3月に入り、新入学・新入社などを前に期待に胸を膨らませている人も多いだろう。新生活をするに当たっては、家探しや引越しの手配などを行うと同時に、給料や仕送りを受け取るなどのために銀行口座を新しく開く場合がほとんどだ。では、どの銀行の口座がいいのだろうか? 今回は、『初めて持つならこんな銀行口座』と題し、「前編」「後編」に分け、いくつかの銀行の特徴を紹介したい。
新生銀行 - 「利便性の高さ」を大切に
新生銀行の「総合口座パワーフレックス」の特徴は、まずは高い利便性だ。「お客さまの資産をお預かりする銀行として、新生銀行では、お客さまがご自身の資産にいつでも自由にアクセスできる環境を大切にしたいと考えている」 (顧客開発部 近藤弥生氏)ため、ATMでの引出し手数料に着目し、同行やセブン銀行などのATM(日本全国約6万5,000台)の稼働時間帯であればいつでも手数料無料で引き出しできるようにしている。「新社会人になって忙しくなり、銀行の窓口に行くのが難しい人などにとっては、場所や時間を気にせず、例えばセブン-イレブンなどにあるセブン銀行ATMをご利用いただくことで、手数料無料でお引き出しいただける」(近藤氏)。
また、同行所定の取引条件を満たせば、他行宛てのインターネット振込み手数料が最大月10回まで無料となる。他行宛てネット振込み手数料については、同行との取引状況に応じて、月10回まで無料、月5回まで無料、月1回無料の3段階があり、すべての顧客が、最低月1回は無料となっている。家賃や旅行代金などの振込みのために、他行宛てネット振込み手数料を月5回まで無料で利用したい場合には、例えば、外貨預金や投資信託といった投資商品を月間平均残高30万円以上利用すると可能になる。加えて、初めて「総合口座パワーフレックス」を開設した人は、口座開設月を含む当初3カ月目まで、他行宛てネット振込み手数料が月5回無料となるので、その機会を利用して、口座の利用方法について検討するのも良い。
さらに、生活に余裕ができてからということになるかもしれないが、「2週間満期預金」というユニークな商品もある。これは2週間で満期が来るため、「今すぐ使うわけではないが、何かあったらすぐに引き出せるようにしておきたいし、少しでもおトクに預けておきたい」というニーズに応える商品となっている。同預金には、店頭や電話では100万円以上から、ネットでは50万円以上から預け入れることができる。近藤氏によると、同商品はリーマン・ショック後の「世界経済が不透明で目先の資産運用を考えるのはなかなか難しいけれども、せっかく銀行に預けるなら少しでもおトクに預けておきたい」という顧客から大変好評で、2009年6月の発売から1年半ほどで残高1兆円以上に達しているという。
同行では、「新生ステップアッププログラム」という顧客向けのサービスプログラムの中で、顧客の取引状況に応じて、「新生プラチナ」「新生ゴールド」「新生スタンダード」の3つのステージを用意し、ステージに応じて優遇サービスを提供している。新社会人に検討をお薦めするのは、例えば、外貨預金や投資信託などの投資商品の月間平均残高30万円以上の利用といった取引条件を満たすことで対象となる「新生ゴールド」。「『新生ゴールド』には、他行宛てネット振込手数料が月5回無料といったサービスのほか、取引しやすいおトクな預金金利や為替手数料など、資産運用に関するサービスも含まれるので、『外貨預金を始めてみようか』などと資産運用を検討するきっかけにしてもらいたい」(近藤氏)。新社会人としてボーナスが入るタイミングで、「新生ゴールド」のサービスに触れる機会に接することができそうだ。
新社会人にとって魅力的なサービスはこれだけではない。ウェブサイトやメールを通じて、各種キャンペーンの情報や経済・投資商品について学ぶことができるコンテンツも提供している。例えば、不定期実施ではあるが為替手数料がお得になる「為替手数料ディスカウントタイム」などの情報を実施直前に顧客にメールで送付するするなど、資産運用を検討できるさまざまなきっかけを提供している。
キャッシュカードが32色から選べるのも特徴。各キャッシュカードにはそれぞれ名前と詩が付いており、こちらも関心を呼んでいるという。
ソニー銀行 - 「夢と希望を実現する道具箱」
ソニー銀行の口座を開設するメリットは、主に2つある。「お金の出し入れがしやすい」点と、「お金を育てていくことができる」点だ。お金の出し入れのしやすさの面では、同行はネット銀行なので、ATMのネットワークと提携するという形で現金の入出金が可能となっている。提携ATMネットワークとしては、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、ゆうちょ銀行、セブン銀行、ローソン、イーネットがあり、まず入金には手数料はかからない。出金に関しては、セブン銀行は何度でも無料、その他はあわせて月4回まで無料となっており、時間内か時間外かは関係ない。「色々なライフスタイルの人がいらっしゃるので、郵便局でもコンビニでも、様々なところで入出金ができる」(マーケティング部 マーケティング・オフィサーの河原塚徹氏)のが特徴となっている。
また、他行宛の振込手数料が月1回無料のため、新社会人になった際の家賃の振込みなどにも便利。「新生活を始める上では、手数料の節約がすごく重要なので、お金の出し入れの手数料にはこだわったほうがいい」というのが、河原塚氏のアドバイスだ。
「お金を育てていくことができる」点では、積み立て定期を用意しているのがソニー銀行の特徴。少額(1,000円~)から定期預金の有利な金利が利用できるので、徐々に資産を増やしていくことができる。「社会人になってすぐ大きなお金を運用するのは難しいと思うので、まずはコツコツ積み立てるところからはじめてはいかがでしょうか」(河原塚氏)としている。
さらに、お金を育てるという点では、「ほしいもの貯金箱」というサービスがある。一つの口座に目的別に5つのバーチャルな貯金箱を作れるので、例えば、旅行用で10万円という目標額を決めて、お金を旅行用の貯金箱に振り分けて貯めることが可能。これなら、お金を貯めている目的が明確になるので、「よく使われている人気のサービス」(同氏)となっている。貯金箱には「見張り番」としてポストペットを設定することもでき、励ましたりもしてくれるので、楽しみながら目的に向かって貯金することができるようになっている。
スマートフォン向けアプリ「カンタンおこづかいメモ」も用意。iPhone向けとAndroid向けがあり、いわゆるお小遣い帳の機能を持つアプリケーションとなっている。日々何にお金を使っているかを記録することができ、日常生活の中で、お金の動きを認識することができる。
河原塚氏は、「お金は、貯めることだけが目的ではなく、お金を使って何をするかが大切なので、当弊社のサービスをうまく使って、夢や希望を実現してほしい」と話している。
なお、ソニー銀行は3月1日より、キャンペーン「【ソニーグループPresents「フレッシャーズ最大1万人に1万円をプレゼント!」応募者のかたなら】ソニー銀行口座開設で現金1,500円プレゼント!」を実施。
同キャンペーンでは、期間中、ソニーグループの4社(ソニーマーケティング、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ、ソニー・コンピュータエンタテインメント、ソニー・ミュージックエンタテインメント)が実施するキャンペーン「フレッシャーズ最大1万人に1万円をプレゼント!」に応募し、かつ同行口座を開設した顧客全員に現金1,500円を贈呈する。
住信SBIネット銀行 - 「SBI証券との連携に強み」
住信SBIネット銀行は、ATMの手数料や預金の金利、SBI証券との連携という点で強みのある銀行だ。まず手数料については、セブン銀行であれば、24時間預入れも引き出しも無料。ローソン、ゆうちょ銀行、イーネットに関しては、月5回まで引出し手数料は無料で、預入れは回数制限なく無料となっている。このサービスは口座を保有する全ての顧客に適用されるため、「非常に好評」という。
また、ネット銀行ならではの強みを生かし、預金の金利が高いのも特徴となっている。定期預金の金利が、3カ月で年0.45%、6カ月・1年が年0.35%となっており、「他行と比べても競争力のある商品だと思っている」(マーケティング推進部の村瀬亮太氏)。また同時に、外貨預金の金利も高いのが特徴で、豪ドルは3カ月年5.1%、米ドルは1カ月・3カ月で年1%という金利で提供している。
SBI証券と同じ、SBIグループに属することで得られるメリットもある。SBI証券と連携した「SBIハイブリッド預金」があり、その預金をSBI証券の資金決済代金とすることができるのだ。通常の株取引だと、証券会社にお金を振り込むとか、店頭に預けるなどの必要があるが、「SBIハイブリッド預金」だと、銀行の預金をそのままダイレクトに株式の買い付け代金にすることができる。
資産運用を考える新社会人らにとっては、「預金、投信、株式、債券の中から自由に自分のポートフォリオを考えて資産運用ができる」(村瀬氏)のだ。
さらに、決済業務に力を入れているのも住信SBIネット銀行の特徴。クレジットカードでの引き落としができるサービスの拡大を進めており、「通常の生活資金の口座として使えるようになっている」(同氏)。
口座開設も簡単にできるようになっており、オンライン口座開設だと、Webサイトで必要事項を入力すると郵送物が同行から送られてくるようになっており、その郵送物を受け取ることで口座がそのまま開設できるようになっている。
村瀬氏は、「新社会人になってライフプランニングをする上で、手数料や金利、商品ラインナップを見極めて、自分にとって最も適性がある口座を選んでほしい」と述べている。
セブン銀行 - 「取引内容に応じて、電子マネー『nanaco』のポイントも付く」
上記に挙げた銀行の中でも名前がたびたび出てきたセブン銀行。その口座を持つメリットは、やはり、セブン-イレブンで原則24時間365日利用できることだ。全国に広がるATMの数は、すでに1万6,000台を超えている。ATM引出手数料は、平日だけでなく、土日祝日も含めて、朝7時~夜7時までの日中が無料となっている。
また、セブン銀行の口座を使うメリットとして、取引内容に応じてnanacoポイントが付くのも大きな特徴だ。通常nanacoポイントは買い物で貯まるものだが、「金融サービスでポイントが貯まるということで、好評」(商品サービス部 調査役の小笠原真吾氏)という。例えば、給与(賞与含む)振込で初回500ポイントが付くほか、振込入金、振込出金、クレジットカード引き落としなどの口座振替でそれぞれ1件あたり10ポイントが付く。取引きによっては、ポイントが付く上限回数が決まっているものもあるが、月間最大1,500ポイントまで付与されるようになっている。
ポイントサービスは、電子マネー『nanaco』に入会し、セブン銀行のインターネットバンキングでnanaco番号を登録しておくだけで利用できる。最初に登録しておけば、取引内容に応じ、自分でも気が付かないうちにnanacoポイントが貯まっていくので、大変おトクなサービスだ。
セブン銀行の口座サービスのコンセプトは、"気軽、便利、おトクな、おサイフがわりの口座"だ。小笠原氏は、「社会人になりたての時は買いたいモノもたくさんあるので、ついつい使い過ぎてしまいがち。おこずかいとして使える金額をセブン銀行の“おサイフがわりの口座”に入金しておき、ちょこちょこ引き出して少しずつ使うことがオススメ」と話している。
セブン銀行は、「セブン-イレブンにATMがあったら便利なのに…」という買い物客の声によって生まれた顧客目線の銀行だ。そのため、一般的な銀行よりもずっと身近に感じられ、若い世代でも気軽に口座開設ができる。
小笠原氏も「口座を持ってもらえば、その便利さを実感してもらえます。街にたくさんあるセブン銀行のATMなら、日々忙しい新社会人も貴重な時間を有効に使えます。」と話している。尚、セブン銀行の口座開設はインターネット、またはセブン-イレブンのATMに備え付けられている口座開設申込書などで申込み可能だ。
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