NTTドコモは「dマーケット」の新たなサービスとして、一般のクリエイターが創作したハンドメイド作品やデジタルコンテンツなどの出品・購入が行えるサービス「dクリエイターズ」を2013年5月から開始する。2月18日、都内で説明会が行われ、同日より特設サイト「http://hello.creators.dmkt-sp.jp/」をオープンさせた。2013年4月上旬より出品登録を開始する予定。

同社スマートコミュニケーションサービス部の田中慎二氏が登壇し、dマーケットの新たなサービス、dクリエイターズについて説明した

dクリエイターズの概要

dクリエイターズは、インテリア・家具、ステーショナリーやアクセサリー、ファッションアイテム、スマートフォンケースなどのハンドメイド作品を出品・購入できるマーケットと、一般のクリエイターが創作した小説、コミックなどのデジタルコンテンツを発表・閲覧できるUGC(User Generated Content)メディアからなる。ドコモではdクリエイターズを日本最大級の総合UGCメディア、すなわちユーザー自身が小説やコミック、エッセイ、イラスト、写真などのコンテンツを創作・投稿し公開することができ、かつ他のユーザーがそれらを閲覧・利用することができるメディアに育てていきたい構えだ。

「みんなの"一品・逸品"に出会うことができる場所」というキャッチで訴求する(写真左)。クリエイターへの充実サポートなど、dクリエイターズの特色は大きく分けて5つ(写真右)

クリエイター(出品者)は会員登録(無料)と販売クリエイター登録(月額315円)が必要になる。メンバー(閲覧・購入者)は、会員登録(無料)を行えば作品のコメント・購入を行うことができる(作品の閲覧のみなら登録不要でも行える)。会員登録には「18歳以上である」「各携帯電話会社の利用可能なメールアドレスを持っている」ことが必須条件となる。対応機種はスマートフォン・タブレット(全キャリア対応)、PC。ドコモ ケータイ払い、クレジットカード・コンビニ決済などの多様な決済手段を利用できる。また、住所などの個人情報を相手に公開することなく配送できる匿名配送サービス(別途料金がかかる)の利用にも対応する。

ドコモでは、デジタル分野において一般クリエイター発の新たな市場を創出してきた。この成功ノウハウをdクリエイターズにも活かしていく方針だ

同社では、2010年からエブリスタとともに小説やコミック、エッセイ、イラスト、写真などを自由に投稿・閲覧できるUGCメディア「E★エブリスタ」を展開してきた。ドコモによれば、これまでに投稿された作品は200万を超え、そのうち200タイトル以上が書籍化(総発行部数は800万)され、一部はゲーム化および映画化されたとのこと。dクリエイターズではこのE★エブリスタで培ったノウハウを活かしつつ、ハンドメイド作品まで対象を広げて展開していく。

デジタル分野の報酬分配実績(期間:2年半)は、総額で約4億円。印税、応援アイテム、コンテストの賞金などの形で4,000人以上のクリエイターに還元された

サービスの開始に先立ち、ドコモでは参加クリエイターの募集を行う。クリエイターの事前登録開始は2月18日から、出品登録開始は4月上旬、グランドオープンは5月を予定している。募集ジャンルは、ハンドメイド作品13カテゴリ(アクセサリー、ファッション、バッグ・財布、ステーショナリー・雑貨、家具・インテリア、食器・キッチン、スマホ・ケータイグッズ、おもちゃ・人形、アート、フラワー・ガーデン、素材・テキストスタイル、ベビー・キッズ、ペットグッズ)とデジタルコンテンツ3カテゴリ(小説、コミック、エッセイ。E★エブリスタより供給をうけ提供)。

クリエイターの事前登録開始は2月18日から、出品登録開始は4月上旬、グランドオープンは5月を予定する

産業革命を期待

社団法人日本ホビー協会調べによると、国内におけるハンドメイド・クラフト人口は約1,000万人、ホビー・クラフト潜在市場は約4,000億円。これらハンドメイド作品に関する市場動向について、ドコモでは「ワタシだけの」「こだわりの」品を欲しがる消費者の声が高まっていると分析する。田中氏は「クリエイターのトップレベルにある方の作品は、場合によってはプロの作品をも凌いでいる」と話し、自身のネクタイも鎌倉のクリエイターの手によるハンドメイド品であることを明かした。

田中氏は「ここのところ、3Dプリンターやレーザーカッターなどによる加工品が注目を集めている。これらの機器が安価になり市場に浸透すれば、近い将来、一般のクリエイターが盛んにモノ作りをする"産業革命"が起きるのではないか」と話し、多品種少量生産の時代が来るとの見方を示した。そして「我々人間は生まれながらの"作り手"だ」というクリス・アンダーソンの言葉を引用し、dクリエイターズサービスの説明を締め括った。

ハンドメイドのネクタイを紹介する田中氏

今後の事業展開の方向性。ドコモ・イノベーションベンチャーズとの連携やコンテストの開催なども考えられている

海外での利用も検討

説明会の最後には、質疑応答の時間がもうけられた。ハンドメイドのジャンルで出品される作品の単価については、3000円~4000円あたりが最も多くなると想定している。出品者の負担については、販売クリエイター登録料の315円/ 月のほか、取引価格の25%をドコモに支払う仕組みだという(決済手数料や、場の提供費用などが含まれる)。

dクリエイターズはC to C(消費者間の取引)サービスのため、安心・安全に利用できる仕組みが不可欠となる。これについては、出品者と購入希望者が密に連絡を取れる仕様と、購入者が出品者と作品の双方に評価を行える仕組みにより担保する考えだという。なおクリエイターの登録については厳しく審査され、同一人物が別の人格で登録することができないようになっている。

収益目標については、3年後には「マーケットに総額200億~300億円が流通している」ようにしたいと回答。これは市場の30%~50%にあたるシェアを獲得し、40万~50万人のクリエイターが活動しているとの想定による。また海外の利用者との交流についても視野に入れており、プラットフォームの他言語化なども検討しているとのことだった。

(記事提供: AndroWire編集部)