッグストアなどには各社のプリペイド携帯電話やプリペイドスマホがずらりと並べられており、自分の予算や希望する機能に見合った製品を選ぶことができる。

ところがバンクーバーの通信事業者の各店舗を回ってみると、アメリカのように専用パッケージに入ったプリペイドスマホの姿を見かけることは無かった。また市内にはLondong Drugsという大手ドラッグストアチェーン店があり携帯電話を扱うものの、ここでもやはりプリペイドスマホの類は見かけることはなかった。ちなみにカナダの大手通信事業者はRogers、Bell、Telus、Windの4社。各社Fido、Solo、Koodo、Virgin Mobileなど別ブランドで低価格プリペイドプランも提供している。

London Drugs店内。携帯売り場はあるがプリペイドの扱いはほとんど無い

では海外からの渡航者はどうすればよいのだろう?とある事業者の店員に話を聞くと、店内で販売しているスマホは契約価格、非契約価格と2つの価格が表示されており、旅行者などは非契約価格で購入できるとのこと。そしてプリペイドSIMを同時に購入すればプリペイドスマホとして利用できるとのことだった。

だが元からプリペイド用として用意されている製品ではないため、非契約価格は低スペックなスマホでも150から200カナダドル程度と結構高い。またプリペイドSIMの購入時にはアクティベーションフィーとして手数料を取るという話をされた店舗もあった。どうやら通信事業者の店舗でのプリペイドスマホの購入は得策ではないようだ。

次に向かったのは家電量販店のBest Buy。アメリカでは何度もBest Buyでプリペイドスマホを買っているので、カナダでも同じ状況だろうと考えお店に向かってみた。ところがここでも店内の目立つ位置に置かれているのは契約用の端末ばかり。ふと壁際に目を移すとようやく専用パッケージに入ったプリペイドスマホが並べられているのを発見できた。

ただし品揃えは多くなく、各社の料金体系も不明だ。店員に1つの商品を指差し「データ料金はどうなっているのか?開通はどうするのか?」と聞くと「すべてインターネットで出来るので、購入して自分で調べて自分でやってくれ」との回答。通信事業者の店でも感じたのだが、どうもプリペイド製品の販売はあまり熱心ではないようだ。そのためカナダでプリペイドスマホを買う際は、渡航前にあらかじめ各社のWEBページで料金を調べておくといいだろう。

ショッピングモールに入っていたBest Buy

プリペイドスマホを売っているものの種類はわずか

なおバンクーバーのダウンタウンで見つけた量販店はBest Buyの他に、地元のFuture Shopという店もあった。両社品揃えはあまり変わらないが、これは元々プリペイドスマホそのものの種類が少ないのだろう。また両店舗へ何度も足を運び複数の店員に話を聞いたところ、Telusのプリペイドスマホは20カナダドルの料金の含まれたプリペイドSIMが付属、Bellのものは料金がゼロなので別途利用量を入れなくてはならないとのことだった。ひとまずこの2つの量販店ならばプリペイドスマホを購入することができそうだ。

バンクーバーを訪問したのは2013年5月下旬。為替レートの変動がここのところ激しいが、当時のレートは1カナダドル=99円。アメリカとは異なるプリペイドスマホの販売方法に戸惑いながらも、1万円で購入できる商品を物色することにした。

地元カナダのIT量販店、Future Shop

さすがはカナダ、BlackBerryは最新端末もアクセサリも品揃えが多い

後編では、1万円スマホを購入し、開通作業を行う様子を紹介する。