よい従業員を引きつけたい、という思いはどの企業も同じ。では、イマドキの社員は何を重視しているのだろう? CareerBuilderが米国の社員に行った調査では、肩書きより大切なものとして最も多く挙がったのは「給与」だった。このほか、企業への満足度がアップする要素としてどんなものが挙がったのか。

CareerBuilderが全米3900人以上のフルタイム勤務者を対象に、企業への満足度、役得や福利厚生に関する意見、転職などについて調べた。部長、課長などの肩書きについては、55%が「重視しない」と回答、肩書きよりも大切なものとして「給与」を挙げた人はなんと88%もいた。このほか、3割以上が挙げたのは「柔軟なスケジュール」(59%)、「違うことができる」(48%)、「挑戦できる」(35%)、「在宅勤務」(33%)など。

社員ならではの役得や福利厚生についてはどうだろうか? 4人に1人(26%)が、「特別な役得が効果的に提供されるとリテンション(企業が人材を確保すること)が改善される」と回答した。

では、どのような役得や利益を望んでいるのか。最も多かったのは「金曜日を半日出勤に」で、40%がこれを挙げた。「社内ジム」(20%)、「ランチのケータリングサービスを常設」(17%)、「マッサージサービス」(16%)、「昼寝部屋」(12%)、「個人専用のトイレ」(7%)、「社内保育室」(6%)など、会社の設備に関するものが多く挙がった。「ジーンズ着用の許可」(18%)という声もある。

CareerBuilderによると、2012年に優秀な社員を失ったという企業は32%あったという。そのような状況からか、39%の企業が、優秀な社員をとられるのではないかと心配しているという。調査では、回答者の66%(3人に2人)が「全体としては会社に満足」と回答しているが、25%が「転職するつもり」と明かしている。

最後に、ズバリ「継続していまの企業に勤務するために改善(提供)してほしいことは?」と聞いた。最も多かったのは、「給与アップ」で70%がこれを挙げた。前述の"肩書きより重要なもの"で59%が挙げた「柔軟なスケジュール」はここでも多く、51%が挙げている。会社の勤務時間に縛られないワークライフを望む人が増えているようだ。そのほか、「賞、賞金、旅行などの表彰制度」(48%)、「研修の機会を増やしてほしい」(35%)などを見ると向上心がうかがえる。一方で、「人を増やして仕事を楽にしてほしい」(22%)という声も。

CareerBuilderの人事担当バイスプレジデントのRosemary Haefner氏は、「仕事への満足度を決定する要因は一様ではなくさまざまだ。だが柔軟性、評価や表彰、違うことができることは満足度アップに重要だ。特別なメリットを提供することも多いに寄与する」とまとめている。