東芝 代表執行役社長の佐々木則夫氏

東芝は5月24日、都内で会見を開き、同社代表執行役社長の佐々木則夫氏が2011年度の経営方針の説明を行った。

佐々木氏は冒頭、自社の状況を「リーマンショック直後といっても良い2009年6月に社長に就任したが、ようやくリーマンショック以前の状態にまで戻ってきたと思っている」と述べ、事業の好調さを強調した。

また、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の復興支援について、「まず第一に社会インフラの復旧に全力を投入している」と表現。東京電力(東電)福島第一原発は未だに厳しい状況が続いているとし、地震発生直後から専門の対策チームを設置し、対策を立案するほか、子会社のWestinghouse Electric(WH)や米国の原発関連パートナー企業を含め1900名体制(内400名、累計で1200名超の技術者・作業員を現地に派遣)での技術支援を行っており、「長期的な問題となることは承知しており、スリーマイル島原子力発電所事故の経験を生かして、東電に総合マネジメントプランの提出などを行っている」とした。

さらに、近々の問題となる電力不足に対応するために火力発電所の早期復旧、運転再開に向けた100名の対策チームによる支援により2011年夏までに約1000万kWを復旧させることをコミットメントしていることを強調した。

このほか、被災地向けの復興支援も「仕事が無ければ復興なし」として、仕事を作るという意味での漁船26艘の南三陸町への発注やコールセンターの増員など各種の協力を進めているほか、節電対応として、15%+αの実現に向けて「全社あげてやっていく」ことを改めて強調した。

2010年度(2011年3月期)の決算概要などについては、すでに発表されているとおりだが、ポイントは全セグメントで黒字化を達成し、リーマンショック以前の水準に回復。特に売上高、営業利益、税引き前利益、純利益ともに前年度比で1000億円以上の改善による増収増益を果たしたほか、株主資本比率も同1.5ポイント改善の16.1%、D/Eレシオも25ポイント改善となる125%となり、財務体質の健全化も進んだが、そこについては今後、さらにしっかりと行っていくとした。

2010年度の決算ハイライト