JR東日本が16日に実施したダイヤ改正で、新型車両E6系による秋田新幹線「スーパーこまち」の営業運転がスタートした。デビュー翌日の17日、東京~盛岡間で「スーパーこまち3号」に乗車できたのでレポートしたい。

E6系「スーパーこまち」。東京~盛岡間で「はやぶさ」と併結運転を行う

「KEN OKUYAMA DESIGN」監修、スポーツカーのようなE6系

秋田新幹線E6系は、東北新幹線E5系と併結運転を行い、新幹線区間を国内最高速320km/hで走行するため、多くの最先端技術を採用した新在直通車両。E5系と同様、ロングノーズタイプの先頭形状が特徴で、車体上部に施された茜色(濃い赤)の塗装も目を引く。

車両の内外装デザインを監修したのは、奥山清行氏率いる「KEN OKUYAMA DESIGN」だ(詳しくは本誌連載「鉄道トリビア」第189回参照)。奥山氏はゼネラルモーターズ社チーフデザイナー、ポルシェ社シニアデザイナー、ピニンファリーナ社デザインディレクターを歴任した人物だという。

そうした情報も影響したのか、E6系を東京駅のホームで見たとき、「まるでスポーツカーみたいだな」と思った。あくまで個人のイメージだが、「スポーツカー」といわれて思い浮かぶのは、流れるようなフォルムと鋭い眼光(ヘッドライト)を持ち、かつ鮮烈な赤い塗装のクルマ。これらの要素がE6系にも備わっているように感じられた。

もうひとつ、実際の車両を見て感じたのは、「意外と小柄だな……」ということ。在来線も走る車両なので、当然ながら車体幅も狭いのだが、後ろに連結された「はやぶさ3号」のE5系と比較すると、やはりE6系のほうがひとまわり小さく見えてしまう。ちなみに車体幅が狭いE6系では、各ドアの下にステップを装備しており、新幹線区間の駅に停車すると立ち上がるしくみになっているそうだ。

「スーパーこまち3号」の発車まで、筆者も含め、多くの利用者がE6系にカメラを向けていた。車体前面はもちろん、車体側面のロゴやE5系との連結部分を撮る人も多かった。E6系の先頭車のロングノーズは、間近で見ると予想以上の長さで驚く。

余談だが、ロングノーズ同士のE6系・E5系の連結部分を眺めていたら、なぜだか長いキスシーンを見ているかのような気分になってしまった。

E5系とE6系の連結部分(「スーパーこまち3号」乗車日とは別の日に撮影)

車体側面のロゴ。小野小町のシルエットと320km/hの風を表現したという

車内の座席は横4列。普通車のシートは黄金色で、通路を田んぼのあぜ道に見立て、「稲穂の中へ分け入るときの高揚感」を表現しているとのこと。窓側の座席には、いまや新幹線や在来線特急列車に必要不可欠となったコンセントも設置された。パソコンを持ち込み、移動中に作業すれば、目的地に着くまでの間にひと作業終えられるかもしれない。

なお、グリーン車(11号車)は普通車とは異なる配色で、腰掛に電動レッグレストを備え、コンセントも全席に設置しているという。

「こんなにスピード出して大丈夫か!?」と不安だったが…

「スーパーこまち3号」「はやぶさ3号」は朝6時56分、定刻に東京駅を発車した。大宮駅を出発した後、一気にスピードが上がり、同列車の最高速度である300km/hにも到達したと思われる。だが途中、郡山~福島間で「架線に付着物」があったとのことで、除去作業のため、しばらく郡山駅で待機を余儀なくされることに。運転再開後、遅れを取り戻そうと疾走するも、定刻より約20分遅れの9時40分頃、盛岡駅に到着した。

今回は新幹線区間のみの乗車となったが、スピードアップによって騒音や振動が増すこともなく、乗り心地に関しては従来の車両と変わりないように感じた。最初のうちは、「こんなにスピード出して大丈夫か!?」と不安だったものの、福島を通過したあたりですっかり安心してしまい、盛岡駅到着までぐっすり眠ってしまったほどだ……。

今回乗れなかった在来線区間(盛岡~秋田間)も、新幹線区間とはまたひと味違ったE6系の魅力を体験できるはず。ぜひまた乗車してみたいものだ。

在来線区間を走る「スーパーこまち」

「スーパーこまち」は1日4往復設定され、最速達列車は東京~秋田間を3時間45分で結ぶ。新型車両E6系は今後、2014年春までに計24編成を導入する予定。現在の新幹線区間での最高速度は300km/hだが、2013年度末より、現行の「はやぶさ」(E5系単独で運転される列車)と同じく最高速度320km/hで運転される予定とのことだ。