劇場アニメーション映画『009 RE:CYBORG』の初日舞台あいさつが27日、東京・新宿バルト9で開催され、神山健治監督を始め、宮野真守、小野大輔、斎藤千和、大川透、丹沢晃之、増岡太郎、吉野裕行、杉山紀彰、玉川砂記子らゼロゼロナンバーサイボーグのキャストが勢ぞろいで登壇した。

『009 RE:CYBORG』の初日舞台あいさつに登壇した神山健治監督とゼロゼロナンバーサイボーグを演じる主要キャスト

映画『009 RE:CYBORG』は、石ノ森章太郎の『サイボーグ009』を原作に、『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズや『東のエデン』などで知られる神山監督が脚本・監督を手がける完全新作。3DCG制作で2Dセルテイストな表現に極限まで挑戦した意欲作であり、2013年、ロンドン、モスクワ、ベルリン、ニューヨーク、上海と大都市で同時多発爆破事件が起こる世界を舞台に、全く新しい『サイボーグ009』が描かれている。神山監督は、この日の新宿を皮切りに、お台場、横浜、名古屋、大阪、広島、北九州、博多と全8カ所を2日間で回るという弾丸舞台あいさつのスタートとなった。

神山監督は「早い時間からありがとうございます。3年間という月日をかけてスタッフ、キャストと作り上げた作品を上映できることを誇りに思います。今日はどうか楽しんでください」とあいさつし、本作への手ごたえを語ると、続く宮野は、自信が演じる主人公・009/島村ジョーの決め台詞である「加速装置!」の叫びを披露。そして、「記念すべき日、初日舞台あいさつにキャスト全員で立ててうれしく思います。僕らは至って真面目にこの格好(『009』の衣装)をしておりまして、真面目に作品に取り組んでいます。新しいジョーを表現しようと仲間たちと一丸になって役作りをして、息を吹きこんできました」と述べ、観客を沸かせた。

002/ジェット・リンク役の小野は「宮野君も言ったとおり、キャラクターに息を吹き込むという行為がこれほど心地よいんだと実感できる作品でした。収録の際は監督が真摯に設定を語ってくれて、そのディスカッションがうれしくて楽しかった。もっと、もっとやっていたいアフレコでした」と充実したアフレコの様子を振り返り、続く003/フランソワーズを演じた斎藤は「新しい歴史を目撃していただけたらうれしいです」と自信を覗かせる。時間の都合によりキャストからは一言ずつの挨拶のみではあったが、ことあるごとにふざけあっている宮野と小野、そんな2人に「人の挨拶の途中なんだ!」と笑いながらツッコミを入れる大川、緊張のためか噛み気味な杉山に一斉に反応するキャストなど、終始チームワークの良さを感じさせる掛け合いがあり、観客もそれに負けじとリアクション。作り手と受け手の作品愛が随所に見て取れる舞台あいさつだった。

映画『009 RE:CYBORG』は現在、全国で公開中。