列車を使った旅行や出張と言えば駅弁は外せない。駅弁が買えると思うとウキウキしてくるが、店舗にはおびただしい数のお弁当が並んでおり、これから1つだけ選ばなければならないと思うと迷ってしまう。

おそらく、日本の中心である東京駅は最も駅弁を買う人が多いと思われるが、その分店舗や駅弁の数も半端ではない。さらに、東京駅ではここ数年拡張工事が行われており、日に日に新たなショッピングモールや店舗が増えている。きっと、これまで東京駅を使い慣れた人でもどこに何が売られているのか把握できない状況ではないだろうか?

そこで、以下では、ビジネスマンの皆さんが東京駅で好みのお弁当を短時間で入手できるよう、構内の駅弁を販売している日本レストランエンタプライズの広報室長の近藤昌昭さんがオススメするお弁当を紹介しよう。

1月発売開始で販売数限定の「E5系はやぶさ弁当」

トップバッターは発売が開始されたばかりの「E5系はやぶさ弁当」だ。この弁当は今年3月から運行を開始するE5系新幹線列車の「はやぶさ」にちなんだものだ。もともと昨年12月に青森で販売が開始された弁当で、東京で販売が始まったのは今年1月からとのこと。

東京で販売される個数も青森に比べて少ないそうで、午後には売り切れてしまう日もあるそうだ。よって、はやぶさ弁当を目にした時は買っておいたほうがよいかもしれない。

中身はというと、アメリカンドック、オムレツ、エビフライ、フライドポテト、ハンバーグ、ウインナーと子どもが喜びそうなものが網羅されている。ちなみに、写真ではご飯が隠れているが、チキンライスになっていてなかなか美味しかった。お値段は1,150円だ。

マニアからすると、青森新幹線「はやぶさ」を模したパッケージはたまらないだろう

中身はエビフライにハンバーグとまるでお子さまランチのようだ

2月末までしか食べられない「吹き寄せ弁当 冬の彩」

次は、冬季限定の弁当「吹き寄せ弁当 冬の彩」を紹介しよう。日本レストランエンタプライズでは四季折々の弁当を販売しており、冬の彩は2月末までの販売予定となっている。「○○限定」という言葉に弱い人はつい選んでしまう弁当かもしれない。また、出張の際などに頻繁に東京駅で弁当を買う人にも季節限定商品は有難いだろう。

裕福な方は別だろうが、ランチと同様、弁当の予算は「1,000円程度にしたい」と思っている人が大半ではないだろうか? 実のところ、弁当の世界でも1,000円が1つの境界線だそうだ。つまり、1,000円を超えると"高級弁当"の部類に入るというわけだ。

したがって、価格が1,300円の冬の彩は高級弁当に当たる。どこが高級かというと、あんこうや蟹など、まず食材が豪華だ。さらに、これらの食材は"ミニ懐石風"ということで、懐石料理として仕立てられている。めぼしいおかずを挙げると、「蟹爪焼」「あんこう唐揚」「蟹ご飯」「鱈の南蛮漬焼」といった具合だ。監修は和惣菜・折り詰めで有名な「日本ばし大増」の総料理長横山勉氏が行っており、本物の味である。

冬の彩に限ったことではなく、日本レストランエンタプライズのすべての弁当に共通していることなのだが、弁当が冷めた状態でも美味しく食べられるよう、さまざまなノウハウが駆使されている。

普通、ご飯は冷めたら硬くなるし風味が落ちる。そこで、同社では炊き立てのご飯を急速に冷ましたりすることで、お弁当に適したご飯を実現している。実は、消費期限ギリギリの時刻に冬の彩を食べてみたのだが、ご飯はもっちりとしていて美味しかった。

もっとも、冬の彩は秋田県産有機認証米「あきたこまち」という由緒正しきお米を使っているからかもしれないが。

ちなみに、煮物にもノウハウが隠されているのだが、説明は後に譲りたい。

ミニ懐石風の「吹き寄せ弁当 冬の彩」。おしながきもちゃんと入っている

「蟹ご飯」に「蟹爪焼」と、冬の名物・蟹の存在感が大きい