ゲームと聞くと、目が悪くなるに始まり、ネガティブなイメージを持たれることが少なくない。ゲームが健康や寿命に及ぼす影響は諸説ありそうだが、「ゲームで長生きする」と思っている人は少ないだろう。

だが、著名なゲームクリエイターのJane McGonigal氏はそう信じているようだ。McGonigal氏が英エジンバラで6月に開催された「TED(Technology Entertainment Design) Global 2012」でゲームによる「ヒーリング」についてスピーチを行った。

Mashableの記事「How Playing Game Makes You Live Longer(ゲームをするとどうして寿命が長くなるのか)」によると、McGongal氏はスピーチ中、ゲームがわれわれの精神と肉体をさらに健康にすることが可能であることを説明して見せたという。

McGongal氏がチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるSuperBetter Labsは、iOSアプリ「SuperBetter」を提供している。実はこのアプリ、McGongal氏が深刻な脳振盪後症候群を患い、ゲームや読書といったそれまで好きだったことができなくなってしまった経験の後に作成したというエピソードを持つ。当時McGongal氏の気分はボロボロだったようだ。「死にたい気分だった。そこで、これをゲームにすることにした」とMcGongal氏。

SuperBetterの画面

McGongal氏が最初に作った「Jane the Concussion Slayer」は、アナログベースで体を動かしたり、社交性を維持したりすることを目的とした課題を友人や家族にもらうというものだったそうだ。その後、モバイルゲームとしてSuperBetterが登場した。SuperBetterは回復力を強めるような課題を実行することで、心と体の健康を改善する。iTunes Storeではヘルスケア/フィットネスに分類されている。

「このゲームにより体、精神、感情、社交の4つの面を強くできる」とMcGongal氏は分析する。これらのことから、臨終の床で後悔することが多いと言われる「友達ともっと親しくすればよかった」「もっと自分を表現すればよかった」といった思いに対し、ゲームは回答となりうる、と結論付ける。そして、4つの面を強くするアクティビティを毎日継続することで、最大10年長生きできるという。

McGongal氏はこれを実証する詳細なブログ記事をSuperBetter Labsで後悔しているので、詳しく知りたい方はそちらを参照いただきたい。SuperBetterは無料で公開されているので、ぜひお試しを。