10月19日~21日の3日間、東京ビッグサイトで危機管理産業展2011(主催:東京ビッグサイト)が開催されている。東日本大震災のあとだけに注目度も高い。ここでは、そこで展示されていた製品をいくつかピックアップして紹介しよう。

ノートPCで20時間利用可能な畜電源

センチュリーは、600Wの畜電源「停電の見張り番 BLACKOUT GUARD」を参考展示。150Wの32型液晶テレビで7.5時間、50WのノートPCで20時間、スマートフォンであれば50回のフル充電が可能だという。フル充電時間は約30時間で、ラジオやLEDライトも装備。ACコンセント×1のほか、出力用のUSBポートもある。外形寸法はW482×D153×H292.3で重量は15kg。2012年1月に発売を予定しており、価格は15万円程度を想定しているという。

「停電の見張り番 BLACKOUT GUARD」

携帯充電用のUSB端子を備えた手回し充電機

ZUCは、ソーラーパネルと手回し充電機能を備えたソーラー防災ライト「防災くんII」を展示。ソーラーパネルの場合、晴天時約8時間の充電で、照明が約10時間使用可能。満充電では30時間利用できるという。手回し充電の場合は約5分間(150-180回転/分)の充電で約1時間のライトの使用が可能。LEDライトは3Wで、ラジオも搭載。NTTドコモ、au、ソフトバンクの携帯用アダプタも付いている。

「防災くんII」

メテックスは、手回し専用の多機能ランタンを展示。こちらもラジオ付きで携帯電話の充電機能を備えている。ランタンは3分間まわすとライトが60分間点灯するという。携帯は3分間まわして10分間利用可能になる。なお、携帯用アダプタも付属している(一部未対応の機種がある)。重量は600gで価格は3,990円。

「手回し専用の多機能ランタン」

社員安否確認システム

震災時、社員の安否確認は重要なテーマだろう。NTTコムウェア東海は、社員安否情報システムを展示。このシステムは、登録された社員とその家族の安否を、メールおよび音声で確認できる。また、避難場所を指示するなどメッセージも送信できる。応答は、音声の場合、質問に対してボタンを押すことによって、メールの場合、送られたURLにブラウザでアクセスすることで行う。未回答の社員のみ再度、安否確認を行うことも可能だという。iPhoneやAndroidのスマートフォンにも対応する。

安否情報の登録画面

安否確認情報の一覧

遠隔地へのエリアワンセグ放送

NHKアイテックは、遠隔地へエリアワンセグ放送による防災情報番組を届ける伝送設備を展示。地方自治体向けのもので、各種災害情報を提供する。市役所などからワンセグ番組を避難所などに送信し、避難所では、受信した番組を周辺約800m程度のエリアの住民に対して、ワンセグで提供する。避難所にある送信機は、SDメモリーカードを備え、受信した放送を保存してエンドレスで流すこともできる。5GHz無線LANを活用しており、市役所と避難所では8km程度の通信が可能だという。

受信したワンセグ放送。一般の携帯で受信可能

避難所等に設置するエリア限定ワンセグの送信機(地上デジタル変調器)

自治体向けの災害対策ソリューションでは、NTTコムウェアが防災対策ソリューション「タンジブル防災シミュレータ」を展示。これは、災害が起こった場合に、どの程度の被害が想定されるかを、地理情報システムをベースにシミュレーションし、避難場所の適正配置や通行禁止区域のプラン策定といった減災対策の検討を行うためのシステム。

タンジブルによって映し出された地図。デジタルペンを使って自由に書き込むことができる

表示用のプロジェクタ

短焦点のプロジェクタを利用しテーブルに映した「センステーブル」を操作画面として、タッチペンを利用して描いていく。地図はレイヤ構造になっており、グラフ表示も可能。価格はサーバも含め1,000万円程度だという。

負傷者数などを入力し、地図上で表現することが可能

グラフ表示もできる

大日本印刷(DNP)は、地デジとインターネット回線を併用して、デジタルサイネージ機能付きの自動販売機の実物を展示。この自販機はダイドードリンコと共同開発したもので、10月25日から、産業技術大学院大学(東京都品川区)にて実証実験を開始する。

デジタルサイネージ機能付きの自動販売機

また、ダイドードリンコは、エレベータ用の簡易トレイを展示。これは、エレベータ内の常設しておき、災害時にエレベータが長時間停止した場合、閉じ込められた住民が利用する。なお、ダイドードリンコでは、同社の自販機を設置した施設には、無料で配布するキャンペーンも実施しているという。

エレベータ用の簡易トレイ。左が常設時、右が組立時