【レポート】
NASAの火星探査機「キュリオシティ」は、火星表面の着陸に見事成功した。困難な着陸を成功させ、火星に生命が誕生できたかどうか調査を進めていくこの探査機がたどった、ドラマティックな軌跡を画像で追っていく。
2012年8月6日、NASAの火星探査機「キュリオシティ」は目標突入地点に向かって順調に、そして正確に進んで行っていた。そのため、管制官は最後の軌道修正を行わないことを決定。着陸の最後の瞬間の成否については、軌道船オデッセイにかかっていた。それは、オデッセイがキュリオシティの発信するデータを受信できるように、同機が火星着陸する前に、機体の向きを変える必要があるためだ。何らかの理由でこの方法が機能しなかった場合、キュリオシティの着陸は2時間以上遅れて確認されることになってしまうのだ。
そのような背景もありつつも、「キュリオシティ」は、火星表面の着陸に見事成功した。成功の瞬間、NASAのジェット推進研究所の管制室は歓喜の渦に包まれた。というのも、火星の大気から地表への降下には大胆な技術が必要であるためだ。
着陸の技術が高まったことにより、これまでの火星探査機が行ったよりも狭い範囲の着地エリアを設定することが可能となり、また、より重い観測機器を搭載することもできるようになる。このような革新技術が成功すれば、探査機を重装備の移動実験室としてこのミッションに適した場所に設置することができるだろう。同様の革新技術によって、火星への有人ミッションに必要な性能が進歩するのだ。
地球から36週間かけて火星に到着した「キュリオシティ」は、これから2年間にわたって火星探査を行っていく。その間、研究者はキュリオシティに搭載された各種の機器を駆使し、火星の環境が微生物にとって生存可能な状態だったのかどうかの調査を行っていく。
これはキュリオシティが初めて撮影した画像のうちの一枚である。キュリオシティには複数のカメラが基盤部分に搭載されているが、その中の1台についている魚眼広角レンズで撮影されたもの。
この画像から分かるように、初期の画像は解像度を低くしてあり、カラー画像は高解像度のカメラが起動する週後半より撮影が行われる予定になっている。
キュリオシティの魚眼広角レンズで撮影された画像で、解像度は最大解像度の二分の一である。カメラを保護する塵よけカバーが着陸の際にはじけて開いているが、その塵よけカバーを開けたバネが写真右下に部分的に見える(探査機の車輪付近)。
写真左上に探査機の電源が見えている。塵よけカバーをはずしたにもかかわらず、レンズ上に多少の塵があるようだ。
カメラは太陽の正面を向いているため、その光で白くなっている。太陽を直接撮影してもカメラには影響ない。写真上部を横切る線は、ブルーミングと呼ばれる、露出オーバーによって起こる現象である。
NASAの多目的探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」が、パラシュートを装着して火星の地表に降りていくキュリオシティの姿を撮影した。
マーズ・リコネッサンス・オービターはキュリオシティからのデータを受信しながら、高解像度カメラでこの画像を撮影した。パラシュートを装着したキュリオシティは白線で囲まれた枠の中央に写っている。
キュリオシティは、火星のシャープ山の北側に着陸しようとしているところだ。この画像はマーズ・リコネッサンス・オービターに搭載されているカメラ「HiRISE」が、キュリオシティの予定位置に合わせて着地の約1分前に撮影したものだが、この画像から、キュリオシティが予定位置よりわずかに東側にずれていることが分かる。この画像の撮影後間もなく、キュリオシティはパラシュートから切り離されている。
これは、火星に着陸した日の午後にキュリオシティが撮影した地形の初のカラー画像だ。画像の遠方にゲ―ルクレーターの北側の壁と淵が写っている。
画像が不明瞭なのは、キュリオシティが降下した際にカメラ「MAHLI」に吹き付けられた塵が、透明な塵よけカバーにもついてしまっているため。塵よけカバーを外した状態での撮影は、今後キュリオシティのロボットアームを点検する時に行われる予定だ。MAHLIの主要目的は、ゲールクレーターの岩や土を、高解像度かつクローズアップで撮影することだ。MAHLIは対象物から2.1 cmの距離で撮影することが可能である。
キュリオシティから届けられた火星地表の写真を、アナグリフで立体視できるように加工したもの。他の画像と同じく魚眼広角レンズで撮影されたものだが、ゆがみは補正されている。
ここ最近は家庭用テレビにも付属していることのある3Dメガネではなく、昔懐かしい左右に赤と青のフィルムがはめこまれた眼鏡をかけて見ると、キュリオシティの見ている火星の風景を追体験できる……かもしれない。
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