――今回のイラストは、第1弾、第2弾と比べると少々トーンが違いますよね

稲垣P「作品が続けば、いつか亜方さんにお願いしたいという思いもあったのですが、それ以上に、ちょっと違う方向で攻めてみたいという気持ちがあったんです。第1弾、第2弾と、すばらしい女性イラストレーターさんに、すごく繊細で可愛らしい絵を描いていただきました。それはそれですごく良かったと思っているのですが、男性としてはもうちょっと"萌え"の要素もほしいかなと。真夜中に観ていただく方はそのあたりも期待しているのではないかと、私自身の期待も含めて(笑)、今回は亜方さんにお願いすることにしました」

――よくわかります(笑)

荒浪「すごく、わかりますね(笑)」

稲垣P「(笑)。一言ですばらしい絵といってもいろいろな方向があると思うんですよ。なので、せっかく第3弾ができるので、第1弾、第2弾とはまたちがった方向性のイラストレーターさんに描いていただきたかったんですね。また、『ドラゴンクライシス!』では私から小説の元となるアイデアを出したりもしていたのですが、そこで見せてもらった亜方さんの絵がすごく魅力的でしたので」

――それで今回は亜方さんにお願いしたわけですね

稲垣P「椋本さんの絵も椎名さんの絵もすばらしかったのですが、亜方さんにも、とてもすばらしい絵を描いていただけたと思っています。"萌え"という点はもちろんですが、何よりも構図の取り方、画面の構成が本当にすばらしいんです。本来、"萌え"の絵と構図の巧みさ、大胆さはマッチしにくいと思うのですが、それが不思議なくらいマッチしている」

――女の子の可愛さはもちろんですが、背景の描き込みもすごいですよね

稲垣P「背景もすべて亜方さんが描いてくださっているのですが、普通ならありえないはずの構図が、すごく魅力的に見える。これは本当にすごいことだと思うんですよ。"萌え"という意味でも大満足なのですが、1枚のイラストとしてもすばらしい作品に仕上げていただけたと思っています」

――ちなみに、荒浪さんは初めてこのイラストを観たとき、どのような印象でしたか?

荒浪「第一印象は可愛いの一言ですね。本当に私の好みが詰まっている女の子なんですよ。髪の毛の量から、マフラーの巻き方、足の組み方まで。あと、ちょっと気の強そうな女の子が大好きなんですよ。小悪魔というか……翻弄されてみたいんです、私(笑)」

――翻弄されたい?

荒浪「翻弄してほしいですね(笑)。もう絵を観た瞬間から、設定資料をみなくても性格がわかるぐらいドンピシャで、もう最高だなって思いました」

――この女の子は生徒会長という設定になっていますが(※)、荒浪さんはこういったタイプの女の子を演じることが多いような気がします

荒浪「そうですね。(『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!』の)近藤さんもクラス委員でしたし、『けんぷファー』でも「会計さん」でしたから(笑)。生徒会というのも好きなんですよ、ちょっと特別っぽいので」

※) 今回の女の子には、「高校1年生ながら生徒会長」「お嬢さま」「中学のころは海外生活」などの設定があらかじめ用意されている。

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