就職情報サイトのCareerBlissがこのほど、「全米で従業員が最もハッピーな企業ランキング(Happiest Companies in America Awards for 2012)」を発表した。今年のトップは、世界的なホテルチェーンのHilton。同調査から、米国人にとって働きやすい企業と報酬がイコールではないことがわかった。
同ランキングは毎年発表されているもので、米国の約10万人の労働者に自分が勤務する企業をさまざまな点から評価してもらい、集まったデータを基にスコアをつけたもの。評価項目には、ワークライフバランス、上司や同僚との関係、労働環境、報酬、企業の将来性、社風、会社の知名度などがある。
今年のトップは、日本を含めワールドワイドでホテルを展開している「Hilton Worldwide」。昨年はトップ50圏外だったが、4360のスコアでトップとなった。第2位は設計・調達・建設管理(EPCM)のFluorで、シニアマネジメント、報酬や手当てが高く評価されたようだ。第3位は、昨年もトップ10入りしていたJohnson & Johnsonで、ワークライフバランス、手当て、会社の知名度など総じて高い評価を受けている。
第4位以下は、小売業のNordstrom、化学業のBASF、建設業のCentex、アメリカ空軍、金融のFidelity Investments、通信機器のEricsson、石油業のChevronの順となっている。
トップ50社中、通信分野からは、Qualcomm(第14位)、Apple(第15位)、IBM(第23位)、Intel(第35位)、Texas Instruments(第37位)、Avaya(第50位)などがランクインしている。興味深いのは、ITコンサルのTata Consultancy Services(第16位)、Wipro Technologies(第26位)、Infosys Technologies(第40位)とインド企業が3社入ったことだ。
トップ3の平均年間報酬を見てみると、Hiltonが5万7,970ドル(約452万円)、Fluorが8万7,589ドル(約683万円)、Johnson & Johnsonは8万1,850ドル(約638万円)となっている。第4位のNordstromは3万9,984ドル(約312万円)で、トップ50中3番目に低い。これより、改めて報酬が高いことと労働の満足感がイコールではないことがわかる。CareerBlissでは、主としてシニアマネジメント、同僚、企業が従業員の成功のために提供するツールや環境が従業員の幸せに影響していると分析している。
なお、昨年のトップだったGoogleだが、今年はトップ50に入っていない。GoogleのライバルのMicrosoftも、昨年32位から今年は圏外となった。CareerBlissの担当者は、Googleについて、「優秀な従業員を巡って競争が激しくなっており、競合が人員獲得を強化するなかで従業員の満足度に影響が出ているようだ」とコメントしている。