【レビュー】

iPhone 5の心臓部「Apple A6」の実力を検証する

1 Appleが多くを語らない「A6」チップとは?

 
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iPhone 5では、心臓部であるSoCが「Apple A6」に変更された。前モデルのiPhone 4Sに比べ2倍速く、2倍の描画性能を持ち、それでいてダイ面積は22%減少しているというこのSoC、果たして実力のほどは? ベンチマークアプリを使い、検証してみた。

新しいSoC「Apple A6」登場

iPhone 5のSoC(System On a Chip)には、iPhone 4Sの「Apple A5」から進化した「Apple A6」(以下、A6)が採用された。単純に考えて性能向上版だが、その背景にはAppleのチップ戦略が透けて見える。

iPhone 5の発表イベントで上級副社長のPhil Schiller氏は、「2x faster CPU」と「2x faster graphics」、そして「22% smaller」とA6の特徴を述べているが、チップ戦略を考える際注目したいのは後者の「22%小型化」されたこと。これは製造プロセスの微細化によるものと推測され、A5(iPhone 4S)やA5X(第3世代iPad)で採用されていた45nmから、32nmに変更された可能性が高い。

32nmという製造プロセスは今回浮上した話ではなく、第2世代のApple TVや、第3世代iPadの発売にあわせリニューアルされたiPad 2(第2世代iPad)ですでに実現されている。今回のA6では、製造プロセスの変更により小型化と消費電力低減、発熱の抑制を図り、小型化した面積の一部をパフォーマンス増強に充当したのだろう。消費電力低減については、液晶サイズの拡大とLTE対応で相殺される割合も大きいはずだが、小型化/薄型化の一方で最長225時間という連続待ち受け時間(iPhone 4Sは最長200時間)の達成は、これなくしては難しかったと考えられる。

iPhone 5の発表イベントで紹介された「Apple A6」。しかし、明らかにされた情報はわずかだ

A6における数々の変更の多くは、Apple独自の設計によるものと推測される。従来のA4やA5は、ARMの設計に若干の変更をくわえたカスタムチップの域を出なかったものの、A6ではチップサイズ減少や消費電力低減などの項目で、Appleの独自設計によるウェイトが増したことが見てとれる。2008年4月に半導体設計企業P.A.Semiを買収した効果が、いよいよ本格的に現れはじめたのだ。

iPhone 5のバッテリー容量は、iPhone 4Sと同じ1,432mAhが検出されている(画面は「System Status」)

当初、Appleが新iPhone向けに送り出してくるであろう新SoCは、Cortex-A15ベースと考えられていた。これは、Xcode 4.5で命令セット「ARMv6 ISA」のサポートが打ち切られ、結果的にiPhone 3G以前の機種が開発対象から外れたこと、浮動小数点命令への対応状況により他の選択肢がなくなることが理由だ。Cortex-A15は3命令デコードが可能と並列処理性能が改善され(Cortex-A9は2命令デコード)、パイプラインが深くなったためより高い周波数での動作が可能になった。これで、Appleが主張する「2x faster CPU」の説明もつく。

しかし、製造プロセスやGPUコアの数など詳細は公表されていないため、上述の事項は完全に証明されたわけではない。買収したP.A.Semiが省電力技術に長けた企業であっただけに、改良の成果はパフォーマンスだけではなく、バッテリーの持続力にも現れるはず。A6というSoCの性能は、これまで以上に多面的な切り口で検証する必要があるだろう。……続きを読む

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インデックス

目次
(1) Appleが多くを語らない「A6」チップとは?
(2) iPhone 5の演算性能を測定
(3) iPhone 5のGPUパフォーマンスを測定

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