カード決済時は磁気カードリーダーをイヤフォンジャックに挿して利用する。磁気カードリーダーは、幅27x高さ27x奥行き14mm、重量12gとコンパクトだ

楽天は昨年の12月より、iPhoneやAndroid端末のイヤフォンジャックに磁気カードリーダーを挿し、無料アプリをインストールすることでクレジットカード決済が可能になる「楽天スマートペイ」を開始した。

実際の使い勝手はどうなのか、2件の早期導入事例を取材した。

「楽天スマートペイ」は、磁気カードリーダー代を含む初期費用2,980円を支払えば、最短3日で利用を開始できる。月々の固定費用はなく、一律、決済額の4.9%が手数料となる。利用できるカードは、楽天カード、Visa、MasterCardの3種類で、売り上げは最短で翌日に入金。利用できる端末は、iOS 4.3以上、Android OS 2.3以上のスマートフォンおよびタブレットとなっている。

利用手順は、Google PlayやApple App Storeを通してアプリをインストール後、カードリーダーをイヤフォンジャックに挿し、アプリ上で決済金額を入力。その後、クレジットカードをリーダーで読み取り、顧客の手書きサインをもらえば、手続きが完了となる。

レシートを印刷するためのプリンタは必要なく、利用明細はメールで顧客に送信されるシステムだ。高価なレジシステムを導入しなくても、2,980円で始められるのが大きな魅力だ。

Google PlayやApp Storeを通してアプリをインストール

アプリのメニューからカード決済を選択

決済金額を入力

クレジットカードをリーダーで読み取る

取引詳細画面

顧客の手書きサイン

小田急線の大和駅前に店舗を構える[「激安携帯電話ケータイショップNo1」

設置スペースを取らない点がいい

小田急線の大和駅前に店舗を構える「激安携帯電話ケータイショップNo1」(大和店 神奈川県大和市)では、サービスが開始された昨年12月、「楽天スマートペイ」を導入した。

同店では、NTTドコモ、au、WILLCOM、イーモバイルを中心にした携帯端末の販売、および修理を行う。 これまで、同店では現金のみの支払いだったが、以前からカード払いを希望する人は結構いたという。

同店を経営する山口智之氏は、iPhoneユーザーは、Apple IDの取得にクレジットカードが必要なため、クレジットカードの保有率が高いと話す。同氏は、これまでであれば、クレジット決済のしくみを導入するのに数十万円のコストがかかっていたが、2,980円で導入できるメリットは大きいと話す。

同店では、決済端末としてiPhoneを使っており、今年の1月には15件ほどの利用があったという。

従業員の坂元光氏は実際利用した感想を、「これまで、特に使用中のトラブルはありません。お客様の中にはスマートフォンでカード決済できることを知らない方も多く、実際にカード決済を行うと、驚かれる方もいらっしゃいます。『楽天スマートペイ』は、操作が簡単で、設置スペースを取らない点がいいですね」とメリットを語る。

店舗内での実際のカード決済の様子

処理時間を大幅に短縮

東京都あきる野市に本社を構え、パソコン販売/修理を行う「@Zone」も、「楽天スマートペイ」を導入した企業の1つだ。同社では、東京、神奈川、埼玉、千葉、山梨(一部)でパソコンの出張修理を行っている。担当者は全部で9名おり。1日あたり4-5件の客先を訪問しているという。

「楽天スマートペイ」を導入前にも、インプリンターを使ってのカード決済は行っていたが、パソコンを利用した処理に20分程度かかり、お客様を待たせてしまうことが課題だったという。

利用しているインプリンター

パソコンサポート担当の中山伸也氏は「楽天スマートペイ」を利用した感想を、「仕事が早いのがいいですね。最初に使ったときは、こんなに簡単なんだと驚きました。また、スマートフォンによるカード決済はめずらしいので、お客さんとの会話も弾みます」と語る。

ドコモのAndroid端末を利用して決済処理を行う中山伸也氏。サインがしやすいように普段はタッチペンを利用しているという

同社では現在、NTTドコモのAndroid端末を利用し、2名が試用で利用しているが、効果を確認できたので、今後は全員に配布する予定だという。