NTTドコモから発売されているAndroid搭載タブレット「Optimus Pad L-06C」向けのバージョンアップファイルが8月10日より提供されている。同バージョンアップを利用することで、発売時のOSであるAndroid 3.0からAndroid 3.1にアップデートできるほか、さまざまな機能が追加された。本稿では、Android 3.1にアップデートしたOptimus Pad L-06Cの使い勝手を紹介する。

Optimus Pad L-06C

Android 3.1にするとどこが変わる?

Android 3.1は、初代Android 3.0に対するマイナーバージョンアップの位置付けとなり、「Honeycomb」の名称は変わらない。バグ修正に加えて、いくつかのバージョンアップが施されている。Android 3.1にバージョンアップすることで、ウィジェットが改善され、自由にサイズ変更可能になるほか、マルチタスク画面のスクロールに対応。このほか、各種デバイス向けUSBサポート機能が追加され、マウス、キーボード、ジョイスティックの利用や、デジカメの写真取り込みなどが可能になる。

Optimus Padは、8.9インチ1,280×768(ワイドXGA)液晶を搭載したAndroidタブレット。3Gも内蔵しており、外出先でも自宅でも快適に大画面で利用できる

本体背面には2つのカメラを装備し、赤青のアナグリフ方式またはサイドバイサイド方式での3D撮影も可能

本体底面にはUSB端子とミニHDMI端子を備え、テレビに接続して大画面でゲームなどを楽しむことも可能

本体側面にはスピーカーや電源ボタンなどが配置される

便利なアプリケーションを追加

Android 3.1へのバージョンアップ以外では、新たなアプリが追加される。追加されるのは、Adobe Flash Player 10.3、楽天オークション、Twonky Mobile Special、Catalyst Mobile Reader、Movie Studio、LG Worldといったアプリだ。

そのうち、Flash Player 10.3は、通常のAndroid Marketからのアプリ更新で旧Optimus Padでもバージョンアップが可能。楽天オークションは、基本的には同サイトへアクセスするためのリンクとして機能する。

OSアップデート語のアプリパネル。いくつかのアプリが追加されている

Twonky Mobile Specialは、ホームネットワーク上でメディア共有を行うためのアプリ。DLNAクライアント・サーバーとして動作し、Optimus Pad内のメディアコンテンツをテレビに表示したり、PC内のコンテンツをOptimus Padで閲覧したりといったことが可能だ。操作は簡単で、Twonky Mobileのサーバーは自動的に起動し、テレビやほかのDLNA対応プレイヤーで操作してOptimus Padのコンテンツをワイヤレスで再生できる。クライアント側は、アプリを起動し、接続したいDLNAサーバーを指定するだけで、簡単にサーバー側の音楽、ビデオ、画像を再生できるようになる。

Twonky Mobile Special。DLNAを使ってテレビにコンテンツを配信したり、Optimus PadでPCのコンテンツを視聴したりできる

Catalyst Mobile Readerは、さまざまなオフィス文書を閲覧できるビューワーアプリ。Microsoft Word/Excel/PowerPoint、PDF、テキスト、画像といったファイルを閲覧可能で、WordやExcelなどの書式も比較的正確に表示してくれる。

ドキュメントビューワーのCatalyst Mobile Reader

Movie Studioは、Google謹製の動画編集アプリ。手軽に動画の編集が可能で、Optimus Pad上で撮影した動画や画像、保存してある音楽などを組み合わせて簡単に新しい動画が作成できる。大画面で編集でき、最終的にHD動画の出力も可能だ。

ビデオ、画像、音楽を組み合わせて動画が作成できるMovie Studio

LG Worldは、Optimus Pad L-06Cの開発元であるLGが提供するアプリや動画コンテンツのダウンロードを行うことができる。利用にはLGの会員登録が必要だ。

ゲームや動画を配信するLG World

バージョンアップでパフォーマンスも向上

Optimus PadがAndroid 3.1にアップデートされたことで、いくつかバグも修正されている。その中でも、グラフィック周りのアップデートは大きなポイントだ。AnTuTu Benchmarkで計測したところ、3.0ではTotal scoreが4528、CPU integerが1143、CPU float-pointは1039で、3.1ではTotal scoreが4717、CPU integerは1168、CPU float-pointが1025となり、Total scoreを除くとあまり大差はない。大きな差があったのが3D graphicsで、3.0の747に対して838に向上。2Dでは大きな差はないが、3Dグラフィックスの表示能力は向上している。ちなみに、1920×1080のフルHD動画をHigh Profile、Main Profile、Baseline Profileで4MbpsのビットレートのMP4ファイルに変換し、転送したところ、いずれも音ズレもなく、無事に再生できた。3.0では動画再生周りでも問題があったので、この辺りも解消されているようだ。

今回のバージョンアップでは、アプリの追加に加えてパフォーマンスも向上しており、従来の問題点が解消されていることから、そうした心配があった人でも、安心して利用できるようになった。

Android OSは、定期的にバージョンが上がっており、その新バージョンが各端末向けに提供されるかどうかは、メーカーと携帯キャリア次第ではある。現時点でHoneycombの最新バージョンはAndroid 3.2になっており、今後Optimus Padもバージョンアップが行われる可能性もある。

また、今後はコード名「Ice Cream Sandwitch」がリリースされる予定で、こちらのバージョンアップが行われるかは分からないが、こうした機能強化は従来のフィーチャーフォンにはなかったことであり、各社の対応には期待したい。