新年は仕事に関する目標を立てるのに絶好の時期だ。「これをしよう」「あれをしたい」、目標は人それぞれだろうが、今年は「しない」目標を立ててみてはいかがだろう?

Harvard Business ReviewのコラムニストであるDorie Clark氏が、1ヵ月の休暇の後に思い至ったという「2012年にやめるべき無駄な5つのこと(原題:Five Things You Should Stop Doing in 2012)」というコラムを発表しているので紹介したい。「惰性でやっているがよく考えると不要な習慣がある」とClark氏。さて、5つ習慣のうち、同意できるものはいくつあるだろうか?

(1)分刻みでの電子メールのチェック――90分は待てるはず

電子メールを数分おきにチェックするという人は多いだろう。上司にそうするよう教えられた人もいるかもしれない。デスクに座っている時はもちろん、外出中でもメールを数分おきにチェックする癖がついている人もいそうだ。

しかし、メールを受信すると急ぎではなくてもすぐに返信しなければと気になってしまうのであれば、ちょっと考え直したい。電子メールに時間をとられすぎてはいないだろうか? 作業の途中でもメールが気になって集中力が途切れるなど、大事な仕事がおろそかになっていないだろうか?

Clark氏は、実際のところ緊急に返信を要するメールはほとんどなく、「メールは90分おきにチェックする程度で大丈夫」としている。

(2)何気なく続けてきた習慣――本来の目的を考えてみよう

誰しも一つや二つ「深い考えもなしに習慣だから」とやっていることがあるだろう。Clark氏が挙げたのは、休暇中に職場の同僚たちに送るホリデーカードだ。目的が挨拶なら、「電話をする」「直接会う」などもっと効果があることをしてはどうかと提案している。ホリデーカードの交換は日本ではあまり行われていないが、探せば日本独自のムダな習慣もありそうだ。

(3)雑誌新聞の定期購読――本当に必要?

面白かったり、ためになったりするわけではないが、ひょっとして大事な情報があるかもしれないと思って購読している雑誌や新聞があれば、ぜひとも見直したい。Clark氏は1ヵ月の休暇の後に、「雑音に過ぎない雑誌」と「ぜひとも読んでおきたい雑誌」の区別をつけたと報告している。購読料金もバカにならない。この際、惰性で購読していると思える雑誌や新聞は整理してはいかがだろうか?

(4)価値のない仕事――金額よりも価値ある仕事を

金額や安定性がある契約は確かに魅力的だ。だが、その契約は自分のキャリアにとってプラスになるものかあらためて考えてみたい。どう見ても不要な仕様書やレポート作成を要求されるなどの納得のいかない作業を伴う場合、あるいは、取引先との関係や契約内容が大きなストレスとなる場合、その仕事はあなたにとって「価値のない仕事」と言える。Clark氏はビジネスでもプライベートでも、自分にとって価値があるかどうかを基準に決定しているという。

(5)完璧な計画――シンプル第一

プロジェクトを立ち上げる時、多大な時間を費やして綿密に計画を立てるよりも、粗い計画を作ってまずはやってみるほうがよい。「本当に需要はあるのか」「ニーズは何か」、時には周囲や市場を調べたり、テストしたりしたほうがプロジェクトを進めやすいことがある。最初からガチガチに固めるのではなく、シンプルかつ柔軟にいきたいものだ。

これら5つの「しない」目標により、「年に数百時間は節約できるだろう」とClark氏。浮いた時間を効率良く使い、2012年はパフォーマンスを高めてストレスの少ないビジネスライフを目指したいものだ。