リスト以外にファイル管理専用のページである"ライブラリ"を作成することも可能です。

ライブラリページはファイルサーバーでいうところの共有フォルダと同じように利用できます。ファイルサーバーと異なるのは、ライブラリがリストの一種であるためリストと同様に列を自由に追加できる点です。列はユーザーが定義したカスタムのファイルプロパティとして利用できます。プロパティをファイルの分類目的などで設定しておくと、ファイルを再利用したい場合に見つけやすくなります。たとえば、案件で使用した提案書や資料などをライブラリで共有する際に、案件名をプロパティに設定しておくことが可能です。

図2 ライブラリを使用した案件関連のファイル共有画面。このライブラリには、"案件名" という列を追加して、案件ごとに異なるファイルを分類して管理できるようにしています

このようにSharePointを有効活用する上で最も重要なのは、"リスト" と"ライブラリ" の基本概念を把握し使いこなすことです。リストやライブラリは個々に管理することも可能ですが、リスト同士を関連付けたり、リストとライブラリを関連付けたりもできます。関連付けは、主に"参照列" と呼ばれる列を使って行います。同一サイト内にある列の値が参照できます。参照列には、参照元のページへのリンクが設定されます。

たとえば、案件関連ライブラリは案件管理リストの列を参照しています。

図3 案件関連ライブラリは案件管理リストの列を参照

そのため図2では、ファイルの "案件名" プロパティはリンクになっており、"SharePoint 2007へのシステム移行"をクリックすると案件の詳細を表示する次のようなページが表示されます。

図4 リンク先のページの表示画面。"2010年度 案件関連文書"ライブラリのファイルは、"2010年度 案件管理"リストの案件名をプロパティとして設定しています

ファイルのプロパティ設定は、ファイルアップロード時に指定できます。

図5 ライブラリへのファイルアップロード画面。ファイルアップロード時に案件名を指定しています。案件名フィールドのドロップダウンリストには、既存の案件管理リストに登録されている案件名が表示されています

関連付けた情報を一つのページにまとめて利用することも可能です。これを行うには、「Webパーツ」と呼ばれるページの構成部品を配置します。SharePointには豊富な種類のビルトインのWebパーツが備わっています。既存のリストやライブラリの情報をそれぞれ Web パーツ内に表示でき、任意のページに配置できます。

Webパーツは、その多くがWebパーツ間で接続できるようになっているため、案件管理リストの内容を表示するWebパーツと案件関連文書ライブラリの内容を表示するWebパーツの2つを配置して、Webパーツを接続することで、案件ごとの文書のフィルタリングが簡単に行えます。

図7 、8では、顧客リスト、案件管理リスト、案件関連文書を関連付け、1つのページで一覧できるようにしています。

図6 顧客リスト、案件管理リスト、案件関連文書の関連付けイメージ

図7、8 Webパーツを使って、関連情報を一つのページにまとめた画面。ユーザーが案件管理リストWebパーツから特定の案件を選択すると、関連する顧客情報と、関連文書がそれぞれフィルタ表示されます