これまでとは違った顧客層を - ヤマダ電機のAppleショップ全国展開への意欲

ヤマダ電機は、9月23日にテックランド横浜泉店にAppleショップをオープンしたのを皮切りに、年内に30店舗において、Appleショップをオープンする。まずは、関東エリアに4店舗をオープン。9月25日には、テックランド久喜店およびテックランドNew松戸本店、10月9日にはテックランドNew港北センター店にそれぞれオープンした。

このほど、オープンした同店Appleショップのうち、テックランドNew港北センター店のAppleショップを訪ねた。

Appleショップは、アップルとの協力関係のもと、ショップ・イン・ショップ形式で展開しているアップル専門売り場。専用の展示什器、相談コーナー用カウンター、カーペットなどを使用。一般的なPC売り場の雰囲気とは異なる落ち着いた環境で接客ができる構成としているのが特徴だ。

また、専門スタッフによる接客や、ワークショップやデモストレーションーを実施。すべての展示機種をネット接続環境にするなど、実際に触れる環境としている点も他の売り場とは異なる。

これまでに、ビックカメラ、ケーズデンキ、ヨドバシカメラ、コジマ、エイデン、デオデオ、ベスト電器がAppleショップを展開しており、北海道から九州までに出店している。このほど、ヤマダ電機が新たに30店舗のAppleショップを出店することで郊外店にも広がることになる。

ヤマダ電機テックランドNew港北センター店は、神奈川県横浜市都筑区にある店舗。横浜市営地下鉄のセンター北駅から徒歩8分の距離にあるが、自動車での来店が多いのが特徴。ファミリー層の来店も目立つ。

同店 池田弘樹副店長は、「iPhoneやiPodの人気もあり、Macの購入を検討するお客様が増加しており、さらに、iPadにも高い関心が集まっている。今回のAppleショップのオープンによって、Mac売り場は、従来に比べて4倍の規模に拡大し、地域トップクラスの品揃えを実現した」とする。

Appleショップの特徴は、初心者からMacの専門知識を持つユーザーにまで対応できるように、専門スタッフを配置している点にある。「これまで近くにMacをゆっくり触ることができる店舗がなかった。初めてMacに触るという人も多く、その点では、Appleショップの展開によって、Macにじっくりと触っていただける売り場ができた」とする。

セミナーが可能な専用カウンターでは、iPhotoによる写真の活用を中心としてデモストレーションを随時行うほか、iMovieやGarageBandを利用したセミナーなども予定している。「ファミリー層が活用するシーンを想定した提案を行っていく」という点に、同店ならではの特徴を発揮したい考えだ。

また、ファミリー世代に加えて、女性層、シニア層に対するアップル製品の販売にも力を注ぎ、「iPadがシニア層に人気が集まっているように、アップル製品が幅広い世代に受け入れられはじめている。それにあわせてアップル製品を幅広い層に訴求する製品と位置づけたい」と語る。

同店のAppleショップは、3階売り場共有スペースからの入口横。自動車で来店するケースが多いことから、駐車場から入るにはここがメインの入口になる。その点でも、同店がAppleショップを重要な売り場に位置づけていることがわかるだろう。

アップル製品の売り場面積を4倍に拡張したのは、約50平方メートルのAppleショップに隣接する形で、Mac用ソフトや周辺機器を拡張して展示。さらにiPadのアクセサリーの展示なども拡大したことによる。「これまではアップル関連製品が売り場のあちこちに点在する格好となっていたが、今回のAppleショップのオープンにあわせて、周辺機器やアクセサリー、そしてiPodの売り場もその近くに配置したことで、アップル製品をトータルで見ることができるようになった」という。

iPadとMacの連動提案にも効果を発揮するばかりか、Appleショップに隣接するアクセサリー売り場では、従来はあまり力が入っていなかったサードパーティ製品も数多く取り揃え、デジタルテレビチューナーとのセット提案なども行っており、用途提案の幅が広がることになる。「MacやiPadを、手軽に見ることができ、手軽に体感できる売り場として、地域に定着させたい」と池田副店長は意欲をみせている。